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- ID:
- 30942
- 年:
- 2014
- 月日:
- 0719
- 見出し:
- 木工芸・須田さん 人間国宝認定へ
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.yomiuri.co.jp/local/gunma/news/20140718-OYTNT50478.html
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- 【写真】
- 記事
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国の文化審議会は18日、甘楽町国峰の木工芸作家、須田賢司さん(60)を「木工芸」の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定するよう文部科学相に答申した。
秋に認定される見通し。
県内の人間国宝は3人目で、2人は死去しているため県内唯一となる。
木工芸の認定は本県で初めて
須田さんは、くぎを使わずに凹凸で木材を組み合わせて小箱や家具を作る指物さしものの作家で、2010年には紫綬褒章を受章している。
木材を確保しやすく、乾燥した気候の作業場を求め、1992年に出身地の東京都から甘楽町に移住した。
「祖父や父が築いてきたものが評価されたことが非常にうれしい」と語る。
祖父の代から続く指物師の家に生まれ、幼い頃から伝統技術を間近で見てきた。
指物について「日常的な道具を芸術品として見なす、日本人独自の美意識が表れている」と話す。
手ざわりを頼りに板を全く同じ厚さに削り、寸分の狂いなく組み合わせる正確な技術だけでなく、みやびな芸術性も評価されている。
昨年の日本伝統工芸展で入選した楓拭漆小箪笥かえでふきうるしこだんす
「碑林玄英ひりんげんえい」は何枚ものカエデの板を組み合わせた木目の切り替わりが印象的だ。
アンズの葉の形をした金具は観音塚古墳(高崎市)の資料館で目にした馬具の形から着想を得たという。
近年では使い捨てできる安価な家具があふれ、指物を好む感受性が失われつつあると感じているという。
「良い作品を作り続けることで技術と指物の持つ芸術観の伝承に努めたい」と前を見据えている
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