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- ID:
- 25434
- 年:
- 2012
- 月日:
- 1003
- 見出し:
- 生ごみ処理木製コンポストに補助金 住民意見取り入れ開発
- 新聞名:
- 東海新報
- 元UR(アドレス):
- http://www.tohkaishimpo.com/scripts/index_main.cgi?mode=kiji_zoom&cd=nws8035
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
陸前高田市は今月から、生ごみを処理する木製コンポスト購入費に対する補助金制度を設けた。
昨年以降、市民やボランティアらが仮設住宅団地などに設置し、要望を取り入れ“陸前高田仕様”に開発。
黒土に生息する微生物が生ごみを分解する働きを利用し、土や菌などをつぎ足す必要がない。
気仙
の木材を使い、維持費用もかからない特徴があり、市はごみ減量化に向け普及に期待を寄せる
木製コンポストは、神奈川県葉山市在住の元パイロット・松本信夫さんが考案。
板で作った箱に、日光が内部に入る透明のポリカ波板を斜めにかけ、黒土の中に生息するバクテリアの力で生ごみを分解させる。
基本的に維持費用は必要とせず、3年前の実用化以来、神奈川県内を中心に1000台以上
が利用されている
松本さんらは昨年5月以降、仮設住宅に暮らす市民とボランティアなどを通して交流。
市内の実情に合わせた開発に向け、仮設住宅を中心に約100世帯がモニターとなり、改良への声を寄せた
普及を図る木製コンポストは高さ約80㌢、奥行き54㌢、幅85㌢の大きさ。
材料は気仙杉の間伐材を使っている。
地域住民のアイデアを生かし、ベランダでの使用を想定した大きさにまとめたほか、ネズミをはじめ小動物対策も施した
日当たりの良い場所に置き、内部には黒土を入れるだけ。
生ごみ処理能力は季節によって異なるが、1回あたり約500㌘。
スコップで穴を掘り、生ごみを埋めることで、土中の微生物が分解する
生ごみは水切りしない状態で入れ、分解後も黒土の量は増えないため、基本的に設置後は土や菌などを購入する必要はないという。
松本さんや市民有志によって任意団体「キエーロ陸前高田」が発足し、現在は1万4700円(税込み、黒土セットは1万6800円)で受注販売を受け付けている
市は今月から、生ごみ資源化・減量化促進に向け、木製コンポスト購入費補助金制度を設けた。
導入した世帯には購入費用の半額、最大7000円を補助。
50件分(35万円)を補正予算で確保し、県内では初の試みという
戸羽太市長は「ごみ処理には毎年億単位の予算が投じられ、減量化は市内全体の問題。
田舎らしい取り組みで、広まっていくべき。
被災地ではこうした装置も必要」と語り、普及に期待を寄せる
松本さんは「木製コンポストは土の中にもともといるバクテリアを生かしたもの。
可燃ごみを出す日まで家の中に置く必要がなく、土にふれる習慣が生まれることでストレス解消にもつながるのでは」と話している
木製コンポストに関する問い合わせは事務局がある鈴木旅館(℡54・2738)へ。
補助金は市民環境課(℡54・2111)で受け付けている
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