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- ID:
- 32521
- 年:
- 2015
- 月日:
- 0223
- 見出し:
- 木材の一大集積地に大規模バイオマス発電を建設
- 新聞名:
- 環境ビジネスオンライン
- 元UR(アドレス):
- http://www.kankyo-business.jp/column/009831.php
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
中部電力グループの中部プラントサービスは16年6月稼働をめざし、三重県多気町にグループで初となる100%木質バイオマスの発電所、多気バイオパワーを建設する。
発電規模は6700kWを予定する。
中部電力本社
中部電力本社
バイオマス発電により未利用のまま廃棄されていた間伐材などを燃料として使用し、売電事業とともに森林事業の活性化と雇用促進などにつなげたいという。
予定する発電規模は6700kWで、想定年間発電量は約5000万kW/年。
これは多気町の総世帯数5540世帯の年間電力使用量での2.5倍にあたる。
木材の一大集積地三重県
燃料として使用する木質チップは年間65000t
程度を見込み、木質チップは隣接する松阪市のウッドピア木質バイオマス利用協同組合から供給する。
同協組は01年4月に国、県、市の全面的な支援を受けて操業を開始した国内初の国産材コンビナートで、チップの年間生産量は計画取扱量で27000t。
バイオマス発電は太陽光発電や風力発電と異なり
、燃料の確実な調達と運搬が必要となるため建設地として林業の盛んな中部地区に注目し、そのなかから木材の一大集積地を持つ三重県を選んだ
多気バイオパワーの建設予定地は、液晶産業を核に商工業の振興を計画し企業誘致を進める多気クリスタルタウン工業ゾーンにある。
同地区を選定した理由は電力や工業用水の確保が容易なこと、またウッドピア松阪に近いことから燃料の輸送コストを抑えられることなどによる。
「多気クリスタルタウンの工業地区は発電所建設に必要な環境対策に十分対応可能で、既設の送電線からの延線も容易に行える。
また進出にあたっては多気町から強力な支援を受け、土地の購入には補助金の交付もあった」(同社)とする。
固定買取制度で木質バイオマス発電のうち未利用材と一般材を
燃料とした電力の買い取り価格は25円程度/kWh(20年間)。
これにより年間10億円の売電収入を見込む
三重県多気町「多気クリスタルタウン周辺地区と工場ゾーン」写真提供/多気町
三重県多気町「多気クリスタルタウン周辺地区と工場ゾーン」写真提供/多気町
中部プラントサービスは火力発電など発電設備の工事とメンテナンスに実績のある企業で、これまで太陽光発電など再生可能エネルギー分野にも積極的に取り組んでおり、今後はバイオマス事業にも注力する。
なお、中部電力グループのバイオマス発電はこの他、愛知県碧南市の中部電力碧南発電所で1
2年4月から木質チップと石炭を混焼させた発電を行っている。
燃料は木質バイオマスを送炭コンベア上で石炭と混合し既設の微粉炭機で粉砕してつくる。
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