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- ID:
- 34076
- 年:
- 2015
- 月日:
- 1021
- 見出し:
- 機能性(木材保護)木部用塗料特集2015 木材利用促進の救世主 CLT
- 新聞名:
- CoatingMedia Online
- 元UR(アドレス):
- http://www.coatingmedia.com/special/archives/2015/10/2015_clt.html
- 写真:
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- 記事
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建築関係者の間で「CLT構法」と呼ばれる新たな木造建築が注目を浴びている
CLTとはCross Laminated Timberの略で、ひき板を並べた層を、板の方向が層ごとに直交するように重ねて接着した大判の構造用木質パネル。
一般的な集成材が、繊維方向が並行に張り合わせているのに比べ、繊維方向が直交しているので寸法安定性が高く強度が強いなどの特性がある
3層、5層、7層など奇数層で張り合わせて数十センチの厚みを持つパネルにして、建物の構造躯体(耐力壁)に利用しようというのがCLT構法の狙いだ。
厚みを持たせることで強度に加え断熱性・遮音性・耐火性などのメリットが期待できる。
CLTは90年代の半ばにオーストリアで開発され、ヨーロッパ、北米などで急速に普及している。
ロンドンではCL
Tを躯体に用いた9階建てのマンションも建っているほどで、木造躯体による中高層ビルの建設を可能にした構法として注目が集まっている
国内でも、国産材の利用増大の面で大きな期待が寄せられている
建物の構造としてはこれまで、住宅など低層建築の柱や梁で使用されるだけであった集成材が耐力壁として用いられると木材の利用量が格段に増大する。
衰退する林業や山間地域の活性化、循環資源である木材利用による環境負荷低減などを念頭においた林業の成長戦略や地方創生といった国の施策
とも合致。
CLT普及へ向けた官民の取り組みが活発化している
まずJAS規格に関しては平成25年12月に「直交集成版」の名称で制定。
関係者が要望を上げてから2年で制定という過去に例を見ない異例のスピード。
期待の高さが伝わる。
木材を構造に使う場合の大きな課題である耐震性と耐火性に関してもCLTメーカー(現在3社)や行政、研究機関との連携で、急ピッチで進んでいる
国交省と林野庁は昨年、CLT普及のロードマップを策定。
現在、CLTによる建築は国交大臣認定を要するが、2016年度にはオープン化に必要な基準強度、一般的な設計方法の告示を行う計画
耐火に関しては、4階以上の建物はモルタルや石膏ボードなどの併用により建築基準法上の耐火基準を満たし、3階建以下の建物では炭化層の厚みで耐火性を持たせる(60mmで1時間)燃えしろ設計によりCLTの現し(あらわし)でも利用できる方向だ
CLT構法のターゲットは中層ビルなどの建物。
戸建住宅に関しては既に枠組み壁構法のツーバイフォーが普及しており、技術的にもコスト的にも定着している。
一方、中層ビルではS造やRC造が主流で木材の利用は少ない。
これら木材未利用分野で新たな需要を創出していくのが狙いだ
その点で超えなければならないのがコストの壁
国内のCLTメーカーは銘建工業(岡山)、山佐木材(鹿児島)、共同組合レングス(鳥取)の3社で、年産1万㎥ほど。
コストは現状15万円/㎥でコンクリートの倍の単価になる。
ロードマップではこの点にも言及し、来年度期首には5万㎥の生産能力を実現、各地に生産工場を整備し7年後には年産50万㎥の生産
体制を構築し、コストの半減化を実現するとしている。
ちなみに、年産50万㎥だと3~4階建ての中層建築物の6%に相当するボリューム
ただ、材料単体で見ると現状では高くついてしまうが、コンクリートの養生に1カ月かかるRCに比べ、プレファブのCLTは構造躯体を1日で完成させることも可能。
ビスや接合金物によるシンプルな接合、繰り抜きや切断などの自在性、熟練を要しないことから職人も確保しやすいなど施工性の面で優位で、「材工
を合わせると現状でもRCに十分対抗できる。
生産増大でコストを下げることで市場性も一気に高まる。
国内にツーバイフォーが導入されて以来実に40年ぶりの新たな木造建築構法が立ち上がろうとしている。
木材利用促進の救世主になる」(日本CLT協会)と意気込む
CLTを始め、やはり木材集成材パネルをALCカーテンウォールのように用いる「W・ALC(ウッドエーエルシー)」など木材の利用促進につながる新たな木材製品・技術の開発が活発化している。
その中で木材用の塗料がどのような位置づけにあるのか。
「3階建以下の内部現しの場合に用いる可能性はあるが
、外部に関しては吹付、左官、サイディングなどを想定している」(日本CLT協会)。
「外部用木材保護塗料の耐久性は期待できない。
劣化したら取り替えという発想が支配的」(W・ALC設計者)と、木材保護塗料の耐久・耐候性に関して技術革新がないと期待は低そうだ
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