v11.0
- ID:
- 35689
- 年:
- 2016
- 月日:
- 0617
- 見出し:
- ミラノで奮闘する日本の家具メーカーに見るブランド確立の道、
- 新聞名:
- ジャパンデザインネット
- 元UR(アドレス):
- http://www.japandesign.ne.jp/salone/2016/06/14864/
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
日本の家具メーカーとして初めてホール16に出展したマルニ木工、Photography: Nacása & Partners Inc.
日本の家具メーカーとして初めてホール16に出展したマルニ木工、Photography: Nacása & Partners Inc.
ミラノで奮闘する日本の家具メーカーに見るブランド確立の道、サローネ出展の意義
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2016/06/17 12:30
2016年4月12日から 4月17日までの六日間、ロー・フィエラミラノにて開催された第55回Salone del
Mobile.Milano(ミラノサローネ国際家具見本市、以下サローネ)。
家具と共にキッチン・バスルームと照明・オフィスが一年おきにフォーカスされ、今年はキッチン・バスルームの年であった。
来場者数は372,151人で、キッチンとバスルームの見本市が併催された2014年と比較すると4%の増加。
毎年、日本からも
大勢が訪問しているが、ここ数年は中国勢が一大勢力となっている
そんな世界最大の家具見本市であるサローネにおける日本のメーカーの存在感は?と言うと、それは非常に限定的なもの。
2400を越える出展者のうち日本からの出展はわずか6社。
そもそも日本の家具メーカーがサローネに参加できるようになったのは2008年から実施された経済産業省の「生活関連産業
ブランド育成事業(sozo_comm)」がきっかけで、この合同展で手がかりを得たメーカーが事業終了後にそれぞれの道を切り開いている状況だ
2008年のサローネに出展した「sozo_comm」の様子
2008年のサローネに出展した「sozo_comm」の様子
こうした状況なので、サローネ8年目のマルニ木工が超一流ブランド揃いのホール16に、同じく8年目のRitzwell(リッツウェル)が著名な欧州勢の揃うホール5に、それぞれ移動できたことは注目に値する。
これは家具に限らず、日本のデザイン、ものづくり、それらを通したブランディング活動がひとつ上のレベル
に進化した貴重な事例と見ることもできる
ここでは、サローネの概要を振り返ると共に、サローネで活躍する日本の家具メーカー6社と、市内で独自に展示していた日本の家具ブランド三つを紹介する
サローネ
・Ritzwell(リッツウェル)
・シラカワ
・カリモク家具
・飛騨産業
・サンワカンパニー
・マルニ木工
ミラノ市内
・カリモクニュースタンダード
・Yamakawa Rattan(ヤマカワラタン)
・宮崎椅子製作所
多くの人で賑わう2016年のサローネ
多くの人で賑わう2016年のサローネ
サローネ出展の難しさ、ミラノで家具をプレゼンする意味
2016年のサローネを振り返り、主催者Federlegno Arredo Eventi
spaのロベルト・ズナイデロ社長は次のように語っている。
「67%の来場者が海外からです。
そのほとんどの皆さんは、影響力のある仕事をしており、強い購買力を持っています。
出展者の方々のコメントからも、依然としてサローネは国際的に大きな使命を持ち、イタリアの輸出において重要な役割を果たしている
ことが確認できました」。
単に来場者が増えただけではなく中身を伴っていること、プリスクリプター(建築家、デザイナー等)や報道関係、そしてバイヤーが多いことを強調している
サローネの会場、ロー・フィエラミラノの展示面積は東京ビッグサイト全館の2.5倍ほどあるのだが、サローネはその全てを使い切っている。
この物理的な限界の中で来場者を着実に増やしていくことは、そう簡単ではない。
出展者の選別、適切なコマ数の設定やゾーニング等は、過去の成果をベースに各社の
可能性を推し量り、非常に難しい議論の末に決定しているようだ。
そして、全世界的なPR、ミラノ市の他イベントとの連携、イタリア首相等のVIPの来場といった総合力によって、先のズナイデロ社長のコメントにあるような数と実が達成されているのだろう
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