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    ID:
    26462
    年:
    2013
    月日:
    0111
    見出し:
    仙台×エチオピア紀行(1):「なぜ、エチオピア?」
    新聞名:
    goal.com
    元UR(アドレス):
    http://www.goal.com/jp/news/127/j%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0/2013/01/10/3661111/%E4%BB%99%E5%8F%B0%E3%82%A8%E3%83%81%E3%82%AA%E3%83%94%E3%82%A2%E7%B4%80%E8%A1%8C1%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%82%A8%E3%83%81%E3%82%AA%E3%83%94%E3%82%A2?source=breakingnews&ICID=HP_BN_4
    写真:
    【写真】
    記事
    僕らは日本から飛行機を2回乗り継ぎ、丸一日かけてラリベラにたどり着いた。 1月8日から10日の3日間、この地でJリーグのベガルタ仙台によるサッカー教室、そして地元チームが参加しての『ベガルタカップ』が開催される。
    この取り組みは2011年1月に第一回が行われ、今回が第二回の開催となる。
    仙台からは育成部普及ディレクターの井上和徳コーチ、同クラブの高橋秀明コー チが帯同した。 それにしても、なぜ“エチオピアでベガルタ仙台”なのか? エチオピアと日本は決して結びつきが強い国同士ではない。
    エチオピアが地図上のどこにあるのか、言語は何か、通貨は何か。
    宗教は何か。
    よどみなく答えられる日本人は少数派だろう。
    アジアとアフリカ、それぞれのサッカー協会が所属する連盟も異なる。 「エチオピアの地方でベガルタ仙台がサッカー教室」と言えば、突拍子もない話に聞こえても無理はないだろう。 その点に関しては、この企画の仕掛け人であるNPO法人『フー太郎の森基金』の代表を務める新妻香織さんを紹介しなければならない 近年のラリベラは無計画な森林伐採や家畜の放牧によって大地がダメージを受け、砂漠化が深刻な問題になっている。
    現地の人々は森林がなくなって大地がはげると、次の森林を求めて移住する生活を繰り返してきた。
    今でこそエチオピア政府も「森林は国の命だ」と認めるようになったが、一度失った自然 は簡単には戻ってこない。
    『フー太郎の森基金』は、ラリベラの干からびた大地の希望となるべく植林活動を実施している団体であり、これまでに200万本の木を植えた実績を持つ ちなみに“フー太郎”というのは、代表の新妻さんが過去にラリベラを訪れたときに拾ったふくろうの子どもに付けられた名前だ。
    新妻さんは現地の子どもたちがふくろうの子どもを投げ、キャッチボールして遊んでいるのを見過ごすことができず、そのまま引き取ったらしい。
    しかし、森林伐採ではげて真っ赤になった 大地には、フー太郎を放すための森が見つからず、新妻さんは3週間以上もフー太郎を自然に放すことができる場所を探し回ったそうだ。
    『フー太郎の森基金』という名前には、フー太郎を放すことができる森をラリベラに取り戻そうという希望が表れている。 新妻さんは福島県相馬市の出身だが、当初は地元だけで資金を集めるのは難しいと考え、全国を回りながら講演会やキャンペーンを行う中で幅広い層に寄付を訴えてきた。
    また、JICAなどの団体からの助成金を受けて現在も活動を行っている。 しかし、新妻さんは4年ほど前から『フー太郎の森基金』をより“東北”という地元に根ざしたNPOにしたいと考えるようになった。
    東北の人々に知ってもらい、東北の人々に活動を理解してもらうためにはどうすればいいのか そこで持ち上がったのがベガルタ仙台とのコラボレーションだ 地域に根ざした活動をするためには、地元の人々に効果的にアクセスする手段を持たなければならない。
    新妻さんは「東北の人々がたくさん集まるのはどこか?」と考え、そこからサッカーのスタジアムという答えに至ったそうだ。
    「サッカーのサポーターに『フー太郎の森基金』を広く知ってもらいたい。
    ラリベラに対 する植林活動に興味をもってほしい」。
    自身の活動を草の根に広げる手段として、ベガルタ仙台に白羽の矢が立ったのである。 これはJリーグが掲げる地域密着の理念が、世間から一定の評価を受けたということでもある。
    筆者はサッカーを愛する1人の人間として、非常に誇らしく思う。 そしてもう一つ、サッカーはアフリカ大陸最大の人気スポーツである。
    エチオピアは経済状況が芳しくないため、ラリベラには裸足でボールを蹴る子ども、あるいは古着を丸めてボール代わりにして蹴っている子どもが多い。
    もしもラリベラに日本からサッカーのコーチがやって来て、指導をしたり、あるいはサッカー大 会を開催してくれれば、そこにはサッカーを愛する現地の人々がたくさん集まる。 彼らはただサッカーをするだけではない。
    第一回ベガルタカップの優勝チームは、大会終了後にそのまま一緒に植林活動に赴いたという。
    「僕はサッカーが好きだけど、君たちが教えてくれた植林も一生懸命やるよ」と申し出る人も少なくなかったらしい。
    この拡散力は、地球語としての側面を持つサッカーならでは の力だ ラリベラにおける植林活動の理解拡大、そして『フー太郎の森基金』が東北という地元に根ざした団体になるために すべての答えはサッカー、そしてベガルタ仙台に通じていたのである。 スローガンは、『Enjoy Football, Enjoy Planting』 この活動は新妻さんと旧知の仲にあったベガルタ仙台管理課に務める斉藤美和子さん、そして普及部ディレクターの井上コーチらを中心として始まった。 2年前の2011年1月に行われた第一回開催の折には、活動の意義を知ったサポーターが経済支援と共に紙コップにメッセージを書いて送り、ラリベラで苗木を育てるための箱として使用されたそうだ。
    エチオピアのみんなが幸せになるように、そしていつかお互いが試合をできたらと、仙台サポーターの思いを 乗せて サッカーを媒介として、たくさんの人間同士の思いが通じ合う。 筆者はこの活動の中に、サッカーという数億人のファンを抱える世界最大のスポーツにしかできないこと、そして大きな可能性を見出している fff:

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