道内外の薬屋や酒屋、履物問屋、そば屋などに掲げていた看板46点を展示。カツラやケヤキなどの板に文字や印を彫り、漆を塗ったり、金箔(きんぱく)を施した昔懐かしいものが並んでいる。 全国最大手だった盛岡の川口荷札(現在の川口印刷工業)が、昭和の戦前に荷札販売用に使っていた「金壹錢(いっせん)入れて一枚おつかひ下さい」という看 板もある。駅や港、市場などから荷物を発送する際に使う荷札を販売する所に掲げていたとみられ、時代を感じさせる。
このほか、盛岡産の「純粋林檎(りんご)酒」を販売していた店の看板もある。
訪れた盛岡市上田1丁目の笠原直枝さん(70)は「昔懐かしい気分に浸ることができ、見ていてとても楽しい」と笑顔を見せていた。
坂野さんは30年ほど前から道内外の骨董(こっとう)品店などを訪れて、昔の木の看板を収集している。「看板を通じて、往時の流行や庶民の暮らしも分かってくる。多くの人に見てほしい」と呼び掛けている。
同展は19日まで(木曜日定休)。午前10時から午後7時までで入場無料。
【写真㊨=昔懐かしい木の看板を今に伝えているコレクション展】
【写真㊧=盛岡の川口荷札が荷札販売に使っていた看板】