ID : 6550
公開日 : 2008年 3月 2日
タイトル
昭和の名建築再生へ 昨年解体の「旧室谷邸」
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新聞名
神戸新聞
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元URL.
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0000857773.shtml
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元urltop:
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写真:
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神戸市須磨区にあった国登録有形文化財で、約一年前に解体された「旧室谷邸」の部材を、神戸市教委が保管していることが、一日までに分かった。建物を所有していた姫路市の不動産会社が無償で寄贈。建
物の内壁など大部分は処分され復元や移築は難しいが、同市教委は部材を生かしたモニュメントの建造など活用策を検討。地元住民らが愛した名建築が、姿を変えて再生される。(金海隆至)
同市教委が北区の施設で保管しているのは、建物の柱や梁(はり)に使われていた木材、照明器具、暖炉の大理石など。正門付近にはめ込まれ、地元住民らにも親しまれた少年の顔をかたどったレリーフも含まれてい
る。建物全体の一割ほどだが、トラックで六台分ある。
旧室谷邸(同市須磨区離宮前町二)は、関西学院大校舎などの設計で知られる米国出身の建築家ヴォーリズが手掛け、木材商だった故室谷藤七氏の住宅として一九三四(昭和九)年に完成した。英国伝統の重厚な洋館
として評価が高く、九六年に国登録文化財になった。
姫路市の不動産会社「ハウジングタイホー」が二〇〇五年夏、室谷氏の長女から土地とともに購入。「建物の現状保存」が売却条件だったが、同社は〇六年十二月に「老朽化で倒壊の危険性がある」として、文化庁に解
体計画を提出した。長女や地元住民らは同市や県に現状保存を訴えたが、修理、移築には数億円に上る費用が必要なことや、解体はあくまで所有者の意思に基づくという制度の壁に阻まれ、昨年三月末に完全に取り壊さ
れた。
地元住民らは保存をあきらめかけていたが、熱心な働きかけが実を結び、同年九月、同社が寄贈を決めた。保存の署名活動に取り組んだピアノ教師の女性(49)は「近くに住んできた者にとって室谷邸は庭のようであり
、風景の一部だった。部材が保管されていることだけでもうれしいが、古き良き建物を思い出せるように活用してほしい」と期待している。
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