"
2011年- 地下水が木簡守る |木製品、木、木工などのネット新聞情報 |木の情報発信基地
v11.0
- ID:
- 50794
- 年:
- 2011
- 月日:
- 0621
- 見出し:
- 【平城宮跡】地下水が木簡守る - 奈文研など調査
- 新聞名:
- 奈良新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.nara-np.co.jp/20110619102647.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
歴史の生き証人と言われる平城宮跡の木簡が、地下水によって腐食を免れ、守られてきたことが、奈良文化財研究所と国土交通省の調査で明らかになった。
京奈和自動車道大和北道路が平城宮跡の東側でトンネル化されるため、1年間にわたって地下水位と土壌水分量を調べた。
宮跡の東端に近い東方官衙(かんが=役所)地区に計測器を設置。
木簡が出土した地下1メートルと出土層より上の同0.6メートルで水位などを調べた。
地下1メートルで木簡が地下水に浸っていない期間は20日あったが、毛細血管のような現象で土壌の水分量は年間を通じて飽和状態だった。
一方、地下0.6メートルでは、地下水が木簡より低い期間が102日に増加、飽和度も大きく低下した。
奈文研は「木簡が出土する所は土壌水分量が飽和に近い状態で維持されている可能性が高い」としている。
土壌水分が高いと木材腐朽菌など、酸素を必要とする微生物が生息できず、腐食も進みにくいという。
奈文研の田辺征夫所長は「感覚的に論じられてきた土中の保存状態を科学的に説明できる貴重なデータ。
今後も蓄積を重ねていきたい」と話している
fff: