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ID : 9960
公開日 : 2008年 12月24日
タイトル
記者ノート 木の食器に込めた思い
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新聞名
47NEWS
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news/20081224-OYT8T00027.htm
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元urltop:
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写真:
 
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洋野町大野の山あいにある「大野ふるさと公社 木工房」。そこでは長く、地元産の木材を使って保育園の給食用食器を作っている。
 「器に使うのは樹齢100年以上のアカマツやケヤキ。どれも先人が残してくれたものです」。滝音嘉幸さん(44)は、直径20センチほどの木材を電動ろくろにかけると、のみで手際よく削っていく。
 山から切り出した木材は、そのまま使うと乾いて割れてしまうため、1年以上ねかせて乾かしている。器が出来上がるまで最低2年はかかる息の長い仕事だ。
 滝音さんらが作った大野木工の給食器は、おわん2個と大皿、小皿、はし、はし置きの6点セットで1万2106円。かなり値が張るにもかかわらず、大野木工の給食器を使用している保育施設は、北海道から沖縄まで150 を超えると聞いて驚いた。
 実際に使用している横浜市の「鳩の森愛の詩あすなろ保育園」に話を聞いてみた。林和恵園長によると、木でできた食器は、熱を伝えにくいため、手に持って食べられる。おかげで、園児たちの背筋は、食事中もピンと 伸びているそうだ。
 木の器だけに、傷つけたり、割ったりすることもある。そんな時も、滝音さんらに修理を頼めば、1か月もしないうちに新品同様にピカピカに塗装されて戻ってくるという。「23年前からずっと同じ食器を使い続けている んですよ」。林園長の言葉に納得がいった。
 滝音さんら若手職人6人は、今年9月から、県内や首都圏の保育施設で食器の作り方を実演する取り組みを始めた。来年1月にはあすなろ保育園も訪問する。
 「木の器から森をイメージすることで、物を大切にする心を育んでほしい」  滝音さんたちの思いは、木のぬくもりとともに、きっと子どもたちに伝わっていることだろう。
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