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- ID:
- 29291
- 年:
- 2013
- 月日:
- 1221
- 見出し:
- ケーキ形オルゴール:優しい音色で笑顔に 仙台の木工職人
- 新聞名:
- 毎日新聞
- 元UR(アドレス):
- http://mainichi.jp/select/news/20131221k0000e040184000c.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
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仙台市で木工品を製作する熊野聡さん(58)が、東日本大震災を機に「見た人を笑顔にするオルゴールを作りたい」とケーキの形をした作品を作り始めた。
伝統工芸の仙台箪笥(たんす)職人の家に生まれた腕で、木の肌合いを生かした「ケーキ」が奏でる優しい音色が人々の心を癒やしている。
熊野さんは仙台箪笥の職人をしていたが、約30年前に訪れたドイツでオルゴールに魅せられ、以来、天然木にこだわって作り続けてきた。
木の種類や厚み、乾燥具合で音色が変わるなど、箪笥職人として得た知識と技術を生かした。
震災では従業員の家族が行方不明になり、工房が被災して3カ月間製作できなかった。
そんな時、「見た人が楽しい気持ちになれるようなオルゴールを作りたい」と思い付いたのが、ケーキの形をしたオルゴールだった。
ケーキの断面は色の違う木を何層にも重ねて表現。
生クリームやジャムは、おがくずをペースト状に加工して作る。
絵の具は使わず、全て自然の木の色だ。
上に飾ったイチゴやサクランボを引っ張ると、オルゴールが鳴る仕組みだ。
直径6センチから15センチまであり、5250円から1万5750円
手に取った人からは「本物そっくり」「思わず食べてしまいそう」と驚きの声が上がる。
熊野さんは「木の可能性を引き出しながら、皆さんに喜んでもらえるものづくりをしていきたい」と話している。
問い合わせは熊野洞工房(022・255・8673)
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