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- ID:
- 29690
- 年:
- 2014
- 月日:
- 0121
- 見出し:
- 中津港から大分県外へ 県北部・西部産木材
- 新聞名:
- 大分合同新聞
- 元UR(アドレス):
- https://www.oita-press.co.jp/localNews/2014_139026726252.html
- 写真:
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- 記事
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大分県産木材を中津港(中津市)から海上輸送する新たな取り組みが始まった。
地元の木材市場と国内大手の合板製造会社が連携。
県北部・西部で伐採されたスギ丸太を県外の工場に送る。
原材料の国産化で需要がある合板での利用を拡大するため、従来のトラック輸送に大量に運べる船舶を加
えた。
同港は木材を運ぶ船舶の荷受け業者がいなかったが、大分、佐伯両港に続いて県内主要産地と連携した輸送体制が整った。
15日に中津港で初めて日田、中津両市で切り出された丸太が船に積み込まれ、送り出された。
輸送は17日にもあり、計約2300立方メートルが日新林業(本社・島根県)の工場がある浜田港に運ばれた。
本年度は計4隻で約5千立方メートルを送る
これまで北部・西部の産地から船舶輸送する場合は大分港などを利用していた。
当面はトラックより割高になるため、県は本年度を試験事業と位置付けて経費を一部補助する
日新林業の上田良樹原木部次長は「原料の国産割合を高めており、より多くの木材を集めるのにトラック輸送は限界がある。
船舶なら将来的に鳥取県や四国などの工場に運ぶ可能性も広がる」と歓迎する
県内では多くの森林が伐採期を迎えているが、合板やパルプに適した低質材の大口需要がない。
県によると、県西部の低質材の割合は7割に上り、宮崎県の35%を大きく上回る。
低質材の安定した販路の確保が必要になっている
新年度以降も船舶輸送を継続するには、需要に応じた木材の質や量を供給できる体制を山側が整備できるかが課題となる。
中津木材相互市場の若松定生代表取締役は「原木を切り出す山側との需給調整の役割を果たしたい」と話している
県林産振興室は「ここ数年、木材価格は乱高下が激しい。
信頼できる企業との関係構築が林業関係者の所得安定、向上につながる」と強調する。
<メモ> 木材は家屋の柱などに使う高品質なA材、合板や集成材などの材料となるB材、木質バイオマス発電やパルプの原料として利用するC材に分かれる。
大分県西部のスギは、成長は早いが大きくなると曲がりやすい品種「ヤブクグリ」が多いため低質材の割合が高くなる傾向がある
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