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- ID:
- 28219
- 年:
- 2013
- 月日:
- 0801
- 見出し:
- 国産木材の活用へ向けた取り組みを取材しました
- 新聞名:
- FNN
- 元UR(アドレス):
- http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00250908.html
- 写真:
- 【動画】
- 記事
-
戦後、復興のためスギやヒノキが植林されたものの、現状放置されている拡大造林が、今、問題となっています
林野庁は7月から、国産木材を使用した住宅などの購入者に、商品券などと交換できるポイントを発行する、木材利用ポイント制度をスタートさせました
国産木材の活用へ向けた取り組みを取材しました。
水辺に浮かぶ青々とした緑
大きく成長した木々の隙間からは、幻想的な光が差し込む
水を蓄え、木々を育む大地
そこに広がる緑豊かな森は、木を間引く、間伐を中心とした手入れを行うことで成長を促し、森の中に光を当て、木材としての品質を保ってきた
しかし、今その森が荒廃しつつあるという
全体の63%を森林が占める東京・青梅市
東京都森林事務所・石城 護課長は「ここが、手入れされている森と、手入れされてない森のちょうど境界ぐらいになりまして、向こう側が、青々と下草が生えている。
一方、こっち側は土が露出していると、そういう状況を示しています」と話した
そこに広がっていたのは、木の根が露出し、無数に伸びた枝によって、日の光が遮られた暗い森
拡大造林によって行われた植林から50年余り
当時植えられたスギやヒノキは、伐採期を迎えていた
しかし、東京都森林事務所・石城
護課長は、「この木なんですけれども、この木はこの山から間伐のときに(切り)出した木なんですけども。
市場まで持っていってしまうと、なかなか採算的にちょっと厳しいという状況があって。
そういう中で、ここで山積みされてるっていう、ちょっともったいない状況なんですけども」と話した
安い輸入木材に押され、現在、国産木材の価格は、過去最低の水準になっている
採算が取れないことから、手入れがなかなか行われず、木材の品質も劣化
間伐された木材も放置されるなど、悪循環を招いている
2011年に行われた、温暖化対策をめぐる国際会議COP17
その中で、「伐採した国産木材内の炭素について、廃棄された時点で排出量を計上する」という、新たな合意があった
その仕組みは、光合成によってCO2(二酸化炭素、2は下つき文字)を蓄積している木材を、燃料として使う場合に比べ、資材として活用すると、CO2を木材に閉じ込めることから、環境への負荷を低減できるというもの
この新たな合意を受け、「MADE in JAPAN」の木材を活用しようという動きが、民間から広がりを見せている
千葉・習志野市にある「ニチハマテックス(ニチハ)」の工場で生産されているのは、「オフセットサイディング」
住宅の外壁材などを手がけるニチハが、2013年から販売を開始したのが、オフセットサイディングと名付けられた外壁材
木材を製材したあとに発生する端材などをチップにしたものを原料にしている
原材料に100%国産材を使うことによって、「国のCO2排出量の削減」と、「国内産木材の活用促進」を、並行して行うことができるようにしたもの
ニチハ株式会社・吉田康則上席執行役員は「国産材の利用推進を通じて、日本の森林を守るということに、今、着手しております」と述べた
また、CO2を閉じ込めた量を「見える化」し、木材利用ポイントを申請した購入者に対して、証明書を発行
さらに、森に放置されたままの間伐材を原料にした、「カーボンオフセットサイディング」という新商品を開発した
CO2を閉じ込めると同時に、森のCO2吸収にも貢献できるという
ニチハ株式会社・山中龍夫社長は「日本の森を守るという意味から見ますと、やはり間伐材の処理というのは、非常に問題になってますので、そういうものをわたしどもがフルに使って、森の循環といいますか、これを滑らかにしていきたい」と述べた
広がりを見せる、国産木材の活用法
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