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ID:
33485
年:
2015
月日:
0713
見出し:
迫られる「未利用木材」の再定義
新聞名:
環境ビジネスオンライン
元UR(アドレス):
http://www.kankyo-business.jp/column/010866.php
写真:
-
記事
わが国の木質バイオマスFITでは、間伐などで伐り倒されたまま山に放置されている「未利用木材」を有効に活用すべく、32円/kWhの買取価格が決められた。
しかし実際にはこの種の「伐り捨て間伐」は次第に減ってきている。
最近では、山から下りてきた丸太をすべて未利用とみなす風潮さえ出てきた。 このままでは、製材や合板に向けられる丸太との競合をますます激化させ、さらには木質資源のカスケード利用を難しくするかもしれない。
未利用木材による小規模発電の報償額が、40円/kWhに引き上げられたことで、その可能性は一層大きくなった。
問題の所在を明らかにし、筆者なりの改善策を提示した い 中身の曖昧な未利用木材の定義 以前このシリーズの「木質原料をめぐるマテリアル利用との競合」(2014.05.12日付)で指摘したことだが、わが国の木質バイオマスFITを支えているのは、「国内の森林で毎年2,000万立方メートルの未利用木材が発生している」という大前提である。 表1は、発足時のFITで区分された3種類の木質バイオマスの正式の呼称と具体的な中身を一覧にしたものだ。
経産省の告示にあるように、「未利用木材」とは「森林における立木竹の伐採または間伐に由来する未利用の木質バイオマス」のことで、間伐材に限らず、一定の条件を満たせば主伐材も含まれる 通称区分 経産省告示の区分 該当バイオマス(林野庁ガイドライン) 未利用木材 買取価格 32円/kWh 森林における立木竹の伐採又は間伐により発生する未利用の木質バイオマス (告示第12号) (1)間伐材 (2)上記1以外の方法により下記の森林で伐採された木材 森林経営計画対象森林 保安林・保安施設地区 国有林野施業実施計画対象森林 (例 主伐木、支障木、除伐木等) 一般木材 24円/kWh 木質バイオマス又は農産物の収穫に伴って生じるバイオマス (告示第13号) (1)製材等残材 (2)その他由来の証明が可能な木材 森林からの伐採木材 (前項(2)以外の木材、輸入材) 伐採届を必要としない木材等 (果樹等の剪定枝、ダム流木等) 建設資材廃棄物(建廃) 13円/kWh 建設資材廃棄物 (告示第14号) 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律第2条第2項に規定する建設資材廃棄物 注)未利用木材と一般木材は、ガイドラインに準拠した公的な証明・分別管理が必要で、それがないと建設資材廃棄物とみなされる。 未利用木材が具体的にどのようなものを指すのか。
林野庁の「ガイドライン」にも明確な説明は見当たらない。
『木質バイオマス発電・証明ガイドラインQ&A』は、この問いに対して「伐採されながら利用されずに林地に放置されている未利用間伐材や主伐残材といったもの」と答えている。 一般に未利用材と言えば、製材用丸太や合板用丸太などを伐り出した後に残る小径材や枝条、端材などの「林地残材」を指すのだが、森林に放置されたとされる2,000万立方メートルの中には製材や合板に向けられる丸太も相当に含まれている。
林地残材に限定すると、この太い部分を山に残して、低質の ものだけを集めてくるという馬鹿げた話になってしまう。
また林地残材だけだと、発電燃料として集められる量もそれほど大きくはならない。
当局が未利用木材の中身をあえて明確にしていないのは、以上のような事情があったからではないかと推測している。 それはともかく、木材生産のために造成した人工林で、かなり大きな林木を伐倒したまま放置するとは、まことに異様な事態である。
幸いなことに、近ごろこの種の伐り捨て間伐はあまり見かけなくなった。
伐出作業の機械化も進んでいる。
林内で樹木を伐倒したら枝のついたまま林道端まで引きずり出し、プロセッ サやハーベスタで造材する方式が採られるようになった。 fff:
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