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- ID:
- 34478
- 年:
- 2015
- 月日:
- 1215
- 見出し:
- 新国立競技場建築への木材使用は、環境問題に取り組む日本の姿を世界にアピールす
るチャンスだ
- 新聞名:
- BLOGOS
- 元UR(アドレス):
- http://blogos.com/article/150001/
- 写真:
- -
- 記事
-
2020年のオリンピック・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場のデザイン案が2案公開されました。
どちらの案も公式発表では建築家名は伏せられておりますが、一部報道によると、隈研吾氏、伊東豊雄氏といった日本の著名建築家が関わったデザインだということです。
今後は国民やアスリートから
の意見もふまえつつ、選定が進められることになります
両案ともに、かねてからの懸念であった工費が大幅に抑えられたデザインになっており、世間の注目もそこに集まりがちですが、今回のデザイン案では着目すべき点が他にもあります。
それは、どちらの案も「木材の利用を全面的にアピールしている」という点です。
A案は屋根構造に木材をふんだんに使って
いますし、B案では72本の木製の柱がスタジアムを取り囲む形になっています。
このように木材をアピールしたデザインは、単に日本らしさを打ち出すだけでなく、環境問題に取り組む日本の姿勢をアピールするという点で、とても良いことだと思います
建築への木材使用には、環境保護の面でさまざまなメリットがあります。
第一に、森林資源の循環的利用を推進することで、健全な国土を保持することができるという点です。
第二に、成長に優れた苗木の育成しその苗で再造林を進めていくことで、森林を温室効果ガス吸着力のより高いものに変えていくこと
ができるという点もあります。
また第三の点として、木材製品そのものがもつ炭素貯蔵機能なども見過ごせないメリットです
こうしたメリットをふまえて、私はかねてより住宅や公共建築への木材利用を推進する議員連盟に参加してきました。
現在は「循環型社会形成のための木材利用推進議員連盟」の会長として活動していますが、その議連活動の中でも、国立競技場の建築には国産木材を使用して欲しいという要望を提出し
ていたところです。
国立競技場のような大規模な建造物となると、強度的な観点などから、どうしても鉄筋コンクリートを思い浮かべがちですが、実はこうした競技場でも、来賓席や食堂空間、さらには選手更衣室のロッカーに至るまで、さまざまなところで木材を使うチャンスがあるのです
ちょうど先日、地球温暖化対策のための国連会議COP21がパリで開催されていました。
そこで採択された協定は、「気温上昇を産業革命前に比べて、2度より低く抑える」という旨の具体的な数値目標が明記された点や、参加した全ての国が協定にサインした点など、多くの点で評価できる画期的なものでし
た。
まだまだこの協定を元にどのような具体的施策を行っていくかなど課題は山積ですが、今後世界全体で環境問題への意識が増していくことは間違いありません
5年後には世界から日本に向けて多くの人がやってきます。
メイン会場である新国立競技場の映像は、全世界に向けて長時間、そして繰り返し放送されることでしょう。
そのメイン競技場の外面に木材をふんだんに使用することにより、環境問題に取り組む日本の姿勢を、世界中に、しかも具体的なかたちで
見てもらうことができます。
オリンピック・パラリンピック開催とは、たんなるスポーツイベントではなく、このように日本の様々な良い点を世界に向けてアピールする大きなチャンスなのです
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