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- ID:
- 30940
- 年:
- 2014
- 月日:
- 0719
- 見出し:
- 県産材の販路拡大 首都圏需要を取り込め
- 新聞名:
- 秋田魁新報
- 元UR(アドレス):
- http://www.sakigake.jp/p/akita/editorial.jsp?kc=20140719az
- 写真:
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- 記事
-
県内の木材関連36社は10月、首都圏の住宅メーカーや大手商社などを招いた展示商談会を東京・新宿で開催し、県産材を売り込む。
これだけの県内業者がまとまって首都圏に販売攻勢をかけるのは初めての試みだ。
商談会を足掛かりに、国内一の人工杉面積を誇る本県の木材と関連商品の存在感
を、需要が旺盛な東京で示したい
アベノミクスは地方には恩恵がないといわれるが、波及効果を待つ姿勢ではいけない。
今後は2020年東京五輪の関連需要増加も見込まれている。
業者自らニーズを見定め、攻めに出てほしい
東京都の住宅着工件数は4年連続で伸びており、昨年度着工件数は本県の30倍超の14万7千戸。
県内の住宅需要が人口減で伸び悩んでいる現状を考えれば、これまで以上に販売先を開拓していかなければならない
新築住宅では和室が減るなど秋田杉の使用量も減っており、内装などで新しい活用法を知ってもらうことも大切だ。
東京の商談会では、広告や運輸、金融なども加えた総合的な販売推進、いわばオール秋田での販売態勢を整えたい
県外で秋田杉を使ってもらうにはまず、地元でさまざまな使い道を示し、その魅力を紹介するモデルを増やすことも必要だ。
県は庁舎1階の正庁の天井や壁に秋田杉を使って内装を一新する。
秋田市内では秋田杉を骨組みに使うコンビニエンスストアも近く開業する。
県内の設計事務所など11社は、秋田
杉を骨組みに活用した中高層建物の建築可能性を探っている。
東京の商談会では県産材を積極的にPRし、本県へと足を運んでもらうことも欠かせない。
製材や合板、集成材などの事業所が集積し、多様なニーズに応えられる生産現場を実際に見てもらい、秋田杉の活用事例をアピールすることが重要だ
建築物の木造化を進める上での課題は、耐火性と強度をどう確保するかだ。
県立大木材高度加工研究所と民間が連携して木材でも十分耐えられる部材などの開発を一層進め、全国に先駆けて商品化したい
県産材のライバルである輸入材が広く使われるのは、低コストだけが理由ではない。
安定供給の面でも差があることが挙げられる。
県と秋田、大仙両市は、多額の補助金を投じて秋田製材協同組合の工場設立を後押しした。
人工乾燥機を増設するなど生産体制を強化しており、大量販売に応えることは
組合の責務だろう。
県内の木工業者の中には、戦後の東京の復興住宅需要に対応して秋田杉の建具を納め、首都圏営業の基盤を築いた企業もある。
決して県内需要だけで成長したわけではない。
県内では、戦後の拡大造林で植林された杉が伐期を迎えている。
豊富な杉資源を生かし、本県産業の活況につなげられるか
。
県や業界の力量が問われる
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