学名:Pterocarpus macrocarpus 英名Padauk。代表和名「パド」、カリン、バトック、East Indian Mahogany(英国)、Kiaat(英国)、Mai Pradoo、narra、Padauk、Pradoo(タイ)、Pradoo(ミヤンマー)
適度な大きさになる木で、樹高24m、平均樹周1.5m達する。幹は通常円筒状にして通直であるが、時々樹形はねじれているか、分岐している。ビルマの上部混交林および乾燥林では、適度に通俗な木の一つである。またタイ国の中央、北部および北東の混交落葉樹林中にも見られる。
材色は帯黄赤色から煉瓦赤色で、不規則な暗色の斑紋を伴い様々であるが、外気にさらせば黄金帯赤褐色に和らぐ。木理交錯し、柾目面には狭いリボン模様を現わし、肌理中位に粗い。堅くて重い材。材はわずかに表面干割れを生ずる傾向あるが、天然乾燥良好と伝えられている。材の木口は乾燥度を遅くして保護し、木口割れを防ぐこと。人工乾燥はやや遅いように見られるが、材質低下は小さい。非常に強い材で、極めて耐久力がある材で、白蟻に抵抗力がある。防腐処理は非常に困難である。鋸挽きは、特に乾燥した時は困難と思われ、また加工し難い、仕上りは高級である。柾目挽材面は、逆目を生じないように、鉋削り注意が必要。
この材は旋ろくろ細工良好、この木材は釘打ち前に穴明けすることをすすめられている。磨く前に目止めが必要である。
用途は造作、玉突台、フローリング、家具など。
樹種名のカリンはややこしい。偶然も重なり多面的に複雑になっている。
まず、日本であちらこちらで見ることが出来る香りのある実がつく木で、カリン酒をつくるカリンはバラ科で、まったく別の種類。たまたま名前の音が一緒になっただけです。しかし、漢字の花梨がこちらのカリンにも使われたりしています。
銘木となるカリンはマメ科の木でアフリカやアジアに生育する木です。
いくつかの種類があり、それぞれの国や地方で名前がついています。同じ木でも国によって、名前が変わっているものもあります。また日本や現地の木材業界でも勝手に他の有名樹種のプランドを借りて名前をつけたこともあり、よりややこしくしています。例えば〇〇シタン、〇〇ローズウッド、〇〇チークなどです。シタン、チークやローズウッドの系統ではありません。
パドックも使われていますが、異なる種類で同じパドックを使わっている例も多いです。特定するのには学名で見るのが一番確実です。木の情報発信基地では3つのパドックを掲載していますが、わかりやすく表にしました。
学名 | Pterocarpus macrocarpus | Pterocarpus indicus | Pterocarpus soyauxii |
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和名 | パドツク、本花梨、ビルマカリン | パドツク、ナーラ、インドシタン |
アフリカンパドック |
英名 | Burma padauk | Padauk、New Guinea rosewood | African padauk |
産地 | ミャンマー、ラオス、カンボジア、タイ、ベトナム、インド、カリブ海 | シンガポール、タイ、フィリピン、ミャンマー、マレーシア、パプアニューギニア、インドネシア | ナイジェリア、コンゴ 、アンゴラ |