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    ID:
    49340
    年:
    2011
    月日:
    0104
    見出し:
    木頭杉産直広めよう
    新聞名:
    読売新聞
    元UR(アドレス):
    http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokushima/news/20110102-OYT8T00338.htm
    写真:
    【写真】
    記事
    太い梁(はり)に、板張りの床。
    那賀川河口近くの阿南市那賀川町豊香野にある2階建てのモデルハウスに、「TS(徳島杉)ウッドハウス協同組合」理事長の林業、和田善行さん(61)ら6人が集まった。
    木頭杉の香りに包まれながら、和田さんが話し始めた。  この日の話題は、春に開く植林ツアーについて。
    関西の人たちを山に招き、杉の苗木を植えてもらう。
    「もっと街の人に森を見てもらおう」。
    組合結成前から続け、約20年になる。  和田さんの家は代々、那賀町の木頭に山林約500ヘクタールを持ち、毎年7ヘクタールの伐採と造林を70年周期で繰り返してきた。  和田さんも那賀川河口の阿南市に生まれ、3歳から東京で育ち、大学で経済学を、さらに東京農工大で2年間、研究生として林業を学んだ。
    1975年、26歳で跡を継ぐために帰郷した。  戦後は鉄骨モルタルや鉄筋コンクリート造りに押されてきた木造家屋。
    設計士にも、「杉は強度が弱く、建築には向かない」と言われた。
    「かつては一般的だったのに。
    本当に杉は弱いのだろうか」  乾燥の方法で強度が大きく変わることがわかった。
    伐採して葉を付けたまま、葉の蒸散作用を利用して数か月かけて自然に乾かす「葉枯らし乾燥」と、虫害を防ぐために4~7月を避けて伐採する「切り旬」を併用すれば最も強いと判明した。  野菜、魚介類……、数々の産直品がもてはやされる中、「木でも『産直』ができないか」と思い付いた。
    近隣の林業家や製材業者に呼びかけて95年、同組合を結成した。  木頭と関西のつながりは古い  鎌倉時代には京都市の下鴨神社の造営、天正年間は大坂城築城のため、木頭産の木材が切り出されたという。
    昭和初期には、木頭を流れる那賀川の河口に、西日本有数の製材所が設けられた。
    木頭杉の薄板は「阿波の三分板」と呼ばれ、阪神地域では家屋の外壁材や塀周り板の8割を占めた。  木頭杉は急峻(きゅうしゅん)で温暖多雨な那賀川流域で育つため、成長が早く、耐久性が高く、腐りにくい。
    「働き者の阿波女のようだ」。
    和田さんは木頭杉をそう例える。  兵庫県西宮市の主婦、村山日南子さん(68)は、同県芦屋市に住んでいた時に阪神大震災で被災し、翌96年、自宅を新築した。
    同組合が手がけた第1号だ。
    「自分で選んだ木で家を建てたい」と探し求め、和田さんに出会った。
    樹齢90年の木頭杉の大木を柱や梁に使ってもらった。
    「健康な木で建てた家 に住めば、人も健康になる。
    家のどこを触っても気持ちがいい」。
    毎年、植林・伐採ツアーに参加し、木頭を訪れている。  同組合は関西を中心に、住宅約50棟を建ててきた。
    和田さんは国土交通省の部会の委員を務め、伝統工法を現代によみがえらそうとしている。
    今月20日、世界最大の震動台がある同県三木市の「実大三次元震動破壊実験施設(E―ディフェンス)」に高さ9メートルの2階建て木造民家を造り、強度試 験を行う。
    梁には木頭杉を使うつもりだ  「木頭杉の香り、つやを一番良い状態で届けたい」。
    木頭杉の産直販売・建築を広めようと和田さんたちの奮闘は続く。
    「杉を持ってく関西は、目の前よ」  「徳島って関西ですよね」。
    昨年9月に徳島に赴任し、あいさつ回りで訪れた先で「阪神から来ました」と告げると、たびたび聞かれ、始めは戸惑った。  買い物で、高松は序の口、三宮や梅田、中には三田のアウトレットまで足を延ばすと聞き、関西が生活圏になっていると納得した。  関西広域連合への参加が吉と出るかどうか。
    参加しなかった奈良県の出身者としては気になるところだ fff:

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