v11.0
- ID:
- 37848
- 年:
- 2017
- 月日:
- 0307
- 見出し:
- 古民家の木材リサイクル シルバー人材活用し古材鑑定士育成 静岡
- 新聞名:
- 産経ニュース
- 元UR(アドレス):
- http://www.sankei.com/region/news/170307/rgn1703070006-n1.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
少子高齢化の進展とともに年々増加し、全国で地域社会の問題となっている空き家。
県内でも築50年以上の古民家が約4万9千軒あり、一部は倒壊の危険性も指摘されているが、空き家の実態調査は進んでいない。
そうした中、地域の住宅事情に精通したシルバー人材を鑑定士として育成し、古民家に
使われている木材などの「古材」をリサイクルする取り組みが始まった。
日本の伝統建築では、時間経過とともに強度が増す木材を再利用することが一般的で、専門家は「古民家の扱いに困っている方に古材の価値を伝え、古民家の保護にもつなげていきたい」と力を込める。
「大黒柱は建物の中心付近にある、太さ6寸(約18センチ)以上の柱。
ケヤキやサクラなどの広葉樹や、木目の緻密な針葉樹が多く使われています」
富士市シルバー人材センター(同市南町)で6日、県内で初めてシルバー人材センター会員を対象とした「古材鑑定士育成講座」が開かれた。
古材は築50年以上の古民家に使われている国産の自然乾燥材で、主にはりや大黒柱などの大経材が価値が高いとされる。
古材鑑定士は木材そのものの状態
だけでなく、建物の推定築年数や床面積など20項目を調査し、古材の価値を判定していくのが業務だ
講座を主催した県古民家再生協会によると、現在200人ほどの古材鑑定士が在籍。
県内には森町や伊豆半島の山間部など、第二次世界大戦で戦火を免れた地域を中心に、約4万9千軒の古民家が残されているという。
しかし、空き家かどうかの実態調査にまでは手が回らないのが実情で、地域の住
宅事情に詳しいシルバー人材の育成は不可欠だ
講師を務めた富田道明代表理事(54)は「木材の引っ張り・圧縮強度は時間とともに増していき、伐採から200~300年後も変わらない。
古材を循環型の建築資材として活用していくきっかけになれば」と話す
講座に参加した、大工の経験もあるという元建設業の高田弘樹さん(64)は「木材同士を加工して組み合わせる仕(し)口(くち)や継(つぎ)手(て)といった伝統工法は、先代たちが手作業でやってきた仕事。
ビンテージ木材として注目が集まる古材を大切にしていきたい」と語った。
育成講座は今月29日に静岡市シルバー人材センター(同市清水区浜田町)で会員を対象に開かれるほか、4月以降も各人材センターでの開催を計画している。
古材鑑定士の資格に関する問い合わせは、県古民家再生協会中部支部(電)054・340・2264まで
fff: