外装ではセトールシリーズの主力製品「セトールHLSe」が、内装では「同BLデコール」が全面採用され、木の素材感を味わいながらも木材をしっかりと保護する役割を担った。
また、スリップ防止機能を付加したウッドデッキ用塗料「セトールデッキプラス」も大型案件が控えている。
長野県にある林野庁所管の自然休養林で散策路のボードウォーク2.5kmに採用を予定しており、同品の大型の実績となる。
高い耐候性とシリカ配合による水濡れ時の滑り止め効果が認められた。
一方、木材保護塗料の近年の需要動向として「当社への問い合わせの傾向から一般のお客様がDIYで利用するケースが増えてきていることを実感している。
一般消費者市場での認知度を高めブランディングを図っていく」ためのプロモーションに注力する。
着色技術に強み、外部用も伸長
大谷塗料
木工塗料全体が消費増税の反動に見舞われる中、自然系木製木部保護着色剤「水性バトンプラス」の販売量が伸びている。
危険物対応を進めるホームセンターでの扱いが伸びている他、ゆるキャラを活用したユニークな販売展開も奏功し存在感を高めている。
「水性バトンプラス」は、塗りやすさと塗りムラのない仕上がり感を特長とする「VATONシリーズ」の外部用として位置付けた製品。
植物油を水性化した独自技術により、VATONの持つ作業性を維持しつつ、防虫・防腐などの木材保護機能を付与。
食品安全衛生法、学校環境衛生基準に適合する安全性を有
しながら木目を生かした美しい仕上がりを実現する。
昨年は同社工場が熊本にあることにちなんでカタログや製品缶に熊本県発祥の人気キャラクター「くまモン」を採用。
「最初は工場系ユーザーの採用が目立ったが、徐々に汎用化の動きを見せている」と更なる販売拡大に手応えを示す
現在、「VATONシリーズ」は、定番品の自然系木部用浸透型着色剤「VATON」を筆頭に、自然系水性タイプの「水性VATON」、古家具調の濃色仕上げを実現する「VATON ウッドプロ」、艶感のある着色仕上げを得意とする「VATON
カラーニス」などをラインアップ。
内部用を中心に用途や仕上がり感に応じた品揃えを拡充している。
一方、外部用では、独自の下地処理システムを構築するなど、木工塗料専門メーカーとしての強みを生かしていく意向を示す
木材保護塗料の自信作投入
カラーワークス
カラーワークスが木材保護塗料の本格展開を始めた。
独自開発した水性、半造膜タイプの「ウッドナチュラル~ガーデン~」は、1回塗りで仕上がる高い隠ぺい力と従来品を上回る耐候性を実現、「扱いやすくてきれいに仕上がり、耐候性にも優れる。
木材保護塗料の従来イメージを変えた」自信作。
ペイントDIY
普及の切り札にしたい考えだ
同品の開発コンセプトは『ガーデンリビング』。
「庭やベランダは、洗濯物を干すだけなどデッドスペースになっている場合がほとんど。
ガーデンをデザインすることでリビングの延長として活用できるなどそのスペースは生まれ変わり、暮らしの質が楽しく豊かになる。
ペイントをその誘導路にしたい」との考え
屋外木部保護塗料は既に多くの製品が販売されているが「主流の油性タイプは臭いがきつく手間(乾燥時間)もかかり、その抵抗感から潜在的なDIY需要を掘り起こせていない」と手軽に扱える点にこだわって開発に臨んだ
同品は、「塗料の伸びが抜群に良くとても塗りやすい。
それでいて1回塗りで仕上がり、目を見張る撥水力と従来品を大きくしのぐ耐候性を発揮。
水性で臭いもないのでDIY作業へのハードルがグンと下がる。
もちろん防腐・防虫・防カビなどの基本性能は満たしている。
1度使っていただければ従来の木材保護
塗料との違いが明確に分かる。
この種の塗料で差別化を図りたい塗料販売店には打ってつけ」と自信を示す
セット展開を強化、総合力に強み
オスモ&エーデル
今年4月、創業25周年を機に輸入建材を取り扱っていたエーデルジャパンを統合し、日本オスモからオスモ&エーデルに社名変更した。
オスモ製品に樹脂サッシや外付けブラインドシステムなどのドイツ建材を加え、材料販売から建築設計まで担う住宅総合企業として再スタートを切った。
その中で木材保護塗料市場においては、半造膜系の浸透型木材保護塗料「オスモカラー ウッドステインプロテクター」と、クリヤー(透明)仕上げで高い耐候性を保持する「オスモカラー
外装用クリアー"プラス"」をラインアップ。
販売店会の設立や1回数千枚に及ぶ徹底したDM展開により着実に販売量を拡大。
不揮発分の多さから植物油塗料は塗りにくいといったイメージに対して、推奨刷毛の選定や省工程に寄与する伸びの良さを訴求することで、徐々にユーザーの支持を集めていった。
昨年も2ケタ増と好調な伸びを維持するが、ここに来て更に勢いが増している。
「木材利用促進法の影響もあり市場は追い風。
特に官公庁物件の採用が伸びている」(担当者)と、内部用で培ったブランド力を生かし、屋内外両方での需要を取り込んでいる。
「内装、フロア、屋外とセットでの提案を強めていきた
い」と豊富な品揃えを武器にワンストップ提案に注力していく
なお、現在25周年キャンペーンを実施中。
「オスモカラー エキストラクリアー」「オスモカラー フロアークリアーラピッド」の2製品を2.5ℓ缶から3ℓ缶と20%増量している。
"水性""1回塗り"エクステエナメル
玄々化学工業
玄々化学工業は屋外木材向けとして、水性木材保護塗料「エクステエナメル」の販売に注力している。
水性塗料でありながら1回で仕上がる作業性が現場から高評価を得ている。
同社では木材保護塗料として、油性タイプではデンマーク製の「サドリンシリーズ」、水性タイプでは自社ブランドの「エクステシリーズ」をラインアップ。
市場では油性タイプが使用されるケースが多いものの、同社では環境を配慮した水性タイプの「エクステシリーズ」の提案に注力。
その中でも隠ぺい性の優れた
「エクステエナメル」を戦略製品としてPRを進める。
同品は外装木部の着色仕上げに使用し、隠ぺい性が高く1回塗りで仕上がるため作業性に優れる。
優れた高濃度、高耐久顔料と防腐、防カビ、撥水効果により木材を長期間保護する。
国の施策として国産木材利用促進が打ち出される中、公共物件で木材を使用するケースが増えており、同社ではそうした物件への提案を積極化させている。
「水性塗料であっても物性が上がっているので、油性塗料と比べても遜色はない。
"水性""1回塗り"を強くアピールして採用を増やしていきたい」との意
向を示す
その一方で、近年目立っているのが一般生活者からの問い合わせの動き。
HPを通じて、自ら塗り替えメンテナンスを行うユーザーからの問い合わせが増えている。
そのため、一般生活者との接点が多い木材問屋などへの認知活動を進めている。
サービスが顧客を生み出す
和信化学工業
和信化学工業の半造膜タイプの水系木材保護塗料「ガードラックアクア」が好調な動きを続けている。
「同品の投入により、木材保護塗料市場に新たな領域を構築することができた。
ブランド力に磨きをかけていきたい」(担当者)と更なる販売拡大に手応えを見せる。
ニッチ市場ながら競合品がひしめく中で同社が差別化に掲げるのは、サービスの開発。
製品自体の機能及び品質向上に努める一方で、いかに顧客にとって魅力的な製品に育てるか。
お客様センターを通じ、プロから一般消費者まで月に200件近くの問い合わせが寄せられる中で、サービスに対する認識を
高めている。
その一環として昨年スタートしたのが、WEB上によるカラーシミュレーションサービス。
「ガードラック」専用ホームページで運用し、建物に対する配色イメージをより明確につかむことができる。
更に「色選びも楽しんでもらいたい」と従来の標準色17色にオリジナル色20色を加え、それぞれの色をブレンドすることで、
自分好みの色を探すことができる。
同社は今後も順次新サービスを開発する予定。
「知りたい時に知りたい情報をどれだけ提供できるか」。
塗り替え市場へのシフトに伴い、消費者感度に沿ったサービスの在り方を志向する。
水系木材保護塗料としては、半造膜系の「ガードラックアクア」、浸透タイプの「ガードラックラテックス」を上市。
薬効成分の持続性を高めるマイクロカプセル技術を強みにカラーバリエーションの拡充を図っていく
工期短縮、各種仕上げに対応
大阪塗料工業
大阪塗料工業が昨年リニューアル投入した「水性ニューボンデン」が好調な荷動きを見せている。
「エナメル仕上げから着色仕上げまで幅広い仕上げを実現できることが引き合いにつながっている」(担当者)と、水性造膜系製品の投入が相次いでいることを機に、市場での存在感を高めている。
同品は、防腐、防虫、防カビといった木材保護塗料としての基本性能に加え、高耐候性、高撥水性、低臭性、防蟻、防藻と多機能性を有しているのが特長。
特殊撥水剤を付与することで木材表面からの雨水の侵入を防ぐとともに、紫外線に強い顔料を配合することにより耐候性を確保した。
特にこだわったのが、仕上がり感と作業性。
着色エナメル仕上げの際、素地、下地処理後、1回塗りと工期を短縮する一方で、専用のレジューサーを使うことで着色ステイン仕上げを実現。
用途や木材の劣化に応じた塗装仕様が選択でき、灰色化した劣化木部に対しても隠ぺい性の高い美しい仕上がりを実
現する。
2回塗り及び3回塗りを定めた日本建築学会規格JASS18M-307(木材保護塗料塗り)にも適合する。
同品が発売して1年足らずで主力の防虫防腐着色塗料「ニューボンデンDX」の販売量に迫る勢いを見せており、「木材保護塗料を当社の主力ブランドとして育てていきたい」とコメント
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