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- ID:
- 30083
- 年:
- 2014
- 月日:
- 0404
- 見出し:
- 不思議な存在感…木彫りの動物が大集合 朝来で「三沢厚彦展」
- 新聞名:
- 神戸新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.kobe-np.co.jp/news/bunka/201404/0006835870.shtml
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
ヌボーとして、どこかとぼけた顔つきのシロクマがいる。
巨大なワニやヘラジカも。
パンダはちょっと目つきが悪く、ちっちゃなハツカネズミやカエルは愛らしい‐。
あさご芸術の森美術館(朝来市多々良木)で開催中の「三沢厚彦 アニマルズ・イン・アサゴ」展の会場は、まるで愉快な動物園のようだ。
作品は美術家・
三沢さんのノミから生み出された実物大の木彫りの動物たちである。
ユーモラスな獣たちの姿に大人も子どもも頬が緩む
会場に漂うのは、ほのかな木の香り。
作品はクスノキをチェーンソーで切断し、ノミで刻み、油絵の具で丁寧に彩色したものだ
動物たちは決してリアルではない。
むしろ、漫画的ともいえるおおらかでコミカルな造形。
表面にはごつごつとしたノミの跡、手の跡も残る。
だからこそ温かみも感じさせる荒削りの木彫だ
だがこの存在感、迫力はなんだろう。
みな不思議でたくましい生命力をたたえており、思わず手で触れ、なでたくなる。
「本物じゃなくて、キャラクターでもない。
中間領域のものが好きなのかな」と三沢さん。
動物というモチーフは種類、大きさ、形、色もさまざまで、そのまま彫るだけで面白いという。
京都市出身で東京芸術大学大学院修了。
動物の木彫のほか、絵本「動物たち」なども手掛けている。
飾らない人柄は、どこか作品と
通じるところがある。
1階の展示室には、白トラ、サイ、アイベックスなど白い巨獣がそろい踏み
階段を上がると壁には小さなヤモリ。
三沢さんのアトリエをイメージしたコーナーには、多彩な動物のドローイングや小さなマケット(模型)が所狭しと並ぶ。
木彫のイメージをつかむためのデッサンもあり、興味深い
身近な犬や猫の像には親しみがわく。
一方、ツキノワグマやシロクマはひょうきんなようでいて、後ろ脚で立ち上がったその大きさにしばし立ちすくむ
ずらり並んだ動物たち。
目を合わせ、見つめ合い、その豊かな空間を存分に楽しんだ
5月11日まで。
水曜休館。
最終日午後1時半から三沢さんによるトークあり。
一般800円。
同館TEL079・670・4111
(堀井正純)
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