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2011年- ビニールハウスで木材乾燥 |木製品、木、木工などのネット新聞情報 |木の情報発信基地
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- ID:
- 23122
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0110
- 見出し:
- ビニールハウスで木材乾燥 県林業総合センターなど研究
- 新聞名:
- 信濃毎日新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.shinmai.co.jp/news/20120107/KT120106BSI090001000.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
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農業用ビニールハウス内で木材を太陽熱乾燥させると、含水率を機械乾燥と同水準の10%程度に下げられることが、県林業総合センター(塩尻市)などの研究で分かった。
天然乾燥の特徴の赤みやつやも出すことができ、内装材の生産技術として活用が見込める。
同センターは「木材が変形しにくいという
機械乾燥の利点と、天然乾燥の優れた色合いを両立できる技術」として、普及を目指す
木材は、含水率が低いほど、時間の経過で形状が変化する「狂い」が少ない。
同センターによると、含水率は柱材で12~13%、内装用の板材で10%程度が望ましいという。
天然乾燥は色合いは優れているものの、含水率を15%程度までしか下げられないため、現在は機械乾燥が主流となっている。
実験は2004年から、企業組合山仕事創造舎(大町市)と工務店の高橋林業(北安曇郡松川村)の協力で実施。
板材は高橋林業敷地内の約32平方メートルのハウスで、柱などの構造材は同センター敷地内の約22平方メートルのハウスで換気しながら乾燥を繰り返した。
板材(スギ、ヒノキ、アカマツ、カラマツ)は2カ月の乾燥で、含水率が生木の30%以上から9・6~10・5%に低減。
機械乾燥で1日だけ表面割れを抑える処理をした後、ハウスで半年間乾燥させた柱材(カラマツ)も19・3%から11・9%に下がった。
県産材を扱う製材業者らでつくる信州木材認証製品セン
ター(長野市)が定めた県産材認証製品基準(内装材は含水率7~13%、カラマツの芯持ち柱材は15%以下)も達成した。
ハウス設置などの初期投資費は30万~100万円程度と、約2千万円かかる機械乾燥設備と比べて格安に抑えられるのも特徴。
高橋林業の高橋平和社長は「当面は(外観の質感が求められる)内装材や家具・建具材を中心に実用化を進めたい」としている。
ただ、機械乾燥が柱材で1週間~10日程度で済むのに比べて、生産に時間がかかるのがデメリット。
温度が下がる冬季や夜間の温度管理も課題で、同センターは今後、時間を短縮する方法を検討する
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