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2011年- 県内木材業者、経営が悪化 |木製品、木、木工などのネット新聞情報 |木の情報発信基地
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- ID:
- 23390
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0206
- 見出し:
- 県内木材業者、経営が悪化 復旧進まぬ被災合板工場
- 新聞名:
- 岩手日報
- 元UR(アドレス):
- http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20120206_3
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
東日本大震災で被災した県内の合板工場の復旧が進まず、木材業者の経営が悪化している。
事業再開を断念した工場に代わる出荷先が見つからないためだ。
柱など住宅資材は復興需要で引き合いが増えているが、住宅資材にできない部位が使われる合板の加工機能が回復しなければ、山から木を切
り出せない。
今後は県内でも本格的な木材需要が見込まれ、林業関係者は新たな合板工場の誘致など対策を求めている。
県林業振興課によると、2010年の県産木材(針葉樹)の素材生産量は約95万立方メートル。
このうち宮古市と大船渡市にある合板工場は約25万立方メートルを扱う大口需要先だ
だが、大船渡市の北日本プライウッドは津波被害で昨年11月に事業再開を断念。
県外産材も含めて年間10万立方メートルの出荷先が失われた。
宮古市のホクヨープライウッドと関連工場は春にも復旧する見通しだが、大船渡の分をカバーするには至らない
八幡平市叺田の小笠原林業は、年間出荷量約1万8千立方メートルのうち約1万2千立方メートルを合板工場へ出荷してきた。
現在は合板用の出荷を5千~6千立方メートルまで減らしており、経営への影響は深刻だ。
小笠原藤夫専務は「在庫を過剰にできず、木材があまり出ない山を選んで作業して
いる。
石巻の合板工場が復旧し始め、そちらへの出荷に望みをつなぎたい」と話す
一方、住宅資材を生産する製材業者は、住宅建築の増加など復興需要で供給が追いつかない状態だ。
大船渡市、陸前高田市、住田町の森林組合や製材業者などでつくる気仙木材加工協同組合連合会は首都圏中心に製品を出荷していたが、仙台近郊で木材需要が急増。
仙台出荷が3倍以上に増
え、首都圏への出荷減で対応している。
県森林組合連合会の沢口良喜専務は「このままでは県内の住宅需要にも他から木材が入ることになる。
県は大船渡に代わる合板工場の誘致を進めてほしい」と訴える。
【写真=住宅資材などに出荷される丸太。
復興による木材需要が見込まれるが、合板工場の復旧や誘致、新たな需要先の確保が課題だ=矢巾町・盛岡木材流通センター】
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