v11.0
- ID:
- 34827
- 年:
- 2016
- 月日:
- 0213
- 見出し:
- 願い込めた木彫り仏像
- 新聞名:
- 福島民報
- 元UR(アドレス):
- http://www.minpo.jp/news/detail/2016021328782
- 写真:
- -
- 記事
-
震災、原発事故の避難者に平穏な生活を取り戻してもらいたい。
二本松市針道の男性が、願いを込め木彫りの仏像作りに取り組む。
目標にしていた108体目を先月、彫り終えた。
穏やかな表情で両手を合わせる大小の像が工房に並ぶ
震災直後、工房の2階住居部分を、避難してきた浪江町の夫婦に3カ月間提供した。
偶然知り合った。
夫婦が住む場所に困っていることを知り「空いているので、よかったら使ってほしい」と申し出た。
2人と話しているうちに、何の落ち度もないのに着の身着のままで古里を追われた無念さが胸に刺さった
何かしたくなった。
浪江町民を招き、近くの「中島の地蔵桜」観桜会を催した。
秋には芋煮会も開き、住民との交流の場をつくった。
一日でも早く古里に帰れるように-。
祈りを胸に仏像作りを始めた。
写真を参考に独学で、のみを手に木と向き合う。
彫っていると無心になれた
浪江町民をはじめ県内各地から工房に見学者が訪れる。
仏像を見た人の笑顔が何よりの喜びだ。
求めに応じ、譲った仏像もある。
震災から来月で丸5年になる。
「これからも自分のできることを続けていく」。
静かな言葉に強い意思がにじむ
fff: