また一般的な木材保護塗料が殺虫・殺菌を目的とした薬効成分なのに対し、医薬品レベルの成分を使用。
ナノに微粒化された薬効成分が木材の微細部まで浸透するため、忌避効果だけで十分な保護機能を発揮する。
「犬小屋や鳥小屋などに使っても問題ない」と従来品では敬遠された使用も可能とした
更にその浸透性の高さから、塗料が含浸しにくい堅い木材や薬品処理された木材にも深く浸透する上、特に従来品では含浸、密着の問題が多発していた節にもしっかりと密着する
価格も従来品と同等に抑えられており、店頭では売りやすいことからHCルートでの主役を窺う。
外装市場に活路、認知訴求強める 日本オスモ
高いシェアを有する内装市場が新築着工件数の減少により伸び悩みを見せていることから、外装需要の開拓を積極化させている日本オスモ
一昨年前には、塗料小売店を対象とした特約店会「ひまわり会」を結成。
50社を超える販売店網を構築し、同社の販売施策を担う中核拠点との位置づけを色濃くしている。
その背景には、外装需要の拡大を図る上で、ユーザーである塗装業者との関係構築が不可欠との判断がある。
設計指定が強く働く新築市場とは違い、メンテナンス市場では塗装業者が鍵を握る。
そのため、塗装業者と強いパイプを持つ販売店との協業を図りつつ、塗装業者へのDMを毎月3万社に半年
間継続するなど、網羅的な営業展開を実施している
また一方、「今後は一般生活者への認知訴求がより重要になる」とし、リフォーム雑誌、ガーデニングなど一般雑誌へのPRを積極化。
ホームページでも、「屋外木部塗り替えシステム」の専用ページを開設する他、最近では塗装のHow toに関する動画コンテンツを充実させるなど、初心者にも分かりやすい内
容に工夫を凝らしている。
これらの営業施策が奏功し、木材保護塗料として展開する「オスモカラー ウッドステイン プロテクター」「同 ウッドステインクリアー プラス」の販売が好調。
特に昨年発売した「同クリヤー」は高い透明性、耐候性が根強い生地仕上げニーズに合致し、販売拡大に弾みがついている。
需要の裾野広がる トーヨーマテリア
含浸型ツヤ消しタイプが主流の木材保護塗料分野において、造膜タイプで独自のポジションを確立しているシッケンズ木材保護塗料「セトールシリーズ」。
販売動向は「前年比110%前後で推移しており回復傾向にある」と担当者。
要因のひとつとして需要の裾野の広がりを挙げる。
例えば、同社の2次店がネ
ットショップを開設、ガーデニングキットなどとの抱き合わせ販売で売れ行きが好調とのこと
また同社のホームページへの一般消費者のアクセスも増大しているという。
「シッケンズは元々、ログハウスユーザーでのブランドロイヤルティが高い。
リペイントのニーズでは一般の方々を含めビルダー、業際へと需要の裾野が広がっている」との見方を示す。
このためFAQを充実させるなど、一般消費者を想
定したよりフレンドリーなホームページへのリニューアルを行う予定だ
一方、製品面では「セトール Filter7プラス」をラインアップした。
従来品に比べVOCを大幅に削減し、今年7月にリニューアル販売したもの。
厚膜、中間光沢仕上げの高級感のあるタイプで高耐久性仕様。
特にメンテナンス塗装で使い勝手がいい。
木材保護塗料のメンテナンスでは残存塗膜の程度がまちまち
で、リペイントでのムラがひとつの課題。
ハイビルドタイプのため、既存塗膜のムラ感を抑えるのに役立つ。
既存の「セトールHLS」及び「同Filter7」への上塗りが可能
色相は木材系5色を揃え、価格は従来品と同価格に据え置いた。
差別化明確、塗料店のビジネスに貢献 エービーシー商会
木材保護塗料のほとんどがアルキッド樹脂をベースに造られているが、1~3年で塗り重ねの必要があるなど、耐久性の面で市場ニーズが満たされていない。
そうした中、木材保護着色塗料で初めてシリコーン系ポリマーをベースとした「ワイティプルーフW」を市場投入、耐久性向上への期待が大きく膨らんで
いる。
木材劣化の大きな要因は水と紫外線。
同品はまず、シリコーン由来の超撥水性により徹底的に水を弾き、水を浸入させないことで腐れやカビ、汚れ、割れから木材を守る。
しかも下地にしっかりと浸透して幾層もの撥水層を形成するため、割れや剥がれがなく撥水性を長期にわたって持続する
またシリコーンは性能添加の自由度が高く、紫外線カット性の付加による耐久性向上を実現。
変色や木やせといった紫外線のダメージを抑える。
カラレス(無色)による屋外曝露実験で45カ月後でも水の接触角110°以上の耐久撥水性を保ち、退色や木ヤセがほぼないことを実証、その実力を見せつけた
市場が最も望んでいる"耐久性"で明確な差別化を打ち出せたのが最大のポイント。
「木材保護塗料の市場は裾野が広く、市場の末端まで浸透させるためには塗料販売店様のルートが最も効果的」との見地からルート構築を急いでいる。
「飽和気味の市場にあって、ニーズが最も高い耐久性で既存品と明
確に差別化できることから、塗料店様のビジネスに貢献できる商材」と自信を持つ
全面リニューアルで性能強化 大阪塗料工業
今年5月、木材保護塗料「ニューボンデンDX」の全面リニューアルを実施した大阪塗料工業。
使用薬剤を変更し、防藻、防蟻などの性能を飛躍的に向上させるなど、営業展開に弾みをつけている
国内市場に特化する同社にとって、「ニューボンデンシリーズ」は汎用市場を担う中核的存在。
最高級グレードの「ニューボンデンDX」を筆頭に、「同 ガーデンカラー」「水性ニューボンデン」「水性ニューボンデン ステインクリヤー」と用途、コスト、仕上がり感に応じた品揃えを強化している
特に「同 ガーデンカラー」は昨年から本社のある大阪地区限定でキャンペーン販売を実施。
意匠に関しても化粧缶ではなくラベル缶を採用するなど、原価低減を図ることで、コストパフォーマンスによる差別化を図った。
その意味でも、今回の「ニューボンデンDX」の全面リニューアルは、より最高級品として存在感を高めることに寄与する。
価格は従来品と据え置きながらも、防藻、防蟻、防カビ、防腐効果とも従来品を大きく凌ぐ性能を有しており、「性能面では、競合品の中でもトップと自負している」(担当者)とコメント。
3月に
は東京ビッグサイトで開催された「建築・建材展」で初披露するなど、PR活動も強化している
今後のテーマは、"いかに性能の良さを伝えるか"。
そこで同社は、全面リニューアルに伴い、同品専用のカタログを製作。
各種試験による性能結果を掲載することで、説得力を強めている。
品揃え強化、需要層を細分化 アサヒペン
家庭用塗料トップのアサヒペンは昨年、女性層をターゲットにおいた「水性ガーデンペイント」を投入し、新たな需要層の開拓を行っている
木部用塗料について担当者は「木部は2~3年おきに定期的にメンテナンスされるため、底強い需要分野」と評価。
ラティス、木柵、プランターといったガーデンファニチャーからウッドデッキ、ログハウスといった住宅向けなど用途はさまざま。
ガーデン用においては「水性ガーデン用カラー」を揃えるなど、用途、顧
客層に応じた製品投入を図ることで、販売拡大を狙う。
その結果、昨年度の木部用塗料は一昨年比で10%を超える成長を遂げている。
一方、屋外木部用塗料として主力に据えるのは、「油性ウッドガード外部用」「水性ウッドガード外部用」。
防腐、防虫効果を付与し、価格も中価格帯に設定。
3月には、ゴールデンオーク、ブラックの濃色2色を追加した
新色を追加した背景には、塗り重ねによるメンテナンス性への配慮とともに、高まるモダン指向への対応を見据えたもの。
明るめの色相をアクセントカラーに用い、その他を濃色で仕上げるケースが増えているためだ
また同社は7月下旬から自社ウェブサイトでネット販売を開始した。
定価+運賃での販売を基本とし、既存流通チャンネルとの差別化を図る。
最寄りに小売店がない地域などにとっては、有効な販売チャンネルとの見方がある他、フルブランドでの販売が可能になったことで、より消費者嗜好に応じたニッチ製品
の販売が期待される。
ニーズをサービスで喚起する カンペハピオ
カンペハピオは、ペイントファンの創出を基本戦略に据え、塗料を身近な生活ツールにするべく、さまざまなアプローチから需要喚起に努めている
「あらゆるものが過剰設備となっている時代の中で、あるものを使おうとの消費トレンドが生まれている。
しかし、塗料はメンテナンス商材として有効なツールとは言え、生活者にとって認知度が低い。
まずは潜在化しているニーズを喚起し、そのためのサービスを提供していく必要がある」(担当者)。
塗装教室など
のイベントの参加者から高い評価が得られていることも同社の販売施策に勢いをつけている。
そのため製品開発は、"塗装作業の負担をいかに軽減させるか"に徹底的な工夫を凝らす。
3年前に発売した「木部保護塗料(水性・油性)」は、開けやすく、密閉性に優れた新容器を採用。
使い切らなかった際はキャップを再び閉めることで、塗料の長期保存を実現。
また刷毛が入るように缶の口径を広くし
たことで塗装の"手軽さ"を高めた
また、マンションなどのベランダでガーデニングをする女性層が増えていることに着目し、塗料と刷毛(2種類)、マスキングテープ、マスカー、ハンドクリーム、残塗料処理剤などをセットにした塗料+塗装用具セットを発売。
塗装に必要なすべてのツールを揃えることで、塗装ビギナーの支持を狙う。
屋外木部用塗料分野においては、「キシラデコール」をハイスペックブランドに据え、同社オリジナル製品はスタンダードタイプに据えることで、売り場の相乗効果を図っている。
女性ファンを獲得、HCで拡大 ニッペホームプロダクツ
女性層を中心に高まりを見せるガーデニングファンに対して投入した新機軸ブランド「ローズガーデンカラーズ(The Rose Garden Color's)」。
これまでHowto的な訴求が中心だった販売施策と一線を画し、ガーデニングの化粧を意味する"ガーデン・コスメ"として、イメージブランドを全面に打ち出している
当初は、フラワーショップでの店頭販売といった協業も見据えていたが、「花を買うお客さんの購買層とは、少し異なっていたかもしれない」(担当者)と軌道修正。
しかし、昨年に続いて今年5月に開催された「第12回 国際バラとガーデニングショウ」では、高い反響が得られ、手応えを実感。
現在は売り場づくり
を含めてホームセンター(HC)を中心に扱い店舗数を拡大している。
「毎月15缶程度を必ず購入するお客さんがいる」など、同品を指名買いするファンも生まれている。
木部用塗料市場への展開は、ニスを含め長年の実績を有し、水性、油性ともに豊富な製品ラインアップに強みを持つ。
また今年4月には、防虫・防腐塗料として、「油性木部保護塗料」(10色)、「水性木部保護塗料」(8色)の2製品を発売。
ウッドデッキや木製フェンス、ログハウスなどメンテナンス需要の取
り込みを狙う
同社は日本ペイントグループとして、業務用、家庭用塗料ともにフルブランドを供給できるのが最大の強み。
HCがプロショップ化やリフォーム分野を強化している方向性に対して、追い風との見方を強めている。
きめ細かい品揃えで差別化 サンデーペイント
大日本塗料の家庭用塗料部門を担うサンデーペイントは、シェア争いからは一線を画し、差別化製品の開発に特化した展開を見せる
木部用塗料分野においては、自然塗料ブームに先んじる形で10年前に植物油を原料にした天然系塗料「エコウッド カラーステイン」を発売。
自然の植物油が持つ浸透力よって木部に深く浸透し、防腐・防湿効果を付与。
また配合したラックロウ、ミツロウワックスにより高い撥水性を有する。
その他、ヒバ油に
含まれるヒノキチオールが木材内部に浸透し、防虫・防腐・防カビ・抗菌効果を発揮する他、弁柄などを顔料として使用し、耐候性を確保した。
低臭でかつ安全性に優れることから、ログハウス、ウッドデッキから羽目板、未塗装フロア、玩具など屋内外部の幅広い用途に適用する。
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