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- ID:
- 25604
- 年:
- 2012
- 月日:
- 1019
- 見出し:
- 絆の輪投げ100台完成
- 新聞名:
- 朝日新聞
- 元UR(アドレス):
- http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000001210180001
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
東日本大震災の被災地に贈ろうと木製の輪投げを作ってきた伊勢崎市馬見塚町の松本庄八さん(86)が、目標の100台を完成させた。
屋内で楽しめる輪投げで大切な人たちとの絆を確かめ合ってもらえたら。
そんな思いとともに、市役所や社会福祉協議会を通じて被災地に届けるつもりだ
6月19日付の朝日新聞群馬版で、取り組みを紹介した。
電動の糸ノコギリで、木の板をキリンやゾウの形に切り抜き、厚みのある台座をつける。
「動物はみんなを和ませますからね」
やってみてよかった、と思えた出来事があった。
群馬版に掲載された直後、朝日新聞前橋総局に1通の手紙が届いた。
福島県から群馬県に避難している幼稚園児の男の子が記事を読んで、書いたものだった
「わなげであそびたいとおもいました。
ふくしまのようちえんのおともだちにプレゼントしたいとおもいました。
ほうしゃせんがたかく、みんなおへやの中でがまんしてあそんでいるので」。
記者がこの話を伝えると、松本さんは「思いは伝わるものなんだ」と感激。
9月、完成したばかりの2台を男児に贈った。
男児は大喜
びだった
今春から約半年かけ、計100台が完成した。
すべて手作りだ。
苦労したのは「輪」。
ホームセンターで買った梱包(こん・ぽう)用ロープを切断し、両端を接着剤でつけて作るが、接着剤を何種類も買って試行錯誤した
木工が趣味で、家に木材の切れ端もあった。
試しに作った輪投げ2台を、夫に先立たれて元気をなくしていた知り合いの女性に贈ると、娘や孫と興じて元気を取り戻した。
震災から1年がたったころ、「これなら、現地に行けない自分でもできる」と考えた
100台の贈り先は、いま探しているところだ。
寒風吹く冬の東北で、コミュニケーションの道具になれば。
松本さんは「被災地が少しでも温かくなってくれたら」と話した
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