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- ID:
- 33306
- 年:
- 2015
- 月日:
- 0617
- 見出し:
- 九州北部3県が木材輸出でスクラム 円安追い風“本場”南部に対抗
- 新聞名:
- 産経ニュース
- 元UR(アドレス):
- http://www.sankei.com/region/news/150617/rgn1506170027-n1.html
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福岡、佐賀、長崎の九州北部3県が今秋以降、協力態勢を築いて、スギやヒノキなどの木材輸出を本格化することが16日、分かった。
中国での木材需要の高まりと円安傾向を背景に、国産材の輸出が伸びている。
九州南部に比べ、木材生産量が少ない3県だが、まとまることで販路開拓や輸送コスト削
減を推し進め、輸出拡大を狙う。
(九州総局 村上智博)
3県によると、森林組合も加わった協議会を7月に発足させ、輸出の仕組みを作る。
その後、平成29年度までかけて、3県合同で試験輸出に取り組む
具体的には、それぞれの県の森林組合が伐採した木材を伊万里港(佐賀県伊万里市)に集め、大型貨物船に積み込んで輸出することを想定している。
輸出事務は福岡市内の貿易会社が担う。
一度に丸太6千~9千本積める船の手配を進めており、今年度だけで計8回、中国などへ船を出したいとしている。
合わせて、中国・上海の見本市などで、九州産木材のアピールを進める。
輸出促進にあたって、福岡県は今年度、丸太1本当たり約120円の運搬費用を助成することを決め、計約310万円を、今年度当初予算案に盛り込んだ
安い輸入材に押されてきたが国内林業は今、復活にわいている。
まず中国などで、冷蔵庫などの梱包(こんぽう)材としての需要が急拡大した。
フィリピンなど新興国でも経済発展や人口増加で、世界の木材需要は増えている。
そこに円安傾向が追い風となった。
一方、国内では昭和30年代を中心に、スギやヒノキの大量植林が進んだ。
こうした木材が、伐採の適齢期を迎えている。
需要と供給がマッチした格好だといえる。
5月29日に閣議決定した26年度の「森林・林業白書」によると、26年の木材輸出額は178億円と、前年比で45%も増えた。
政府は今後、平成32年度までに、輸出額を250億円に増やす目標を掲げている。
九州に目を転じれば、九州7県の木材生産量(平成26年、林野庁まとめ)は466万6千立方メートルだった。
これは直径20センチ、長さ4メートルの丸太約2800万本分に相当する。
林業は山がちな宮崎県や大分県で盛んだ。
「飫肥(おび)杉」(宮崎県)や「日田杉」(大分県)などのブランドもある。
一方、福岡県など今回輸出で協力する3県の木材生産量は少ない。
26年は約36万立方メートルで、宮崎県1県の生産量(約168万立方メートル)に遠く及ばない
生産量が少ないことから、規模の効果(スケールメリット)が働きにくい。
このため単独では、伐採や輸送費などのコストを圧縮できない
そこで、3県は「協力することで競争力を強化し、木材の輸出を伸ばすべきだ」(福岡県林業振興課)と判断した。
輸出が軌道に乗れば、育成や加工での協力も進めるという
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