v11.0
- ID:
- 37146
- 年:
- 2016
- 月日:
- 1221
- 見出し:
- 海洋性細菌の酵素で木材成分のリグニンから機能性化学品を創る
~ホワイトバイオテクノロジーの新展開~
- 新聞名:
- 科学技術振興機構
- 元UR(アドレス):
- http://www.jst.go.jp/pr/announce/20161220-2/
- 写真:
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- 記事
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国立研究開発法人 海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦、以下「JAMSTEC」という)海洋生命理工学研究開発センターの大田 ゆかり グループリーダー代理は、京都大学 生存圏研究所の渡辺 隆司 教授、防衛大学校の小泉 俊雄 教授、埼玉工業大学の秦田
勇二 教授らと共同で、海洋から分離した細菌のもつ特異な酵素を組み合わせて利用し、木材から分離した天然リグニンから、さまざまなバイオプラスチックにも変換できる機能性化学品を生産する方法を見いだしました
近年、温室効果ガス排出の低減を目指して、バイオマスなどの再生可能資源を有効活用するためのさまざまな研究が精力的に行われています。
なかでも、木材をはじめとする非可食のバイオマスに多量に含まれるリグニンは、化石資源に替わる新しい化学品原料として大きな期待を集めています。
今回研
究グループが天然リグニンから酵素生産することに初めて成功した化合物は、フェニルプロパノンモノマーと呼ばれる物質で、これまでその活用法についてほとんど検討されていませんでした。
本研究では、天然リグニンから酵素でこの化合物を生産する手法に加えて、簡便な化学的手法によりバイオプラスチッ
クや医薬・化粧品などの機能性化学品に変換できることを示しました。
これらの成果は、酵素や微生物などの生体触媒の機能を化学産業に活用する異分野融合新技術(ホワイトバイオテクノロジー)に新しい展開をもたらすことが期待されます
また本研究の一部はJST 戦略的創造研究推進事業 先端的低炭素化技術開発(ALCA)、京都大学生存圏ミッション研究、JSPS科研費JP15K00649の一環として行われました
本成果は、 ドイツの科学誌「ChemSusChem」電子版に12月16日付けで掲載されました
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