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- ID:
- 49248
- 年:
- 2010
- 月日:
- 1220
- 見出し:
- ニセアカシアペレット燃料に
- 新聞名:
- 朝日新聞
- 元UR(アドレス):
- http://mytown.asahi.com/yamagata/news.php?k_id=06000001012190001
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- 記事
-
黒松林の生育阻む厄介者
庄内海岸の防風林として重要な黒松林の生育を阻害する「ニセアカシア」を伐採し、ペレットストーブの燃料に加工して再利用する実験が、三川町の県庄内総合支庁などで行われている。
ニセアカシアは伐採しても根から芽が出て自然増殖するため、ペレットの需要が増えれば、森林保全と自然エネルギ
ー利用促進を両立できるとして期待されている。
(溝口太郎))
◇県など実験/熱量は十分、課題はコスト面
ニセアカシアは北米原産のマメ科の落葉広葉樹。
荒れ地でも成長が早く、明治時代初期に緑化植物として国内に導入された。
庄内海岸ではクロマツの肥料として明治から1940年代にかけて植えられたが、害のある物質を放散してクロマツの生育を阻んだり、倒れてやぶになるなど課題が多い
6月の開花期にはミツバチを呼び寄せるため、砂丘メロンの授粉の妨げにもなる。
80年代以降は、マツクイムシ被害でクロマツが枯れた跡に自然増殖して広がり、約2200ヘクタールの海岸林のうち3分の1の範囲内で、ニセアカシアの繁茂が確認されているという
県庄内総合支庁では、拡大防止と有効利用ができないかを検討。
8月に50本、約7トンのニセアカシアを伐採し、庄内地方で唯一、木質ペレットを生産している鶴岡市の会社に加工を委託した。
成分分析の結果、発熱量は1キロあたり4500キロカロリーで、クロマツ材のペレットの4800キロカロリーより
やや低いものの、木質ペレットとしては標準的で十分な熱量を確保できるとわかった
約500キロのペレットを試作。
13日から24日まで庄内総合支庁1階の木質ペレットストーブで燃焼実験を続けるほか、庄内地方の企業7社と一般家庭3軒のストーブでも、1月末まで試してもらい成果を確かめる。
総合支庁では着火、燃焼とも順調だ
課題はコストだ。
マツクイムシ被害で伐採され、ペレットの原料に利用されるクロマツ材の1トン約千円に対し、ニセアカシアは伐採搬出に手間がかかり同じ1トンでも約7千円とかなり割高だ。
同支庁森林整備課では「需要が増えればコストも抑えられる。
伐採後に木が再生すれば、CO2排出削減にも寄与で
きる」としている
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