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- ID:
- 28037
- 年:
- 2013
- 月日:
- 0702
- 見出し:
- 木材で「理想の充電池」を実現 メリーランド大学の研究者が開発
- 新聞名:
- 環境ビジネス
- 元UR(アドレス):
- http://www.kankyo-business.jp/column/005163.php
- 写真:
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- 記事
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メリーランド大学の教授が、樹木からインスピレーションを得て、まったく新しい充電池を開発した。
スズでコーティングされた薄い木材(紙のシートの1000分の1の薄さ)を使うことで、小さくて長持ち、効率的で環境に配慮した充電池を作ることができるという。
開発したのは、木材科学を専門とするメリーランド大学のリャンビング・フー教授。
一般的に充電池ではリチウムが使われているが、同教授が開発した充電池は、リチウムの代わりにナトリウムを使用している。
ナトリウムは、リチウムほど効率的にエネルギーを蓄積することはできない。
その代わりに低コストであるため調達しやすく、一度に大量のエネルギーを貯めるうえで使いやすい。
風力発電や太陽光発電など、大規模なエネルギーを貯蔵する用途にも適していることになる。
樹木を構成する木材繊維は、ミネラルが豊富な水を含んでいる。
それは、木材繊維が液体電解質を貯蔵するのに理想的であることを意味する。
スズでコーティングされた木材繊維によって、長持ちで効率的、環境に配慮した充電池が実現する
スズでコーティングされた木材繊維によって、長持ちで効率的、環境に配慮した充電池が実現する。
また、現在使われているリチウム電池は脆弱で、収縮などにも弱い。
今回、開発された木材の充電池は、木材繊維のために400回以上の充電を行えることが実験で確認されている。
そのため、充電池の寿命が長い
開発メンバーである機械工学の専門家によると、スズにナトリウムイオンを通過させると、基材とスズの接続が弱められてしまう。
しかし、「木材繊維は柔らかいため緩衝剤として機能し、スズの変化に効果的に対応する。
それが、ナトリウムとスズの充電池の寿命を長くしているポイントだ」という。
木材が実現する低価格のナトリウムイオン電池が、今後、本格的に普及する時代がくるかもしれない
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