v11.0
- ID:
- 49252
- 年:
- 2010
- 月日:
- 1220
- 見出し:
- 木材資源大国・日本、需要・価格などが課題
- 新聞名:
- モーニングスター社
- 元UR(アドレス):
- http://www.morningstar.co.jp/portal/RncNewsDetailAction.do?rncNo=393185
- 写真:
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- 記事
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ほとんど資源を持たない国である日本にとって、国内需要を十分に賄えるほどの資源が木材。
木材は地球温暖化対策の二酸化炭素(CO2)削減にも有効であり、鉱物資源などとは違い再生が可能だ。
今一度、木材に注目してみたい
●G20でNo.1の森林比率
若干古いデータだが、2005年のG20(20カ国・地域)の森林比率では、驚くべきことに日本は68.2%でトップだ。
日本の森林資源は2510万ヘクタール(07年)もある。
しかし、林業従事者(05年)は4.7万人しかおらず、高齢化率は全産業が9%に対して、林業は26%にも達している。
農林水産省は昨年12月、「森林・林業再生プラン」を打ち出し、森林の活用に乗り出すなど、森林は温室効果ガス吸収源として、近年、間伐に多額の予算が計上され、各地で一斉に間伐作業がなされた。
しかし、木材需要が低迷するなかで間伐材の使い道も限定され、大半は「切り捨て間伐」として、そのまま林地に放置されている。
膨大な林地残材は、その後の山仕事の邪魔になるうえ、腐食が進んでかえって温室効果ガスの発生源になり、大雨時に流下して災害を拡大させるという課題を残している。
●木造住宅400万戸分の供給能力
日本の人工林は約半分がスギ。
スギは多くの林業者にとって最も身近であるとともに、日本の風土に最も合う樹種で、北海道から九州まで、ヒノキが苦手な湿気の多い沢筋でも良く育ち、まっすぐ速く成長するので建材に向いている。
酒樽(たる)や味噌(みそ)樽に使われる通り、適切に乾燥させれば耐水性
が高く、強度もある。
用材利用に適した樹齢45年以上のスギを主体とする人工林は現在365万ヘクタールあり、現状のままでいけば10年後には680万ヘクタールに増加する。
年率にして8.6%も増加している。
つまり、樹齢45年以上の人工林の年間増加量は、森林蓄積を考慮すれば平均的な木造住宅400万戸分の806万平方メートルと見込まれる。
一方、わが国の木造住宅着工件数は年間50万戸程度だから、供給余力は十分にある。
問題は価格。
安価な輸入材が多いうえ、国内材も伐採して山から下ろす費用が出ないほど価格が低迷しているため、所有者としては出荷したくともできない状況。
しかし、国内産業、林業の回復、森林資源の有効活用のためにも、国内材の有効利用を推進するべきだろう。
ここはやはり、国内材の専門会社「フォレストサービス」を子会社に持つ、住友林業 <1911> に頑張ってもらおう。
株価は10月13日の551円を底に順調な回復を見せ700円台に。
目前に控えた750円どころを抜ければ、年初来高値の805円(4月26日)が視野に入ってくる
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