ID : 7402
公開日 : 2008年 4月27日
タイトル
樹齢100年以上の森林を県に寄贈した元厚生大臣
.
新聞名
読売新聞
.
元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokushima/news/20080427-OYT8T00005.htm
.
元urltop:
.
写真:
写真が掲載されていました
.
樹齢100年以上の森林を県に寄贈した元厚生大臣 森下 元晴さん86
寄贈した森林の写真パネルを手にする森下さん(海陽町鞆浦で) 「単なる木材ではありません。文化財です。よそにはない、徳島にしかない大切な森林なのです」
2007年12月、祖先から受け継いできた海陽町平井の森林9・57ヘクタールを県に寄贈した。東京ドーム2個分の面積に群生しているのは、ほとんどが樹齢100年以上の大きなスギ。幹の直径が60センチを超すもの
が550本あり、最大では1・3メートルにもなる。「森の大切さを考えるきっかけになれば」と語る。
海部川流域は、肥えた山に豊かな森が広がり、樹齢1000年以上の「禅僧杉」と呼ばれる老木もある。古くから、山から切り出された木材は、川を下り、船で大阪や京都に運ばれ、にぎわってきた。
林業家に生まれた森下さんも、幼いころから山の中で育ち、東京高等農林学校(現東京農工大)を出て、終戦で中国大陸から復員した後、林業に携わった。東京五輪を目前に控え、41歳で衆院選に立候補した1963年
、林業は最も好況だったという。
ところが、選挙応援で来県した大先輩、河野一郎・元建設相(故人)から聞かされた言葉に驚かされた。「森下君、木の値は今が盛りだが、いずれ下がるぞ。もうじき外国産材が入ってくる。五輪ができるまでに成長した日
本なんだから、外国が放っておかないよ」
その後、値段の安い外材が入り木材価格は低迷。反対に労働者の人件費が上昇し、89年に政界引退を決意したころには、河野氏の言葉はすっかり現実になっていた。「もはや林業家は存在しない。業としては成り立た
ない」と痛感した。
国会議員を務めていた間は山の経営はほとんど他人任せだったが、引退後、海陽町の自宅で再び林業に専念。森林と向き合ううちに、大自然の摂理を感じるようになった。森林が土をはぐくみ、生命が生きるのに必要
な水を蓄える。落ち葉は川に流れ、水中のプランクトンが食べ、シラスやイワシのえさになる。
山から海へとつながる生命の連鎖。「森林は命をはぐくむ杜(もり)でもある。人間もいろんな命を食べ、その恩恵で生きている。そういう自然の摂理を知ってもらいたい」と、80歳を過ぎ、家族と相談して寄贈を決めた。
趣味のカメラで木材を撮影して、写真展に出展することも。「国内各地にスギの名産地があるが、目の細やかな(奈良県の)吉野スギに比べて、徳島のスギは太く育てる特徴がある。四国山地は土地が肥えており、よく
育つ」と目を細める。
厚生大臣を務めるなど、全県1区だった当時の徳島選挙区で当選8回の衆院議員時代を振り返り、「自分は長い間、選挙で県民みんなに世話になってきた。寄贈は県民への感謝の気持ちを込めた。これからも杜の恩恵
について伝えていきたい」と決意を新たにしている。(
木の情報発信基地では、TOPページを平日毎日更新しておりますが、その更新の中に、報道各社のホームページに
掲載されているニュースを毎朝調べ、昨日掲載された情報を集め、リンク形式の1行にその見出しを掲載しています。
2010年現在で毎日平均15本の広い意味での木に関する情報が掲載されています。毎日更新ですから、次の日には消えて
しまいます。これではいかにももったいないので、アーカイプとして分野別に分けて保存しております。このwebページは
「木材、木工、木製品」に関するものを集めています。2006年から開始しましたが、年に2度程度の更新で情報追加いたします。
情報収集の方法はグーグルニュースの検索で調べるというシンプルなものです。