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- ID:
- 「おもてなしフラワー事業」は北陸新幹線開業で観光客の増加が見込まれる県内10カ 所で実施されている。
高岡市では、高岡大仏前から重伝建の「山町筋」につながる約35 0メートル区間で行われる
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- 年:
- 2013
- 月日:
- 0327
- 見出し:
- 震災以降「ほだ木」確保に不安 シイタケ原木栽培
- 新聞名:
- 紀伊民報
- 元UR(アドレス):
- http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=249697
- 写真:
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- 記事
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2011年3月の東日本大震災による福島原発の事故以降、福島県内からシイタケの原木栽培に使う「ほだ木」の入手が困難になっている。
特に生シイタケを販売する生産者は原木を毎年入れ替えており、先行きを不安視している。
原木栽培にはコナラやクヌギなどのほだ木を使う。
和歌山県の紀南の生産者は冬に原木を用意し、3月までに種菌を植える。
1度種菌を植えたほだ木から年に数回収穫できる。
県林業振興課によると、原木栽培の生産者は県内に約80戸あり、年間約15万7千本のほだ木を使用し、うち3万6千本が県外。
原発事故以前はその半数を福島県から仕入れていたという。
生産者のうち生シイタケ主体は25戸。
主産地は有田市のほか、紀南では田辺市や古座川町など
田辺市中辺路町野中の森隆男さん(54)は、例年ほだ木1万2千本で生産する県内最大規模のシイタケ専業農家。
原発事故以前は栃木からほだ木を仕入れていた。
昨年は大分や島根などの生産者から仕入れたが足りず、家族で地元から切り出して計9千本を確保した。
ほだ木不足を受けて田辺市は、旧龍神村が24年前に村有林として植えたクヌギ計10ヘクタールを、ほだ木用に伐採することを決めた。
試験的に昨年11月から今年2月までに、約1ヘクタールを伐採。
ほだ木7200本を県内の希望する農家に販売した。
森さんは、加入する生産組合の割り当てから850本を入手。
大分や岡山、兵庫から自分で仕入れた分に足し、今年は1万本を確保した。
「安全性を確実にしたいので、顔の見える生産者から仕入れている。
ほだ木はシイタケにとって畑なので妥協できない」と話す
2代続ける農家の川根康人さん(45)=上富田町岩田=は昨年、2千本を確保したが、例年の半分だった。
さらに生産計画が後手になったことで、シイタケの需要が伸びる冬場に乗り遅れた。
「兼業している梅も収量が半分だったので、ダブルパンチだった」と振り返る。
今年は田辺市が販売する750本と、直接掛け合って岡山県の生産者から3千本を入手した。
ほだ木は産地などで質にばらつきがあるため、収穫量は未知数だが「品質が安定していた東北産のほだ木がない中で、ぜいたくは言っていられない」という。
田辺市は、昨年伐採した残りの9ヘクタールについて、今年一斉に伐採してほだ木にする意向を示している。
計算上、県内の1年分の需要量をほぼ満たす本数を見込めるという。
ほだ木としての伐採時期は、シイタケの生産計画に合わせて逆算しているため、適した時期に集中して作業できるか課題がある。
市森林局は「数年かけて伐採すると作業に経費がかさみ、次の植栽を考えても効率的でなくなる。
かつてクヌギの造林が盛んだった龍神地域には私有林もあり、ほだ木確保のた
めの働き掛けも考えたい」と話している
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