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- ID:
- 46403
- 年:
- 2010
- 月日:
- 0614
- 見出し:
- 絵本登場のイス寄贈/木使った遊び紹介 子どもに自然の大切さ
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ehime/news/20100613-OYT8T00827.htm
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- 【写真】
- 記事
-
松山市平田町で木材卸売り会社を営む高橋佐智子さん(42)が、木との触れ合いを通じて子どもたちに自然の大切さを学んでもらう「木育」に取り組んでいる。
木材の生産者団体の協力も得て、名作絵本に描かれているものとそっくりの木のイスを作り、これまでに全国の約320の幼稚園などにプレゼント。
保
育を専攻する学生や幼稚園の教員に、木を使った遊びを紹介するなどし、「荒れがちな森を、子どもたちが復活させてくれるように」と教育の場での種まきを、地道に続けている。
(浅野友美)
内子町で5年間、小学校教諭を務めた後、15年前から、木材卸売業を営んでいた夫(44)の仕事を手伝い始めた高橋さんが、木育に目を向けたきっかけは、10年前、まだ幼かった長女が畑の土を触ろうとしなかったことだった。
西予市野村町で育った高橋さんにとって、山道を歩き、木登りで遊ぶ中で土や木々に触れるのは当たり前だっただけに、「今の子どもは、自然からこんなに遠ざかっているのか」と驚いた。
ショッピングセンターでの買い物といった休日の過ごし方を、ハイキングなどに変えた。
その数年後、夫から「木工を一般にPRするアイデアはないか」と相談を受け、娘が好きだった絵本「どうぞのいす」で、動物たちと共に重要な役割を果たす木のイスを作ることを発案。
松山市内の授産施設に依頼し、高さ65センチの子ども用の素朴なイスを作った。
イスを絵本と共に幼稚園に贈ると、「木のぬくもりが伝わり、子どもたちが列を作って座る順番を待っている」などと予想以上の反応が返ってきた。
県内の若手木材事業者団体の協力を得て、無料で贈るようになると、口コミで評判は広がり、7年間で300以上のイスを各地に贈った。
その一方、地元の児童館
で木にまつわる絵本の朗読会を企画し、子どもと一緒に森林を散策したり、木のおもちゃで遊んだりするイベントも開くようになった。
今年4月には、松山東雲短大付属幼稚園にイスを贈ったことをきっかけに、保育科の新入生ら約130人に対して、木育についての講義を行い、直径3センチの木の玉約1万個を集めた「木の玉プール」などでの遊びを紹介。
四国中央市の幼稚園教員の研修でも木育を紹介した。
高橋さんは「人や動物の命を支え続けてきた木は、自然の温かさを伝えてくれる。
子どもらに樹木や自然を身近に感じてもらうために、できることを続けていきたい」と話している
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