"
2011年- 古里の森林 官民で守れ |木製品、木、木工などのネット新聞情報 |木の情報発信基地
v11.0
- ID:
- 52437
- 年:
- 2011
- 月日:
- 1219
- 見出し:
- 古里の森林 官民で守れ 「秩父の木材を使おう」
- 新聞名:
- 東京新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20111218/CK2011121802000057.html
- 写真:
- -
- 記事
-
秩父産木材を積極的に使う動きが、地元の官民で高まっている。
地元の木材は輸送コストを節約でき、古里の森林の荒廃防止に役立つ。
秩父市は六月に策定した市公共施設の木材利用促進方針で、「原則として秩父地域産木材を使う」と明記。
地元の工務店は十一月にモデルハウス「秩父杉の家」を
開き、見学者でにぎわっている。
(五十住和樹)
同市の方針は、公共建築物の木材利用促進法や県の指針を受け、県内ではときがわ町に次いで決めた。
方針では秩父地域産木材(秩父材)を、学校や福祉施設、公営住宅や庁舎などの公共建築物や土木工事などで使うと記述。
机やいす、文具、遊具などでの活用も明記している
老朽化し、耐震化も兼ねて建て直す同市立尾田蒔小学校校舎(鉄筋コンクリート三階建て、延べ約四千六百平方メートル)は、外壁や手すりなど校舎外部に約四百平方メートル、教室や廊下の壁など校舎内部に約千百四十平方メートルの秩父産のスギを使う。
使用量は約四十四立方メートル。
ロッカ
ーや掃除道具入れは秩父産ヒノキ。
総事業費約十一億円、完成予定は二〇一三年三月で、担当者は「地元の木材に目を向けてほしい」と教育効果を狙う
モデルハウスを造ったのは、同市熊木町の丸山工務店。
子ども二人の四人家族を想定した木造二階建て、2LDKに約十畳の「ワークスペース」がある。
広瀬正美社長(49)は、化学物質によるシックハウス症候群の防止や断熱効果を強調。
「木材は湿気を吸ったり吐いたり“呼吸”している。
空気の質が違
う。
インフルエンザ対策にもなる」と話す
木の香りに包まれた室内の床や壁、階段など秩父産スギの使用量は約十六立方メートルで、使用木材の約八割を占める。
風呂の床や壁も秩父材で、家を維持する過程でも秩父材を使おうと「腐ったら取り換える」発想という。
家屋の価格は千五百万円程度
モデルハウスにはさらに、屋上緑化や太陽光発電パネル、庭に水をまく雨水タンクなども設置。
会議場所として無料で貸し出し、秩父材をアピールする考え。
広瀬社長は「国産材はコストが高いと言われ、秩父材の家はまだ少ない。
地元の森林は間伐だけでは維持できず、住宅建設で積極的に使われるよ
うになれば」と話している
<秩父材> 秩父市や小鹿野、皆野、長瀞、横瀬の4町の山林で切り出した木材を指す。
さいたま県産木材認証センター(さいたま市)は2002年、県産材の認証制度を創設。
森林組合や材木店、製材店などが「さいたま県産木材販売伝票」を出して認証している。
木を切り出す森林組合などが発行する
伝票の備考欄には「秩父・大滝」などと産地が記入されている。
木材の県内ブランドでは、江戸時代から続く、旧名栗村を含む飯能市など産出の「西川材」が有名
fff: