v11.0
- ID:
- うーん、これは欲しい!販売はしてるのかなぁ…
27912
- 年:
- 2013
- 月日:
- 0617
- 見出し:
- [木材輸出戦略] 良質材加工体制つくれ
- 新聞名:
- 南日本新聞
- 元UR(アドレス):
- http://373news.com/_column/syasetu.php?ym=201306&storyid=49141
- 写真:
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- 記事
-
安倍内閣の成長戦略に、いまの農林水産物・食品の輸出額5000億円を2020年までに1兆円にする目標が盛り込まれた。
12年に123億円の林産物輸出は、20年に250億円を目指す
農林水産省は輸出拡大に向け、中国や韓国に日本式の木造軸組み住宅を普及させ、その柱や桁に適した良質なスギ、ヒノキを売り込む主な重点戦略を描く
鹿児島県産材の輸出もここ数年急増しているが、土木資材用の低質材が中心だ。
輸出額拡大には、住宅用をはじめ付加価値の高い材木の割合を増やすことが重要だ
県の調べでは県産材輸出は09年度に総量で3000立方メートル弱、額にして約2400万円だった。
12年度は1万8000立方メートル、約1億3000万円に増えた。
ほとんどが「小曲がり丸太」と呼ばれる低質の原木だ
急増の背景には、大手商社が中に入り、台湾、中国などの東アジア地域に土木資材の丸太市場を開拓したことがある。
供給側も、森林組合と事業者が安定出荷体制の確立を進めている。
だが、これら低質の材については、国内の需要の伸びが予想される「木質バイオマス」に振り向けられる可能性が指摘されている。
間伐材などを発電や熱供給に活用する木質バイオマスは、政府が本年度の新規予算約6億円をつけて力を入れる事業だ
県内では既に、中越パルプ工業(富山県)が薩摩川内市の敷地内で木質バイオマス発電施設を建設する計画を発表した。
さらに参入の動きも相次ぎ、大量の低質材がこの内需に流れると予想される。
資源利用のバランスから、輸出は良質材に変えていく必要がある。
だが県や農水省が目指す目標実現へのハードルは高い。
中国では既に米国やカナダ材の「ツーバイフォー(2×4)工法」が浸透しているし、現地で木造軸組み工法を手がける技術者も養成しなければならないからだ
一方で、林業関係者が気にしているのは、山主に手取りが残る材価が設定できるかだ。
木材は1964年、いち早く全面自由化されて以来、輸入材が増え、林業の採算性は悪化した。
自由化の代価を払ってきた林業が今後、再生の道を歩めるかどうかは、7月にも環太平洋連携協定(TPP)に交渉入りする日本の1次産業の行く末も占う。
再生に向けた木材需要の裾野を広げる手段の一つが輸出戦略だ。
山主の手取りを増やすためにも、輸出向け良質材を低コストで加工する仕組みづくりが欠かせない。
行政、森林組合、事業者らが一緒になって知恵を絞ってほしい
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