v11.0
- ID:
- 48084
- 年:
- 2010
- 月日:
- 1008
- 見出し:
- 木材効率生産 道険し
- 新聞名:
- 朝日新聞
- 元UR(アドレス):
- http://mytown.asahi.com/akita/news.php?k_id=05000001010070002
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- 記事
-
木材自給率アップのための重要課題に挙げられているのが、生産コストの抑制だ。
国は高性能機械と人との効率的な連係に打開策を求めるが、高価な機械の導入に疑問を持つ業者もいる
由利本荘市南ノ股の国有林で9月上旬、由利森林管理署が主催する木材生産技術の現地検討会があり、林業会社や森林組合員ら約80人が参加した
現地では、直径が平均約18センチ、高さ14メートルほどに育った樹齢36年のスギを間伐している。
初めに由利森林管理署の池田正三署長が「森林・林業再生プランを国が発表し、林業に追い風が吹いている。
このチャンスを逃せば林業の再生はない」とあいさつした
間伐の作業ではまず、作業員2人が急斜面にあるスギをチェーンソーで伐倒する。
グラップルと呼ばれる重機で作業路近くまで引き上げ、1カ所に集める。
重機をプロセッサ(造材機)に替えると、1本数十秒ほどで、枝を除き、同じ長さに切りそろえていった
共催した東北森林管理局によると、作業や運搬に使う道を適度に整備している点や、一定の間隔で帯状に間伐する「列状間伐」という方法を採っている点も作業効率を上げているという
その後、同市内の多目的ホールに場所を移して意見交換会があった。
ある林業会社幹部は「機械の購入や修理に多額の費用がかかり、思うようにコストが下がっていない」
と不満を述べた
なぜ、低コストの木材生産が求められているのか。
現地検討会で講師を務めた東北森林管理局の佐々木廣一企画官(間伐推進)に聞いた
――どうしてコスト削減が求められているのでしょうか
森林・林業再生プランが掲げた「10年間で木材自給率50%以上」を達成するには、国産材を使ってもらわなければならない。
だが、木材1立方メートルあたりの生産コストは、フィンランド1400円、オーストリア3100~3600円に対して、日本は7千円だ。
外国は地形が平らで、大型機械を使っていることが
強みだ
――労働効率を上げてコストを抑えるには、どうしたらいいのでしょうか
高性能の機械を使うこと、道を整備すること、列状間伐をすることが挙げられる
機械化は、東北森林管理局管内では98%まで進んだ。
これからは、機械をいかに効率よく使うか、人の配置を含めた作業の仕組みを工夫することが大切だ
道を造るには費用がかかるが、完成すればその後の作業コストは減らせる。
両者のバランスがとれる程度まで、整備を進める必要がある
伐採する木を選びつつ点在的に間引く定性間伐に比べ、列状間伐は選木の手間がかからない。
立ち木に引っ掛かった「かかり木」の倒木による事故の危険も少なくなる
――課題はないのでしょうか
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