v11.0
- ID:
- トになっている」と話す
39187
- 年:
- 2017
- 月日:
- 0728
- 見出し:
- オリンピック選手村施設を無償の木材で? その裏に反故にされたレガシー
- 新聞名:
- Yahoo!ニュース 個人
- 元UR(アドレス):
- https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakaatsuo/20170727-00073795/
- 写真:
- -
- 記事
-
東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会が、選手村の交流施設を作るための木材を、無償で提供する自治体を全国から公募し、大会後は東京オリンピックのレガシー(遺産)として活用してもらう計画を発表した。
約2000立方メートルの木材が必要とされる。
だがインターネット上では批判にさらされている。
「五輪は搾取のための錦の御旗ではない」などと無償で提供させることに反発が相次いだのだ
一方で組織委は「全国各地の自治体から『無償でも』と申し出があったから企画した」と思わぬ反応に困惑しているとか
この騒動、改めて要旨に目を通したが、いくつか誤解があるように思う。
まず無償提供とはいうものの、山主や伐採搬出等を担当する林業家に無償を要求しているのではない。
おそらくだが、自治体が木材を買い上げて組織委に提供するのだろう。
つまり山主が損をするのではなく、大会に関係ない自治体が大会のために税金を投入するわけだ。
もう少し具体的に言えば、組織
委もしくは東京都が支払うべき金を各地の自治体につけ回すということだ
だから自治体の住民が納得するかどうかが鍵である。
もっとも、五輪用だからと山主から安上がりに買い上げることがなければよいが
もちろん、無償で木材を受け取る方からすればコスト削減できるからバンザイだろう
しかし施工を請け負う工務店などからすると、あんまり歓迎されないに違いない。
樹種も産地もバラバラ、しかも各地でプレカットを施された木材で一つの建築物を建てるのは結構苦労すると思えるからだ。
同じ樹種でも、産地が違えば強度などがバラつくし、プレカット工場が違うと同じ寸法でも微妙な差が出る
ものだから。
工事現場で泣かされる人が出なければよいが……
また木材はタダで手に入る程度の材料、という誤った認識が広がってはたまらない。
何十年という歳月と世話をする人々、そして伐採搬出する苦労の末に手に入れられるものであり、それに対価がいらないと思われては禍根を残す
もう一つ誤解されそうなのは、これは組織委の「(無償)買い上げ」ではなく「借り上げ」であること。
大会終了後に提供自治体に返されるからだ。
それを使うことで環境負荷を低減し、持続可能性の実現を目指す大会のレガシーにしてほしい、という。
これは、レガシーという呪文によって、後片付け費用を発生さ
せないというマジックである
実際、要旨には「レガシー」が無駄に連発されている。
「大会後に解体された木材を各自治体の公共施設などでレガシーとして活用していただきます」ばかりだ
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