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    ID:
    32523
    年:
    2015
    月日:
    0223
    見出し:
    イタリアのギター職人「困窮する一流奏者のために」
    新聞名:
    AFPBB News
    元UR(アドレス):
    http://www.afpbb.com/articles/-/3040526
    写真:
    【写真】
    記事
    イタリアのギター職人、ロベルト・セレッティ(Roberto Ceretti)さん(50)にハンドメイドのギターを売って欲しいと頼んでも、恐らく断られるだろう。
    セレッティさんのギターはコレクターの間でも人気があるが、彼が顧客とするのは困窮している一流のギター奏者だけだ  イタリア北西部の山の中にたたずむセレッティさんの工房には、製作中のギターが吊され、壁にはシダー、ローズウッド、マホガニーなどギターに使用される木材が置かれている。
    大きな製図板にはクラシックギターの設計図が幾つも貼られている。  セレッティさんは「12歳の時にボール紙で初めてギターを作った。
    もちろん、ギターとしては使えなかったけれど、情熱に突き動かされた」と語る。
    ギター職人として本格的に仕事を始めたのは15年前。
    ピエモンテ(Piedmont)州の森に持っていた古い別荘を工房に改装した。
    ここで作るギターは年間5~6本ほど 経済危機で大きな痛手を被った音楽家たちに格安で売る。  冬になると、ギターの材料となる木を自ら伐採しに行く。
    冬は木が割れにくく、材料を入手するには最も適した季節だ。
    トラックに積んで工房へ持ち帰り、愛犬のかたわらで、製作に適した大きさに切っていく。
    通常は薪割りに使われるレッドウッドやモミの木などからも美しい木目のものを選び、ギターのトップやバ ック、ネックに使用する。
    ブリッジやナットなどのパーツに使うのも天然素材だ  ギター作りでセレッティさんが影響を受けているのは、近代のクラシックギターを最初に設計したことで知られる19世紀のスペインの弦楽器職人、アントニオ・トーレス・フラード(Antonio Torres Jurado)のような巨匠たちだ  深い音色が魅力のハンドメイドのモダンギターは最高2万5000ユーロ(約400万円)の値が付く。
    だが、セレッティさんにとってギター製作は金銭のためではない。
    「ギターは窓際に座らせる売春婦ではない。
    一生手元に置き、弾いて、愛情込めて手入れする楽器だ」と話すセレッティさんは、こう言い切る。
    「私の 客は演奏家だけ。
    コレクターや壁に掛けるおしゃれな飾りを欲しがる人々のためには作らない」  仕事以外の時間は近くの川沿いを歩いて、新鮮な木材を集めるのに適したタイミングを辛抱強く待つ。
    そのタイミングは、キクイムシ(木食い虫)の有無に影響する月の満ち欠けからはじき出されることが多い。
    木材の準備ができてからギター完成までは1か月ほど。
    最後は指板のインレイ(装飾)やロゼッタ( サウンドホール周りの縁の装飾)を施して仕上げる。  ギター作りは手間がかかり、骨の折れる仕事で、3人の子どもが継ぐことはなさそうだが「とてもやりがいがある」とセレッティさんは話す 「今の状況でイタリアで音楽家をやっていたら、金にならない。
    だから代金は請求しないことも多い。
    代わりに物々交換をする」。
    これまで代金の代わりに必要としている機械や工具、コンクリートミキサーなどを受け取ったことがある。
    「一流の演奏家たちと、いつもこうやって働いてきたんだ。
    彼らの懐に余裕があるなら 、1本2000~7000ユーロ(27万~95万円)は請求するかもしれないが、そんなことは滅多にない」と話し「経済危機の今は、困っている本物の音楽家を助けたい」と語った。
    (c)AFP/Ella IDE, Marco Bertorello fff:

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