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- ID:
- 28217
- 年:
- 2013
- 月日:
- 0801
- 見出し:
- 陸軍松本飛行場で使用の木製練習機「赤とんぼ」 座席が現存
- 新聞名:
- 信濃毎日新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.shinshu-liveon.jp/topics/node_250961
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
太平洋戦争中、松本市内にあった陸軍松本飛行場で陸軍の部隊が使用し、「赤とんぼ」と呼ばれた木製の練習機の座席を、同市神林の藤牧吉重さん(86)が保管していることが29日までに分かった。
市空港図書館(松本市今井)が行っている同飛行場の実態調査の中で判明。
藤牧さんは焼却処分も考
えていたが、同図書館の川村修館長(58)は「終戦直後に解体、焼却処分された赤とんぼを知る貴重な資料」と評価している。
同飛行場にあった赤とんぼは航続距離の短い二人乗りで、正式名称は「立川95式1型練習機」。
2段の翼を持ち、機体はだいだい色をしており、飛行場には少なくとも30~40機あったとされる。
同市笹賀、神林、今井にまたがる約200ヘクタールに建設された同飛行場に駐留した陸軍空541部隊が、練習
用に使っていた。
飛行機は、終戦後、進駐軍が解体、焼却処分を指示。
燃え残りを地元住民がさらに解体したが、部品を持ち帰る人もいたという。
同市波田の東筑摩西部農学校(現梓川高校)を卒業後、同飛行場を建設する陸軍航空本部経理部松本工事本部に勤務した藤牧さんも解体にかかわり、座席を持ち帰った。
座席はベニヤの合板でできており、高さ65センチ、幅45センチ。
藤牧さんは「本来はアルミ製だが、いかに資源がなかったかが分かる」と当時を振り返る。
座席は、孫のブランコに使うなどしてきたが、古くなったため、焼却することも考えた。
しかし、川村館長から価値があることを教えられ、「後世に残したいので、価値を分かってくれる場所で保管してほしい」と話している。
川村館長は「座席は赤とんぼが飛行場に実在した確かな証拠であり、飛行場内部を知っている人の証言は貴重」としている
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