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ID:
32419
年:
2015
月日:
0206
見出し:
小山慶一郎が取材 スゴイ!木彫りアート
新聞名:
日テレNEWS24
元UR(アドレス):
http://www.news24.jp/articles/2015/02/06/07268736.html
写真:
-
記事
「朽ちていく柿」「使い古したトランク」「鉄板のサビ」…失われていく情景を「一本の木」から彫りあげ、色や質感までリアルに再現した作品の数々。
美術界で“超絶技巧”と称される彫刻家・前原冬樹さん。
創作の現場を小山慶一郎キャスターが取材しました。 筆を持つ手の、しわや指紋などをリアルに表現した彫刻。
モデルとなっているのは、作者自身の手です。
手首から筆の先端までは、1本の材木から彫りあげています。
さらに、長方形の材木から彫りあげた“革のカバン”。
制作期間は約6か月。
油絵の具で細部まで色づけされています。
カバンの上には、酸 化して輝きを失ったオイルライターが。
そして、タイルの上に置かれた柿。
精巧なカタチとリアルな描写から、これらの作品は美術界で「超絶技巧」と称されています 作者のもとを訪ねました。
彫刻家・前原冬樹さん52歳です。
「超絶技巧の世界」まずは…“大理石の台に置かれたカミソリとハサミ”。
さびた金属の質感までリアルに表現しています 前原さん「部品を合わせるんじゃなくて、1個の木から彫り抜いて全部つくっていくという」 小山キャスター「エッ?これ木なんですか?」 前原さん「そうです」 色付けは、油絵用の絵の具を使用。
このハサミをひとつをつくるのに約2か月かけました。
ハサミを手に取った小山キャスターは… 「うわ軽い!触ってはじめて木だってことが分かります。
質感が…全く分からないですね。
置いてあると。
木って言われた後も信じられないです」 そして、この大理石の台も1本の木から彫りあげました。
欠けてしまった部分の断面。
さびたネジなど、これが「超絶技巧」の真骨頂です 小山キャスター「よく見ると木目がはいってますね。
横にうわ~」 さらに、ギャラリーの床に無造作に置かれていた作品 前原さん「これも木です。
」 小山キャスター「木ですか!?」 折り鶴が置かれた赤茶色にサビた鉄板。
参考価格は、400万円です。
裏返してみると… 小山キャスター「本当ですね。
木だ!」 前原さん「こういう見えないところ、彫らなくていいんだけど…隠れている溶接のあととか、サビとかそういうのが好きだから、好きなところはしつこくやるっていう」 『好きなモノをしつこくつくる』という前原さんには、異色の経歴がありました。
入学が決まっていた日本大学芸術学部には行かず、なんと、プロボクサーとしてデビューした前原さん。
プロボクサーを引退後、32歳で「東京芸術大学」に入りました。 前原さん「ただ目先の面白いことをやり続けるっていう、その時、その時…」 彫刻をはじめて17年。
1本の材木から数ヶ月かけて彫り続けたこだわりの作品は、70点を超えました。 神奈川県、横浜市。
自宅の一室が前原さんのアトリエです。
雑然とした作業台の上にも作品が。
よく見てみると…本物のうちわの上には、前原さんがつくった木彫りのうちわが置かれています。
色付け中の指輪もあります。
これもやはり1本の材木から、ケースとひと続きで彫られています。
そして、精巧に作ら れた木彫りのセミも。
いま、アトリエで、前原さんがつくっているのは… 前原さん「船をつないでいる鎖の切れて垂れ下がった状態のイメージなんですけれど…」 船を岸につなぐ鎖。
一部にフジツボが付着している様子を表現しています。
これも、やはり一本の材木からつくっています 前原さん「何年前かの作品で、結構やったなと思っても、今見ると、いや、やっぱりまだできるなって」 この作品は、彫り始めてから2年以上たちました。
今も完成のめどは経っていないということです 取材をして小山キャスターはこう語ります 「今回、ギャラリーを訪ねたのですが、言われてみないと作品だと気付かないほど、リアルにつくられた彫刻に驚きました。
プロボクサーになったのもそうですが、『一つのことを、とことん突き詰める』という前原さんの生き様が作品にもあらわれているように思いました」 fff:
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