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    ID:
    33817
    年:
    2015
    月日:
    0906
    見出し:
    災害に強い家 この手で  紀伊水害被災 天川の木工作業所
    新聞名:
    読売新聞
    元UR(アドレス):
    http://www.yomiuri.co.jp/local/nara/news/20150905-OYTNT50250.html
    写真:
    【写真】
    記事
    紀伊水害で作業所が水没した天川村の「美吉野木材」5代目の喜良竜介さん(39)は、被災を機に、「災害に強い家を造りたい」と、住宅の設計・建設を請け負うようになった。
    水害から4年がたち、再起をかけて初めて手がけた住宅が、間もなく完成する。
    (熱田純一)  2011年9月4日午後1時頃、対岸で発生した大規模土砂崩れで天ノ川がせき止められ、上流側にある天川村坪内地区は68世帯の約7割に当たる50世帯が、水没するなどして被災した。  妻・知里さん(38)の父から受け継いだ美吉野木材は、大正期から続く材木商。
    木造平屋の作業所(約400平方メートル)は屋根だけ残して水没。
    基礎から柱が抜けて大きく傾き、木工機械やトラックなども浸水した。
    喜良さん夫婦と5人の子供は、下市町にいて無事だったが、作業所に隣接する自宅は住 めなくなった。  片付けようにも、どこから手を付けたらいいか分からない。
    見通しが立たず、朝からやけ酒をあおることもあった。
    取引先や各地から来たボランティアに助けられ、3か月後、知里さんの実家の車庫で、仕事を再開した。  喜良さんは、1級建築士の資格を持つ宮大工で、奈良市の薬師寺での修理などにも関わった経験があるという。
    いずれは、寺社建築の技術を生かした住宅づくりがしたいと思っていた。  水害は、その思いを一層強くさせた。
    寺社建築は木組みで堅ろうさを確保する一方で、土壁を使うため全体が柔構造となり、自重で地震に耐えることができるという。
    被災したからこそ、自分の技術を役立てたいと考えた。  元の場所に再建することにした作業所は、製材中心から、寺社や住宅の部材の加工に軸足を移した。
    作業所が完成したのは水害から2年近くたった頃。
    寺社の修理や住宅リフォームなどの仕事は徐々に増えた。  喜良さんの仕事ぶりに目を付けた地元森林組合関係者が、橿原市で第1号となる住宅建設を依頼し、昨年3月、設計に着手。
    耐震構造計算に時間を割いた。  木材は地元の吉野杉やヒノキにこだわった。
    木目の美しさにひかれたこともあるが、地元林業の低迷を何とかしたいという思いも強い。
    スギ価格はピークの約5分の1に低下、従事者の減少と高齢化が進行し、林業の衰退は深刻だ  喜良さんは「地元材を使えば、過疎の村の振興につながるだけでなく、森の手入れも行き届く。
    そうすれば土砂災害も減らせる」と信じ、昨秋から梁や桁などの加工を進めた。  先月29日、橿原市の現場で工事用の足場が取り払われると、重厚な住宅が姿を見せた。
    軒下には寺社と同様に「斗きょう」と呼ばれる屋根を支える部材。
    壁は全て土壁で、住宅街で異彩を放つ。
    喜良さんは知里さんと満足そうに見上げた。 fff:

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