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    ID:
    るなどして増産する 24051
    年:
    2012
    月日:
    0417
    見出し:
    抜く前に知っておきたいコルク栓の秘密
    新聞名:
    JB Press
    元UR(アドレス):
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34978
    写真:
    【写真】
    記事
    ワインを象徴するものの代表格と言えばコルク栓です。
    飲食店の入口にコルク栓が並べられているのを見たら、たいていの人はワインを出す店と連想するのではないでしょうか  ローマ時代にヨーロッパへ一斉に広まったワインですが、現在のガラス製の「瓶」の形状で流通するようになったのは、実は最近のことです。
    長い間、ワインは陶器製の「甕(かめ)」で保管されていたのです  密閉性の低い甕で保管されたワインは酸化が早いので、ワインを寝かすという発想は生まれませんでした。
    そんなワイン文化を決定的に変えたのが、コルク栓の発明です。
    正確にはガラス瓶とコルク栓、両方の発明があってこそ、現在のワインのスタイルが確立されました。 ポルトガルのコルク原材(Wikipediaより)  現在、コルク栓の52%はポルトガルで生産されています。
    次いで、同じく地中海西側のスペイン、北アフリカ諸国、イタリア、フランスが続きます。
    これは原料のコルク樫の森林が220万ヘクタールも地中海西側に生育するためです  特にポルトガルは世界のコルク樫の3分の1を生産しています。
    日本で利用されているコルクの3分の2はポルトガル製です(ポルトガルコルク工業会より)  コルクをワインの栓として初めて利用したのもイベリア半島の人たちでした。
    イベリア半島の巡礼者たちが水筒の栓としてコルク材を利用していたのを見て、かのドン・ペリニョンはシャンパンの栓としてコルクを採用しました。  追って産業革命が起こると、ワインを生産できないワイン消費大国のオランダやイギリスが運搬に便利な瓶を開発し、コルク栓も併せて一気に普及したのです ワインの普及を後押ししたスクリューキャップ  ワインと切り離すことができないコルクですが、1つだけ問題があります。
    それは、ブショネと呼ばれるカビ臭が稀にワインに付着する現象が起きてしまうことです  その確率は3~5%と言う専門家もいます。
    さすがに「20本に1本」は言い過ぎですが、ワイン生産者にとっては丹精を込めて作ったワインを台無しにしてしまうため、大きな問題となっています  中にはワイン生産者がコルク業者に損害賠償を求めるケースもあります。
    ワイン樽や保管状況によっては、ワイン生産者側に過失がある場合もあり、毎回争点となります  ブショネの主な原因は、樹皮を殺菌する際に利用する塩素の残り香と言われています。
    現在は酵素で殺菌することで、ブショネの発生を大幅に減らすことができています。
    ブショネの問題を解決すべく登場したのがアルミ製のスクリューキャップや、スパークリングワインに使われるプラスチックキャップです  以前は安物ワインに使用されているイメージが強かったのですが、現在、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカで生産されるワインの70%以上はスクリュータイプとなっています  ブショネの心配もなく、開けるのが楽で、持ち運びもしやすい新しいキャップは瞬く間に世界中に浸透し、今やワインの歴史に新たな1ページを刻もうとしています。
    ワイン文化圏ではなかった地域で新しいワイン消費者が増えているのは、スクリューキャップの貢献によるところが大きいのです 熟成を楽しむためのコルク栓  新大陸と言われる先の4カ国でコルク栓を使わないようになったのは、ブショネ対策だけが原因ではありません  地中海西側で生産されるコルク材。
    輸入するだけでも大変なコストがかかるからです  もう1点、新大陸でスクリュータイプが重宝される理由として、早く飲むタイプのワイン生産が多いことも挙げられます  ワインの熟成には微量の酸素が必要なため、完全密閉されたスクリュー栓では、瓶詰めの段階より美味しくすることは難しいのです。
    長期熟成を要する高級ワインには、どこのワインにもコルク栓が使用されています。
    ワインの熟成が楽しめるようになったのは、コルク栓が発明されてからなのです  ワインの熟成を楽しむヨーロッパ人がコルク栓を愛して病まないのは、コルクのエコロジーな側面にも理由があります  コルクは9年に1度樹皮を剥いて収穫しますが、樹木を切り倒すことはありません。
    地中海沿岸に生息しているコルク林は、全体で年間1400万トンの二酸化炭素を吸収していると言われます。
    防砂林や防風林としても植樹され、砂漠化が進むこの地域の防波堤の役割も果たしています  イベリア半島では、コルク樫のドングリを主食にする高級食材のイベリコ豚が有名ですが、コルク栓と生ハムが同じ場所で生産されていることはほとんど知られていません。
     ワインを飲む時の最大のパフォーマンスは抜栓(ばっせん)の瞬間です。
    ポンと抜ける時の高揚感を味わった後に、長い間封印されてい たワインの香りが一気に広がる悦びを感じたことはありませんか。
    スマートに抜栓できる男性は、それだけで紳士に映るから不思議です。
    フランスでは、コルク栓をカバーしているキャップシールの剥がし方で育ちが分かるとも言われている程。
    日本人の箸の持ち方に共通するマナーの1つでもあります  コルク栓を抜くのが難しいと緊張される方も多いでしょう。
    確かに、斜めにスクリューが入ってコルクが折れたり、乾燥してびくともしないコルク栓に遭遇する人もいます ワインとは切っても切れない関係にあるコルク  王道は、キャップシールを美しく剥がせるナイフが付いたソムリエナイフを使うことです。
    テコの原理を利用して女性の力でもコルクが簡単に抜けるように設計されています  スクリューがコルクに斜めに入ってしまわないか不安な方は、バタフライ型が簡単でお勧めです。
    垂直にスクリューが入るよう設計されていて力を要せず抜栓できます  なにより大切なことは、コルク栓の状態を整えることです。
    コルクの乾燥を防ぐために、ワインは横に寝かせて保管しておきます(ヴィンテージワインは飲む2~3日前から澱を沈めるために立てておきます)。
    これでかなりの確率で、抜けないコルクを避けられます  ポイントは焦らず、ゆっくり抜くことです。
    万が一失敗してしまったら、金属製の串を2本斜めに刺してゆっくり抜いてください。
    コルクがボロボロになってしまっても、あきらめてはなりません。
    コルクを瓶の中に落として、漉してデカンタージュ(専用の器にワインを瓶から移すこと)すれば、コルクをほとんど取り除くことが できます  逆境はチャンスです。
    慌てず対処できたら、かえってあなたの株も上がるというもの。
    ワインの味を最後につくるのは自分だというくらいの気概で抜栓を楽しんでください  あなたの堂々とした姿に、女性は安心感を覚えてお酒が進んでしまうことでしょう。
    生ハムを肴にドングリの話を添えれば、五感を刺激されて、あなたの印象はさらに強くなるに違いありません fff:

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