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2011年- 木材の放射能汚染度を示す |木製品、木、木工などのネット新聞情報 |木の情報発信基地
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- ID:
- 23604
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0228
- 見出し:
- 木材の放射能汚染度を示す
- 新聞名:
- 復興ニッポン
- 元UR(アドレス):
- http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20120223/559032/?ST=rebuild
- 写真:
- -
- 記事
-
福島第一原子力発電所事故の影響で、放射性セシウムが樹皮や枝葉だけでなく、材の内部に達している樹木があることが判明した。
放射能の汚染濃度が比較的高い地域の樹木だ。
東京農業大学バイオサイエンス学科教授の林隆久さんと森林総合研究所木材特性研究領域長の外崎真理雄さんが、それぞれ独自の調査を福島県内各地で実施して明らかにした。
林さんは2011年9月から12月にかけて、福島・相馬地方森林組合の協力を得て南相馬市、相馬市、新地町の森林7カ所を調査。
樹齢が9年から20年までのスギ、ヒノキなど30本を採取し、樹皮や木部の年輪ごとのセシウム濃度を測定した。
30本のうち16本からセシウムが検出され、14本は機器の検出限
界以下だった。
木部のセシウム濃度が比較的高かったのは南相馬市の大原、高倉、大谷の3カ所で、1kg当たり平均400ベクレル(Bq)以上だった。
最も高かった大原のスギは、木部の平均が2300Bq/kgだった。
3カ所とも計画的避難区域の近くだ。
南相馬市より北側の新地町や相馬市の値は比較的低かった。
経年で濃
度が上がる恐れも
森林総合研究所の外崎さんは、11年8月から9月にかけて、川内村3地区と大玉村、只見町の計5カ所の国有林から、樹齢40年以上のスギやアカマツなどを計21本採取。
林さんとは検出方法が異なる測定機器で、樹皮と辺材、心材などの放射性セシウム濃度を調べた。
調査した中で木部の値が最も高かったのは、川内村A地区のスギ。
辺材の値が400Bq/kgとなった。
川内村A地区は、周辺の空間線量も毎時3.11マイクロシーベルト(μSv)と高い場所だった。
その他の地区の樹木は、比較的低い値にとどまった。
さらに外崎さんは採取場所の空間線量も調べ、樹木のセシウム濃度とほぼ比例することも明らかにした。
林さんによる南相馬市内3カ所の値のほうが、外崎さんによる川内村A地区の値よりもかなり高い。
林さんは「樹齢20年までの若い樹木を調べたことと関係があるかもしれない。
若い木のほうがセシウムを取り込みやすい可能性がある」と話す
セシウムが木部をどう汚染していくかは、まだ解明されていない。
外崎さんは、「放射能が付着した葉や枝、樹皮が地面に落ちて、土壌に浸透していく。
それを樹木が根から吸収する可能性がある。
そのため時間が経てば、今より木部の濃度が高くなっていくかもしれない」という。
旧ソ連チェルノブイリ原子力発電所事故後に実施されたベラルーシに植生するアカマツの調査から、木部のセシウム濃度が15年後にピークを迎えるという予測も出ている。
「日本とは土質や樹種が違うので一概にはいえないが、長期に渡って測定を続ける必要がある」(外崎さん)自主検査で安全性を示す
製材の安全性を示す基準値は、いまのところない。
林野庁は参考資料として、セシウム濃度が約400Bq/kgの板を張った部屋で、1日約19時間過ごして被爆する量を試算した。
結果は年間0.01ミリシーベルト(mSv)
林野庁木材産業課の赤羽元さんは「普通に暮らしていても自然界から年間1.5mSvの放射線量を浴びている。
それと比較してもごく少量で、健康上問題のないレベルと考えている」と話す
基準値の設定については、「住宅は多様な素材で作られているので、木材だけの基準を直ちにつくるのは難しい。
まずは調査地点を増やして、他に高い放射線量の樹木がないかを調べることを検討する」という。
(資料:日経ホームビルダー)
福島県内の森林組合や製材会社は、様々な放射能被害に苦しむ。
南相馬市や川内村は地元材の販売を自粛している。
閉鎖に追い込まれた製材工場もある。
樹皮は放射線量が高いので堆肥などに再利用できず、製材工場などに積み上げられた状態だ
福島県は県産材離れを防ごうと、昨年末に県内31カ所の製材工場で、スギの製材約540本を調査した。
測ったのは表面の放射線量だ。
最大で50cpmとなり、物の移動を禁止する国の基準値である1万3000cpmより極めて小さい値だったと説明した。
福島県内大手の協和木材(塙町)は11年4月から、検査機関による製材の放射能測定を始めている。
「表面の放射線量だけでは安全性がわかりにくいと言われて、セシウム濃度も測ることにした。
食品の安全基準以下になっていると説明している」と同社営業部の松浦薫さんは話す
県内の製材会社を束ねる福島県木材協同組合連合会は、製材の自主検査を実施するため、「県産材の安全性及び認証制度検討委員会」を12年1月に立ち上げた。
表面線量や産地などを示す取り組みを、遅くとも13年度にはスタートさせる予定だという。
自主検査で放射線量と産地を表示 (福島県木
材協同組合連合会の談話)
2011年から、国や県に製材の出荷基準を定めるよう求めてきたが、いまだに実現していない。
製材会社や消費者の間で不安が増しているため、12年1月に「県産材の安全性及び認証制度検討委員会」を設置して、自前の検査体制を整えることにした。
検査の内容は、出荷する製材品の表面線量の測定、伐採場所の空間線量の測定など。
製材品の産地も明記して、必要なら証明書の発行も考えている。
安全の基準値の目安として、警戒区域などからの移動を禁止する国の基準値として1万3000cpmがあるが、それでは高いと感じているので、輸出品目の木材基準などを参考にして、さらに厳しい基準値を探っている。
基準以上の放射線量を検出すれば、出荷を制限する。
2月中に素案を出し、3月には必要な機器の整備や測定のための研修を行い、遅くとも13年度からの運用開始を目指している。
国や県が新たに基準を設けた場合は、それにも対応していきたい。
(福島県木材協同組合連合会専務理事の宗形芳明さん、談)
サンプルとおがくずを試験機関で毎月測定 (協和木材の談話)
原発事故直後から製材の安全性に関する問い合わせが増えたため、11年4月から製材の自主検査を始めた。
検査は毎月1回、県内3カ所の試験機関のいずれかで実施している。
測定するのは表面の放射線量や、製材から出るおがくずの放射性セシウムと放射性ヨウ素などだ
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