ID : 11317
公開日 : 2009年 4月14日
タイトル
木と息吹が奏でる音楽器「コカリナ」作りの名匠
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新聞名
神奈川新聞
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元URL.
http://www.kanaloco.jp/serial/entry/entryivapr090420/
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元urltop:
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写真:
写真が掲載されていました
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檪(くぬぎ)工房 中村英二さん(71)
8年ほど前。初めて聞く音色にテレビ画面を見ると、映っていたのはコカリナなる楽器。音の美しさとともに、木をくりぬいた笛という点に興味を持った。定年後に勤めた第2の職場も退職し、木彫教室に通っていた時期
。木工が長年の趣味で、木という素材が大好きだった。
そこでインターネットから写真をプリントアウトし、ノギスで寸法を測定して作ってみた。吹いてみると音は鳴る。だが音階が正しく出なかった。
「何事も突き詰めないと気が済まない性分」、迷わず日本コカリナ協会の門をたたいた。
数カ月試作を重ね、63歳のとき32人目の公認製作者に認定された。以来「角英のコカリナ」として自身のホームページなどで販売。演奏の腕も地域のサークルで磨いている。
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コカリナはサイズによって音域の高低が違い、木材の種類によって音質が異なる。
「軟らかい木からは温かみのある音が、硬い木からは澄んだ音が出ます。木によって振動の度合いが違うのでしょう。どんな木材だと心地よい音が出るのか、音の周波数を計測し目に見える形で表していきたい」
そう語るように無類の研究熱心。一つ一つは手作りだが、工程ごとに機械を使ったり数値化したりしてでき上がりの均一化を図る。木材も十数種類を使い、さまざまな音質を実現する。
「難しい。だからのめりこむ。毎日が挑戦です」
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農業技術指導に長く携わり、園芸や登山が趣味。同時に、機械いじりや木工も子どものころから好きだった。10代後半以降は、修学旅行の積立金でスチールギターを買ってしまうほどの音楽好きに。自然、ものづくり、音
楽、そして凝り性。すべてが集約したのがコカリナ製作だったのだ。
コカリナは、ハンガリーの民族楽器を日本人が10数年前に改良して作った。歴史が新しい分さまざまな可能性が秘められ、研究のしがいもある。
「目指すはコカリナのストラディバリウスです」。さらりと断言できるのは、真剣な努力の裏返しだ。
「形だけでは楽器にならない。楽器としての心がなければ」。穏やかな風ぼうと精密な技術の奥に、古今東西の開拓者たちと同じ、熱い精神が宿っている。
◆内部に湿気を残りにくくすることと、音色の向上に力を入れる。木目が生かされ、見た目も魅力的だ。「指穴は6つ。少し練習すれば案外簡単に演奏できますよ」
檪工房http://kakueikocarina.web.fc2.com/
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