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ID : 9961
公開日 : 2008年 12月24日
タイトル
紀州材需要と間伐材利用喚起へ 東大の積み木工法研究を支援
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新聞名
フジサンケイ
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元URL.
http://www.business-i.jp/news/venture-page/news/200812240021a.nwc
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元urltop:
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写真:
写真が掲載されていました
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和歌山県は、間伐材を加工して“積み木”のように施工する東京大学のユニークな新木造建築工法の取り組みを支援し、紀州材(同県産のスギ・ヒノキ)の認知度アップと需要喚起に乗り出す。東大生産技術研究 所(東京都目黒区)に完成した実験棟に木材の中でも抜群の強さと耐久性を誇る紀州材を提供し、建築費も補助した。新工法の実用化に役立ててもらい、紀州材の良さを全国にアピールする拠点に活用する。  新工法は「木造ブロック積層」と呼ばれ、断面の幅がいずれも8.9センチで厚さは3.8センチ、4.5センチ、5.1センチの3種類のモジュール化された木片を基本に使う。まず強度を高めるため、木片2本で断面がL 字状のユニット同士をかみ合わせるように、計4本で断面を長方形にしたブロックに加工。現場では長さを変えたブロックを並べてボルトで固定し、壁面や屋根を施工する。  実験棟は平屋で延べ床面積は47.39平方メートル。長さ9種類の約2000本の紀州材の木片を加工した500個以上のブロック(容量換算で32立方メートル)を使った。5年程度かけて経年変化などを調査するほか、 会議室や来訪者らの憩いの場に活用してもらう。  県林業振興課によると「紀州材は圧縮や引っ張り、曲げの力に強く、例えばスギ材の圧縮強度は米国産マツに比べ3割高い」という。新工法の実証実験に取り組む東大の実行プロジェクトに県から紀州材の採用を呼びか けて、総事業費の約半分の1000万円を助成した。  同県の木材生産量は約16万立方メートル(2006年)で全国25位、シェア約1%にとどまるが、紀州材は強度とともに色合いや香りの良さから木造家屋の大黒柱に使う高級材の需要も多い。県では今年1月に木材生産 の中期計画をまとめ、12年に23万立方メートルに増産する目標も定めた。  国産材は、戦後に大量植樹した人工林が15年ごろから相次いで樹齢50年前後の収穫期を迎える。現在は販売用の主伐材の健全な生育を助ける目的で伐採した大量の間伐材の活用も急務だ。新工法は主伐材に比べ 小径で付加価値の低い間伐材の有効利用にもつながると期待されている。  プロジェクトに携わる同研究所の腰原幹雄准教授は「建築基準法上の耐震強度も十分に満たし、現場で簡単に積み上げられる画期的な工法」と強調。将来的には素人でもプラモデルのように組み立てられる田舎暮らし のセカンドハウスへの応用も目指すという。
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