【58】とどまつ
雪の上に降り出し雨はトド松の
春の並木に緑かけたり
(小田観蛍)
常緑高木。
高さ30m、直径1mにも達す。北海道、南千島、ソ
連に分布する。北海道針葉樹林の主木である。5月頃
に開花し、種子が熟するのは9月で、4年周期に多く
の花が咲き、その年は「トドマツ」の豊作とよばれ、
人工造林用の種子の確保が集中的に行われる。北海道
の人工造林の樹種として重要な担い手ながら若木の春
先のおそい霜に弱いので余り良い造林地が少ない。
材は淡黄白色で、肌目は粗いが木理は通直で軽くて
柔かく、加工は容易で、割裂性、弾力性に富んでいる
。建築用として良いものは室内の枠材、鴨居など造作
材に使われるが一般に?等小割物、板等又器具材のほ
か機械材、土木用材、経木材、包装箱材、パルプ材等
に利用される。
北海道では庭木として植えられ、若木はクリスマス
ツリーに使う。
よく似た仲間の「シラベ」は、中部地方の高山、近
畿地方の大峰山系に分布し、標高1600m~2400mの間
によく育つ。