スギ |
もう一つの出会い |
108 |
三本杉 |
高知市民が怖れて近寄らぬ三本杉という魔の場所が |
スギ |
もう一つの出会い |
108 |
小暗い杉林 |
昼でも小暗い杉林を抜けて往復し、 |
オリーブ |
もう一つの出会い |
132 |
オリーブ |
瀬戸内海に浮かぶオリーブの島、 |
スギ |
もう一つの出会い |
135 |
杉の枝 |
笹一は杉の枝につけて連れてきた女郎ぐものドンブス、 |
カキ |
もう一つの出会い |
135 |
柿の木 |
柿の木の下にむしろを敷いて |
さくら |
もう一つの出会い |
166 |
桜の名所 |
四国一の桜の名所ともいわれ、 |
しゃくなげ |
もう一つの出会い |
168 |
しゃくなげ |
こんな平地ら珍しく大株のしゃくなげがあり、 |
さつき |
もう一つの出会い |
168 |
さつき |
さつきが満開です |
しゃくなげ |
もう一つの出会い |
168 |
しゃくなげ |
しゃくなげが咲きましたよ |
さつき |
もう一つの出会い |
168 |
花ひらくさつき |
時節には赤いじゅたんのようにいっせいに花ひらくさつきの中庭や、 |
うるし |
もう一つの出会い |
184 |
本うるし |
いま木地のよい本うるしの椀を買おうとすると、 |
うるし |
もう一つの出会い |
186 |
黒うるし |
外側は黒うるしで、模様は外側に朱うるしで梅菱を描いてあり、 |
うるし |
もう一つの出会い |
187 |
うるし |
保存がよいのかうるしが上質なのか、 |
マツ |
もう一つの出会い |
199 |
松の盆栽 |
父の自慢の松の盆栽を飾ったり、 |
うるし |
もう一つの出会い |
199 |
うるし |
立派なうるしの大きな盆を出してある |
ウメ |
もう一つの出会い |
200 |
梅 |
表には梅や梅などのおめでたい模様を色刷りにしてある。 |
マツ |
もう一つの出会い |
200 |
松 |
表には梅や松などのおめでたい模様を色刷りにしてある。 |
ウメ |
もう一つの出会い |
200 |
ピンクの梅 |
ピンクの梅の小枝を下敷きに、 |
ブンタン |
もう一つの出会い |
203 |
文旦 |
削りぶしから始まって文旦、小夏などの果物、調味料の柚酢まで土佐直送のものばかり、 |
ユズ |
もう一つの出会い |
203 |
柚酢 |
削りぶしから始まって文旦、小夏などの果物、調味料の柚酢まで土佐直送のものばかり、 |
キャラ |
もう一つの出会い |
214 |
伽羅の香 |
日夜稽古に励み、『伽羅の香』では香道具一式を買って |
キャラ |
もう一つの出会い |
215 |
伽羅の香 |
『伽羅の香』の取材にあたり、 |
クリ |
もう一つの出会い |
240 |
丹波栗 |
上質の丹波の小豆あんで丹波栗を芯にくるみ、 |
クリ |
もう一つの出会い |
240 |
新栗 |
新栗の何ともいえぬよい香り、 |
かんな |
もう一つの出会い |
243 |
かんな |
なかにはまだ原始的なかんなを使っていた店もあった。 |
ウメ |
もう一つの出会い |
243 |
梅の花 |
魚や梅の花やひょうたんなどの木の型に割り箸の柄をさし、 |
モモ |
もう一つの出会い |
245 |
桃 |
およそ二ヶ月のあいだ桃ばかり食べてやせこけていた事もあった。 |
ナシ |
もう一つの出会い |
246 |
今村梨 |
この梨は以前前秋梨といい、その後、新潟の今村梨との交配が成功して |
ナシ |
もう一つの出会い |
246 |
前秋梨 |
この梨は以前秋梨といい、その後、新潟の今村梨との交配が成功して |
ナシ |
もう一つの出会い |
246 |
新高梨 |
食卓を賑わしているのは「新高梨という、」 |
やつしろ |
もう一つの出会い |
247 |
やつしろ |
温州、紅みかん、うす皮、きぬ皮、くねぼう、はっさく、ぽんかん、ねーぶる、やつしろ、きんかん、うちむら、文旦、大夏、小夏などのなかで、 |
ブシュカン |
もう一つの出会い |
247 |
仏手柑 |
柚子、仏手柑(ふしゅかん)、酢みかん等の料理専用のものを除いても、 |
みかん |
もう一つの出会い |
247 |
酢みかん |
柚子、仏手柑(ふしゅかん)、酢みかん等の料理専用のものを除いても、 |
ミカン |
もう一つの出会い |
247 |
紅みかん |
温州、紅みかん、うす皮、きぬ皮、くねぼう、はっさく、ぽんかん、ねーぶる、やつしろ、きんかん、うちむら、文旦、大夏、小夏などのなかで、 |
はっさく |
もう一つの出会い |
247 |
はっさく |
温州、紅みかん、うす皮、きぬ皮、くねぼう、はっさく、ぽんかん、ねーぶる、やつしろ、きんかん、うちむら、文旦、大夏、小夏などのなかで、 |
ユズ |
もう一つの出会い |
247 |
柚子 |
柚子、仏手柑(ふしゅかん)、酢みかん等の料理専用のものを除いても、 |
ねーぶる |
もう一つの出会い |
247 |
ねーぶる |
温州、紅みかん、うす皮、きぬ皮、くねぼう、はっさく、ぽんかん、ねーぶる、やつしろ、きんかん、うちむら、文旦、大夏、小夏などのなかで、 |
ミカン |
もう一つの出会い |
247 |
温州 |
温州、紅みかん、うす皮、きぬ皮、くねぼう、はっさく、ぽんかん、ねーぶる、やつしろ、きんかん、うちむら、文旦、大夏、小夏などのなかで、 |
きんかん |
もう一つの出会い |
247 |
きんかん |
温州、紅みかん、うす皮、きぬ皮、くねぼう、はっさく、ぽんかん、ねーぶる、やつしろ、きんかん、うちむら、文旦、大夏、小夏などのなかで、 |
うちむら |
もう一つの出会い |
247 |
うちむら |
温州、紅みかん、うす皮、きぬ皮、くねぼう、はっさく、ぽんかん、ねーぶる、やつしろ、きんかん、うちむら、文旦、大夏、小夏などのなかで、 |
ブンタン |
もう一つの出会い |
247 |
文旦 |
温州、紅みかん、うす皮、きぬ皮、くねぼう、はっさく、ぽんかん、ねーぶる、やつしろ、きんかん、うちむら、文旦、大夏、小夏などのなかで、 |
ミカン |
もう一つの出会い |
247 |
大夏 |
温州、紅みかん、うす皮、きぬ皮、くねぼう、はっさく、ぽんかん、ねーぶる、やつしろ、きんかん、うちむら、文旦、大夏、小夏などのなかで、 |
ミカン |
もう一つの出会い |
247 |
小夏 |
温州、紅みかん、うす皮、きぬ皮、くねぼう、はっさく、ぽんかん、ねーぶる、やつしろ、きんかん、うちむら、文旦、大夏、小夏などのなかで、 |
ブンタン |
もう一つの出会い |
247 |
改良文旦 |
長いあいだ土佐文旦のことを改良文旦と呼んでいたものだった。 |
レモン |
もう一つの出会い |
247 |
レモン |
どんどん改良されていって今ではレモンを上回る芳香と、 |
りんご |
もう一つの出会い |
247 |
りんご |
他にもりんごほどの大きさの特殊な西瓜や、 |
ボンカン |
もう一つの出会い |
247 |
ぽんかん |
温州、紅みかん、うす皮、きぬ皮、くねぼう、はっさく、ぽんかん、ねーぶる、やつしろ、きんかん、うちむら、文旦、大夏、小夏などのなかで、 |
オレンジ |
もう一つの出会い |
247 |
オレンジ |
梨の終わる頃からオレンジになり、 |
ナシ |
もう一つの出会い |
247 |
梨 |
梨の終わる頃からオレンジになり、 |
ナシ |
もう一つの出会い |
247 |
一般の梨 |
一般の梨が終わる晩秋から初冬にかけて収穫し |
くねぼう |
もう一つの出会い |
247 |
くねぼう |
温州、紅みかん、うす皮、きぬ皮、くねぼう、はっさく、ぽんかん、ねーぶる、やつしろ、きんかん、うちむら、文旦、大夏、小夏などのなかで、 |
オレンジ |
もう一つの出会い |
247 |
オレンジ |
このオレンジもざっと数えて二十種近くのものものが秋から |
ゴムノキ |
もう一つの出会い |
268 |
ゴム |
何とか生き長らえるのはゴムとか、 |
もくせい |
もう一つの出会い |
269 |
もくせいの和木 |
風の強い四階ではあっても椿やもくせいの和木ほ植えてくれたのはとてもうれしかった。 |
さつき |
もう一つの出会い |
269 |
さつき |
その他に椿、もくせい、くちなし、あじさい、さつき、つつじ、と昔なつかしいものを巧く配置してくれてある。 |
あじさい |
もう一つの出会い |
269 |
あじさい |
その他に椿、もくせい、くちなし、あじさい、さつき、つつじ、と昔なつかしいものを巧く配置してくれてある。 |
くちなし |
もう一つの出会い |
269 |
くちなし |
その他に椿、もくせい、くちなし、あじさい、さつき、つつじ、と昔なつかしいものを巧く配置してくれてある。 |
もくせい |
もう一つの出会い |
269 |
もくせい |
その他に椿、もくせい、くちなし、あじさい、さつき、つつじ、と昔なつかしいものを巧く配置してくれてある。 |
つつじ |
もう一つの出会い |
269 |
つつじ |
その他に椿、もくせい、くちなし、あじさい、さつき、つつじ、と昔なつかしいものを巧く配置してくれてある。 |
アメリカバクチ |
もう一つの出会い |
269 |
アメリカバクチ |
最も風の当たる場所にはアメリカバクチという、 |
ツバキ |
もう一つの出会い |
269 |
椿 |
風の強い四階ではあっても椿やもくせいの和木ほ植えてくれたのはとてもうれしかった。 |
さくら |
もう一つの出会い |
269 |
桜の葉っぱ |
桜の葉っぱもおもしろく、それらを掃き寄せて焚く煙は得もいえぬ風情があった。 |
イチョウ |
もう一つの出会い |
269 |
銀杏や紅葉 |
秋から冬へ移りゆく季節、押葉にしてたのしい銀杏や紅葉、 |
ツバキ |
もう一つの出会い |
269 |
椿 |
その他に椿、もくせい、くちなし、あじさい、さつき、つつじ、と昔なつかしいものを巧く配置してくれてある。 |
ツバキ |
寒椿 |
9 |
椿 |
「椿、ないかないか」 |
ツバキ |
寒椿 |
9 |
やぶつばき |
素っ気ない一重の藪椿など |
ツバキ |
寒椿 |
9 |
椿 |
とくに椿は着物ばかりでなく |
ツバキ |
寒椿 |
9 |
椿 |
椿はぽたりと首からもげると云われるが必ずしも全部がそうではなく |
ツバキ |
寒椿 |
9 |
椿 |
椿の木が六本植えられていた |
ツバキ |
寒椿 |
9 |
椿 |
椿は肉厚の白や斑の八重や |
ツバキ |
寒椿 |
32 |
椿 |
落ちていた椿の花を逆さに持って牡丹刷毛に見立て、 |
ナシ |
寒椿 |
51 |
梨 |
便りを出しても梨の礫ゆえ |
ツバキ |
寒椿 |
75 |
椿 |
椿の木があったらなおよい、と思った。 |
ツバキ |
寒椿 |
99 |
椿 |
六本の椿の木を瞼の裏に思いうかべた。 |
ヤマモモ |
寒椿 |
108 |
楊うめ |
楊梅の木のある松崎の墓所に |
ヤマモモ |
寒椿 |
108 |
楊うめの大木 |
楊梅の大木の木洩れ日を浴び乍ら |
ヤナギ |
寒椿 |
112 |
柳 |
播磨屋橋脇の柳の下に立って |
マツ |
寒椿 |
134 |
松原 |
最も海に近い松原のなかにあった |
マツ |
寒椿 |
135 |
松 |
松の根をいくつか飛び越せば |
ツバキ |
寒椿 |
155 |
椿 |
無闇に椿の葉っぱを毟(むし)ったりする。 |
ヤナギ |
寒椿 |
167 |
柳 |
民江の態度を柳に風と受け流している |
サクラ |
寒椿 |
175 |
桜 |
同期の桜のせいか |
ミカン |
寒椿 |
179 |
蜜柑箱 |
部屋の隅の蜜柑箱の上には |
マツ |
寒椿 |
180 |
松 |
松の根を踏んで |
マツ |
寒椿 |
182 |
松 |
松原を鳴らしてゆく潮風や |
ヤナギ |
寒椿 |
194 |
柳 |
「好いた水仙好かれた柳」などの浮名が立ち、 |
マツ |
寒椿 |
204 |
松 |
松原の松の匂い |
サンザシ |
寒椿 |
210 |
さんざし |
山査子の赤い実を |
ミカン |
寒椿 |
210 |
蜜柑 |
凍り蜜柑をストーブで焼いて |
カキ |
寒椿 |
212 |
つるし柿 |
味は大和のつるし柿 |
マツ |
寒椿 |
218 |
まつ林 |
松林を縫って吹き抜け |
マツ |
寒椿 |
218 |
松原 |
松原の中に並んだ |
サクラ |
寒椿 |
219 |
牡丹さくら |
牡丹桜が重そうに |
イチョウ |
寒椿 |
241 |
銀杏 |
銀杏の若葉の頃が |
サクラ |
寒椿 |
256 |
桜 |
白い桜の花を背負っていた |
サクラ |
寒椿 |
263 |
桜 |
桜の大木の下に |
サクラ |
寒椿 |
263 |
桜 |
桜の花の光景を |
マツ |
寒椿 |
273 |
まつ林 |
松林のなかを抜けて |
ツバキ |
寒椿 |
279 |
椿 |
椿のある長い敷石の道を |
ヤナギ |
寒椿 |
291 |
柳 |
年も二十一の盛りとあって匂い立つわほどのあでやかさ、柳が歩めば花がもの云う、などと譬える人もあって、 |
カキ |
寒椿 |
303 |
熟柿 |
熟柿が好きだったから |
ハギ |
寒椿 |
303 |
萩 |
きりりと緊(し)まっていた唇許からは黄になった萩の葉のような歯が覗いているのを見て、 |
マツ |
寒椿 |
309 |
松 |
松の花が目についたのは |
マツ |
寒椿 |
309 |
松の花 |
あら、松の花 |
アカマツ |
寒椿 |
312 |
赤松 |
赤松の梢を暫く仰ぎ |
アカマツ |
寒椿 |
313 |
赤松 |
赤松の下に佇っていたとき |
マツ |
寒椿 |
313 |
松の花 |
さっき見た松の花の |
コウゾ |
寒椿 |
314 |
こうぞ |
楮を五貫匁以上も負うて毎日八庁坂を担いあげたものじゃった。 |
サルスベリ |
寒椿 |
334 |
百日紅 |
百日紅の花が炎と紛(まが)うほど赤かったのを今でもずっと忘れないでいる。 |
サルスベリ |
寒椿 |
372 |
百日紅 |
百日紅の花模様であったり |
ツバキ |
寒椿 |
372 |
椿 |
植えられた椿 |
ケヤキ |
寒椿 |
372 |
欅 |
欅の葉色や |
チャ |
生きてゆく力 |
35 |
葉の葉 |
優勝を狙って興奮剤の葉の葉をしこたま食べさせ、 |
マツ |
生きてゆく力 |
40 |
白砂青松 |
この漁師町の白砂青松の景はいまも忘れられぬ。 |
サクラ |
生きてゆく力 |
58 |
桜の木 |
シャツ一枚で庭の桜の木の下に立っている。 |
サクラ |
生きてゆく力 |
59 |
桜の木 |
白い手拭いをかぶって桜の木の下に立っているのだった。 |
キリ |
生きてゆく力 |
96 |
桐下駄 |
季節がくると上等の桐下駄を箱に入れ、 |
センダン |
生きてゆく力 |
98 |
栴檀の木 |
私の家の庭の隅に一本の栴檀の木があり、伸びすぎてほかの植物に日陰を作るので伐らねば、 |
キリ |
生きてゆく力 |
100 |
桐 |
このかたちは桐などの軽い下駄のみに見られたもの。 |
キリ |
生きてゆく力 |
100 |
桐の台付 |
こんな桐の台付きでは歯替えやさんの出番はないが、 |
ホウ |
生きてゆく力 |
101 |
朴歯木履 |
学生のはく朴歯木履などでは |
ユズ |
生きてゆく力 |
133 |
柚子 |
上にちょっぴり柚子をすりおろすだけの食べ方。 |
ユズ |
生きてゆく力 |
134 |
柚子 |
銅(あか)のおろしで擦った柚子の皮の緑を美しく散らし、 |
シイ |
生きてゆく力 |
147 |
椎売り |
もうひとつ椎売りもある。 |
シイ |
生きてゆく力 |
147 |
椎の実 |
落ちた椎の実を拾って来て、 |
シイ |
生きてゆく力 |
147 |
椎の実 |
椎の実はたてに割れ目ができ、 |
シイ |
生きてゆく力 |
147 |
椎売り |
お櫃の中にはどの椎売りも必ず赤い毛糸を敷いてある。 |
シイ |
生きてゆく力 |
148 |
椎の実 |
いま椎の実を食べる人なんか、 |
ヤマモモ |
生きてゆく力 |
151 |
楊梅 |
楊梅(やまもも)も、キビ団子も |
ヤマモモ |
生きてゆく力 |
152 |
やまもも売り |
「やまもも売り」などは高知県だけのものではないだろうか。 |
ヤマモモ |
生きてゆく力 |
152 |
楊梅の木 |
楊梅の木は潮風の吹き通す土佐の山間部に生えているもので、 |
ヤマモモ |
生きてゆく力 |
153 |
楊梅は乱暴に扱ってはいけない |
弾けかえるほど熟れた楊梅は乱暴に扱ってはいけない。 |
ヤマモモ |
生きてゆく力 |
153 |
楊梅の大木 |
六本木公園にはこの楊梅の大木があり、 |
ヤマモモ |
生きてゆく力 |
153 |
楊梅の実 |
熟れておいしそうにふらんだ楊梅の実がたくさんたくさん、 |
ヤマモモ |
生きてゆく力 |
153 |
十市の楊梅売りが |
「今日辺り十市の楊梅売りが来はすまいかねえ」 |
ヤマモモ |
生きてゆく力 |
153 |
楊梅 |
案の定、今朝摘みの楊梅を二つのかごにのせ、 |
ヤマモモ |
生きてゆく力 |
153 |
楊梅はえー |
「えー、楊梅はえー」 |
ヤマモモ |
生きてゆく力 |
153 |
楊梅の実 |
楊梅の実は、入梅の少し前、ほんの一週間ほどのあいだ |
ヤマモモ |
生きてゆく力 |
154 |
楊梅売り |
この楊梅売りのあの呯び声だった。 |
ヤマモモ |
生きてゆく力 |
154 |
楊梅売り |
冒頭にまずこの楊梅売りの風景を描いた。 |
ヒイラギ |
生きてゆく力 |
169 |
柊の枝を |
大人たちは青物屋から柊の枝を買って来て雑魚の頭を突き刺し、 |
サクラ |
生きてゆく力 |
176 |
散ってさびしい桜 |
咲いてうれしく、散ってさびしい桜 |
サクラ |
生きてゆく力 |
176 |
桜の宴 |
桜の宴、ですぐさま思い起こされるのは、 |
サクラ |
生きてゆく力 |
176 |
万朶の桜 |
万朶の桜の下で催された後白河法皇の |
サクラ |
生きてゆく力 |
176 |
桜かざし |
桜かざして舞い踊る二人の上気した頬、 |
サクラ |
生きてゆく力 |
177 |
桜の定命 |
「咲いたあとは必ず散る」という桜の定命と、 |
サクラ |
生きてゆく力 |
177 |
山桜 |
ただ、山桜というのはまことにつつましい花で、葉のかげに隠れてひっそりと咲くので、 |
サクラ |
生きてゆく力 |
177 |
山桜の大木 |
転居祝いに贈ってくれたのが、山桜の大木だった。 |
サクラ |
生きてゆく力 |
177 |
桜 |
桜を好きな人は多いが、 |
サクラ |
生きてゆく力 |
177 |
我が家の桜 |
我が家の桜を思い出すたび、 |
サクラ |
生きてゆく力 |
178 |
桜花らんまん |
それでも、低い木ばかりの我が家の庭に、桜花らんまん、というと何やら |
サクラ |
生きてゆく力 |
178 |
桜の木 |
この桜の木に茣蓙(ござ)を敷いて手作りの五目ずしなど拡げ、梢におぼろ月がかかる刻限まで、 |
サクラ |
生きてゆく力 |
179 |
|
事情こそ違え、桜にまつわる悲しい話として、 |
サクラ |
生きてゆく力 |
179 |
桜 |
桜は、けんらん豪奢に咲き誇って人に愉楽をもたせてくれるかと思えば、散ったあとの愁(うれ)いをしみじみと噛みしめさせられる。そんな変幻自在の魅力を持つ花だといえようか。 |
サクラ |
生きてゆく力 |
185 |
しだれ桜 |
拡がっているのは薄紅いろのしだれ桜で、 |
サクラ |
生きてゆく力 |
185 |
桜の着物 |
当日だけしか着られない桜の着物を作りましょう |
サクラ |
生きてゆく力 |
186 |
葉の出た桜 |
やや葉の出た桜を眺めるのにはぴったりの季節となっており、 |
サクラ |
生きてゆく力 |
187 |
サクラの東洋美人 |
ニッポン、サクラの東洋美人を大いに大いに歓迎し、 |
サクラ |
生きてゆく力 |
187 |
桜の着物 |
そのあと桜の着物に着替えて、 |
サクラ |
生きてゆく力 |
187 |
桜の着物 |
この桜の着物をサワ子嬢に贈ることにしました。 |
クワ |
生きてゆく力 |
191 |
桑を食(は)む |
桑を食(は)む音の異様さ、独特の匂い、 |
クワ |
生きてゆく力 |
191 |
桑を食(は)む |
絶えまなく桑を食(は)む雨音のような響きが家中にひびきわたる。 |
クワ |
生きてゆく力 |
191 |
桑の葉 |
蚕は濡れた桑を嫌う故に、雨が降れば桑の葉を布で拭わねばならないから、 |
クワ |
生きてゆく力 |
191 |
濡れた桑 |
蚕は濡れた桑を嫌う故に、雨が降れば桑の葉を布で拭わねばならないから、 |
ヤナギ |
生きてゆく力 |
200 |
楊の木 |
目印の大きな楊の木こそないものの、 |
ヤナギ |
生きてゆく力 |
200 |
楊の籠 |
水を汲む見慣れた楊の籠もそのままあった。 |
ポプラ |
生きてゆく力 |
201 |
ポプラ並木道 |
ポプラ並木道がはるか続いており、 |
ウメ |
生きてゆく力 |
208 |
梅の枝 |
生田の森の合戦に箙(えびら)に梅の枝を差して奮戦したという軍談が始まった。 |
ナンテン |
生きてゆく力 |
211 |
南天 |
糸よりなどに南天その他の青い葉を差して届けたもので、 |
マツ |
生きてゆく力 |
215 |
法師ケ鼻の松 |
春は日本一早いという桜が咲き、中之島の柳、法師ケ鼻の松など絶景が望めたものである。 |
サクラ |
生きてゆく力 |
215 |
日本一早いという桜 |
春は日本一早いという桜が咲き、中之島の柳、法師ケ鼻の松など絶景が望めたものである。 |
ヤナギ |
生きてゆく力 |
215 |
中之島の柳 |
春は日本一早いという桜が咲き、中之島の柳、法師ケ鼻の松など絶景が望めたものである。 |
ヤマモモ |
生きてゆく力 |
219 |
空を飛んできた楊梅 |
空を飛んできた楊梅はいささか実が硬いように思われる。 |
ヤマモモ |
生きてゆく力 |
219 |
大きな楊梅の木 |
六本木公園に大きな楊梅の木があって、周りに熟しきった実がぼたぼた落ちており、 |
ヤマモモ |
生きてゆく力 |
219 |
楊梅 |
「櫂」の冒頭に出てくる楊梅(やまもも)は、 |
ヤマモモ |
生きてゆく力 |
219 |
あの楊梅 |
たくさん食べたあの楊梅はもうどこにもない |
サクラ |
生きてゆく力 |
233 |
派手な桜 |
いつも派手な桜なのに、と思いつつも |
サクラ |
生きてゆく力 |
235 |
さくらの花びら |
そのお骨はまるでさくらの花びらのようにうすくはかなく、 |
ヤナギ |
櫂 |
5 |
柳行李 |
底の一、二枚は柳行李の編目が凸凹についた |
ヤマモモ |
櫂 |
5 |
楊梅 |
「来ました、十市の楊梅(やまもち)が」 |
ヤマモモ |
櫂 |
8 |
楊梅の実 |
甘い汁をたっぶりと含んだやわらかな楊梅の実は、 |
ヤマモモ |
櫂 |
8 |
楊梅 |
楊梅はむろ蓋の中でころころと転がり、 |
ヤマモモ |
櫂 |
8 |
楊梅 |
味噌漉しの底の奉書が楊梅の汁でどっぷりと紫に染められ、 |
ヤマモモ |
櫂 |
8 |
楊梅 |
楊梅(やまもち)は夏病み除けとして大仰に喜ぶ。 |
モモ |
櫂 |
8 |
桃 |
その桃を、もう五、六年も前から富田では |
モモ |
櫂 |
8 |
黒桃 |
桃には黒い亀蔵と白桃とがあり、富田では岩伍がとくに黒桃の太いものを |
ヤマモモ |
櫂 |
8 |
楊梅 |
「楊梅の選(よ)り食」が始まり、ときには |
モモ |
櫂 |
8 |
白桃 |
桃には黒い亀蔵と白桃とがあり、富田では岩伍がとくに黒桃の太いものを |
ヤマモモ |
櫂 |
8 |
楊梅( |
楊梅(やまもち)は、土佐の海岸地方に生る特有の果実で、思わず頬を絞るほどの美味(うま)さがある代わり、これほどに傷み易いものもないといわれている。 |
モモ |
櫂 |
8 |
桃 |
桃には黒い亀蔵と白桃とがあり、富田では岩伍がとくに黒桃の太いものを |
ヤマモモ |
櫂 |
9 |
楊梅 |
「楊梅食うに、核(さね)を出す馬鹿があるか」という通もいるにはいるけれど、 |
ヤマモモ |
櫂 |
9 |
核 |
舌の先で核を弄(もてあそ)ぶようにしながら果肉だけを食べるのが安心なのであった。 |
ヤマモモ |
櫂 |
10 |
楊梅 |
ええーえ、楊梅はえーえ、、今朝採りの十市の楊梅、 |
ヤマモモ |
櫂 |
10 |
楊梅 |
ええーえ、楊梅はえーえ、、今朝採りの十市の楊梅、 |
ヤマモモ |
櫂 |
10 |
楊梅 |
姐さん、あの楊梅はえーえ、というのを一丁やってや。 |
ヤマモモ |
櫂 |
10 |
桃 |
潮風によう吹けた桃はえーえ、 |
ヤマモモ |
櫂 |
11 |
楊梅 |
十市の楊梅が入ると、岩伍は外に |
ヤマモモ |
櫂 |
12 |
楊梅 |
好物の楊梅をつまむのであった。 |
ヤマモモ |
櫂 |
12 |
楊梅 |
上町の吉沢医院の先生にもこの楊梅を届けてあげては |
ヤマモモ |
櫂 |
12 |
楊梅 |
楊梅も十市の亀蔵の走りなら |
ヤマモモ |
櫂 |
12 |
楊梅 |
上町の上品(じょうび)た暮らしの先生が楊梅など日になさるろうか、 |
カラタチ |
櫂 |
18 |
枳殻 |
右は枳殻の垣を廻らせた瓮屋の |
ヤマモモ |
櫂 |
18 |
楊梅に |
喜和は、楊梅に限らず町内に配り物を |
キリ |
櫂 |
19 |
桐油 |
上町の傘屋も桐油(とうゆ)が匂うけれど、 |
イチョウ |
櫂 |
20 |
大銀杏 |
お稲荷さんの大銀杏が影を落としているだらだら坂を、 |
えのき |
櫂 |
29 |
榎 |
古い榎の下で小枝を拾い、その小枝焚き付けに両手で掬った鋸屑を振りかければ、 |
せんだん |
櫂 |
31 |
栴檀 |
一文橋の袂の栴檀の木の下にまで行けば、 |
シュロ |
櫂 |
32 |
棕櫚縄 |
太い丸太が棕櫚縄に繋がれて水面いっぱいに |
センダン |
櫂 |
32 |
栴檀 |
秋は黄色く萎んだ栴檀のまるい実を前掛けいっぱい拾うことも出来る |
センダン |
櫂 |
32 |
栴檀 |
栴檀の小蔭には葦簀(よしず)囲いの店を |
つつじ |
櫂 |
54 |
つつじ |
丹精したつつじの庭園が自慢だということを |
カシ |
櫂 |
66 |
赤樫 |
赤樫の一寸五分板に挽いた大きな吊看板で、 |
スギ |
櫂 |
83 |
杉皮 |
屋根の杉皮が朽ちて黒い蔓草のように軒に垂れている |
ウツギ |
櫂 |
106 |
卯の花 |
卯の花を燻ってまるめ青魚を |
ナンテン |
櫂 |
107 |
南天 |
中庭の南天の木の脇に張板を立掛け、 |
ミカン |
櫂 |
125 |
蜜柑 |
底豆の皮を剥いたり紅蜜柑や薄皮蜜柑に爪を立てて、 |
みかん |
櫂 |
133 |
蜜柑 |
「蜜柑金柑こちゃ好かん」と茶化しているのを |
キンカン |
櫂 |
133 |
金柑 |
「金柑の目」と皆が綽名(あだな)を付けており |
ちゃ |
櫂 |
136 |
茶の香り |
あの山吹色の、甘い茶の香りで秋の茶漬飯はつい"手盛り八杯"という按配(あんばい)になって来る。 |
つばき |
櫂 |
143 |
椿の木 |
許せぬ思いで椿の木の暗がりに向かって、 |
つばき |
櫂 |
143 |
椿 |
蜥蜴は悠々と椿の根元に逃げ込んでしまったが、 |
チャ |
櫂 |
155 |
茶の葉 |
競走馬が茶の葉の食べさせすぎで死に、 |
シュロ |
櫂 |
157 |
棕櫚縄 |
棕櫚縄梯子を高いながら下りて行ったが、 |
サカキ |
櫂 |
158 |
榊生け |
神棚の榊生けの奥に隠し、釣り銭の五厘一銭を |
クス |
櫂 |
162 |
楠木 |
梢が時計台の先端に届くほどの巨大な、梢が時計台の先端に届くほどの巨大な、由緒ありげな楠木が幾株も根を張っている。 |
イチョウ |
櫂 |
187 |
銀杏 |
銀杏の並木を植え揃えた道の両替には、 |
サザンカ |
櫂 |
188 |
山茶花 |
庭の山茶花の蔭から見える棟の建物はとうやら |
クチナシ |
櫂 |
194 |
梔子 |
梔子(くちなし)などとりどりに一色の㟦(ぼ)かしか、 |
ビワ |
櫂 |
209 |
枇杷 |
じっとり揺れた大粒の枇杷の実のような裸電燈が |
ボタン |
櫂 |
210 |
牡丹 |
咲き盛りの牡丹が一輪、 |
ボタン |
櫂 |
212 |
牡丹 |
舞台の牡丹には忽(たちま)ち呼吸が通い始め玉虫色の |
ミカン |
櫂 |
215 |
蜜柑 |
蜜柑から手拭、 |
チャ |
櫂 |
226 |
割木 |
土瓶の茶の葉を毎回換えず二、三度 |
ヤマモモ |
櫂 |
227 |
楊梅 |
夏の楊梅、春の花見寿司と |
マツ |
櫂 |
227 |
松 |
松の割木を気前よく籠に投げ込めば、 |
カシ |
櫂 |
241 |
樫炭 |
固い樫炭を山に盛ったのを差し出す。 |
イチョウ |
櫂 |
260 |
大銀杏 |
大銀杏に棲む夥(おびただ)しい五位鷺の群れも |
スギ |
櫂 |
260 |
杉の柾目 |
杉の柾目の弁当を胸に抱えて、 |
イチョウ |
櫂 |
260 |
大銀杏 |
お稲荷様の大銀杏の梢は闇の中に溶け込んでいるほどに辺りは暗く、 |
サクラ |
櫂 |
286 |
夜桜 |
高知公園二の丸の夜桜のもとでそいつの鏡を |
サクラ |
櫂 |
290 |
小米桜 |
花も盛りを過ぎた小米桜の枝の蔭に盥(たらい)を出して |
サクラ |
櫂 |
290 |
小米桜 |
小米桜の下枝越しに離れを透かし、 |
サクラ |
櫂 |
308 |
桜 |
赤の地に観世水と桜を描いた友禅模様の産着は |
ツバキ |
櫂 |
321 |
椿の木 |
椿の木の根元を振返って砂糖のように細かく光った |
イチョウ |
櫂 |
334 |
銀杏 |
裏の原っぱの虫採りからお稲荷さんの銀杏拾い、 |
バラ |
櫂 |
338 |
天鳶絨(びろんど) |
綾子は薔薇の造花で飾った天鳶絨(びろんど)の帽子を被り、 |
ナシ |
櫂 |
361 |
新高梨 |
その新高梨は秋も十月に入らなければ |
ナシ |
櫂 |
361 |
梨 |
梨も桃も皮ごとかぶりついた子供の頃を、 |
モモ |
櫂 |
361 |
桃 |
梨も桃も皮ごとかぶりついた子供の頃を、 |
ナシ |
櫂 |
361 |
新高梨 |
新高梨は土佐針木の今村梨と越後の天の川の高配によって |
ナシ |
櫂 |
361 |
新高梨 |
何よりの好物の朝倉針木の新高梨を最後に口に入れてやりたい事で、 |
ナシ |
櫂 |
361 |
今村梨 |
新高梨は土佐針木の今村梨と越後の天の川の高配によって |
ナシ |
櫂 |
369 |
新高梨 |
やっと出廻って来た新高梨を擦り卸し、 |
ヤマモモ |
櫂 |
376 |
楊梅の木 |
今はもう実の生らない古い大きな楊梅の木の下に葬ったが、 |
ヤマモモ |
櫂 |
378 |
楊梅 |
十市の楊梅も味噌漉しのまま入り、 |
バラ |
櫂 |
387 |
薔薇 |
その衿元の淡い薔薇だけがいつまでも |
ユズ |
櫂 |
391 |
柚子 |
柚子(ゆのす)を卸した冷やしそうめんのガラス鉢を並べなから、 |
イチジク |
櫂 |
396 |
無花果 |
無花果を潰したような褐色の贓物を岩伍に見せて、 |
ヤナギ |
櫂 |
399 |
柳 |
褒められた柳の黒髪が、 |
サンゴジュ |
櫂 |
401 |
珊瑚樹の簪 |
叮嚀に使い込んだ黄楊の櫛、笄(こうがい)、珊瑚樹の簪、大貞の遺品(かたみ)一切を添え、 |
ツゲ |
櫂 |
401 |
黄楊の櫛 |
叮嚀に使い込んだ黄楊の櫛、笄(こうがい)、珊瑚樹の簪、大貞の遺品(かたみ)一切を添え、 |
ミカン |
櫂 |
403 |
臍(へそ)蜜柑 |
ネーブルという臍(へそ)蜜柑を食べやすいよう切って置いてくれたり、 |
ネーブル |
櫂 |
403 |
ネーブル |
ネーブルという臍(へそ)蜜柑を食べやすいよう切って置いてくれたり、 |
スギ |
櫂 |
409 |
達磨杉 |
両側にモダンな達磨杉の植えてある敷石の道 |
マキ |
櫂 |
416 |
薪屋 |
東条の将棋屋、入り口も見えぬばかりに大束小束を積み上げてある薪屋、 |
サクラ |
櫂 |
417 |
桜の大木 |
一抱え以上もある桜の大木を奥へずうーっと運び |
サクラ |
櫂 |
417 |
桜の枝 |
隙間なく巻いた桜の枝を痛めぬよう、 |
サクラ |
櫂 |
417 |
桜 |
桜もその内の一本ででもあろうかと |
サクラ |
櫂 |
418 |
吉野 |
鬱金桜の大木がそう滅多とあるものではなく、やっと吉野に落ち着いたという。 |
サクラ |
櫂 |
418 |
桜 |
「この桜は、陽暉桜(ようきろう)の大将がお家へ御祝儀じゃそうに御座いやして」 |
サクラ |
櫂 |
418 |
鬱金桜 |
本店別館の庭にある鬱金桜と同じものを贈りたいといい、 |
サクラ |
櫂 |
418 |
鬱金桜 |
鬱金桜の大木がそう滅多とあるものではなく、やっと吉野に落ち着いたという。 |
サクラ |
櫂 |
419 |
桜 |
桜は宿替え後、植え痛みも極く少なく、すぐ葉を拡げ始めたのであった。 |
イチョウ |
櫂 |
423 |
|
お稲荷さんの大銀杏を仰いだ。 |
ヤナギ |
櫂 |
428 |
柳 |
東に法師ケ鼻の松が藹々(あいあい)と煙り、西に中之島の柳が嫋々(じょうじょう)と風を受け流している中に、 |
サクラ |
櫂 |
428 |
吉野桜 |
陽暉桜(ようきろう)から贈られた中央の吉野桜を取巻いて築山、 |
チシャ |
櫂 |
428 |
青萵苣 |
手遊びがてら果樹の脇に青萵苣(ちしゃ)など植えていると |
マツ |
櫂 |
428 |
松 |
東に法師ケ鼻の松が藹々(あいあい)と煙り、西に中之島の柳が嫋々(じょうじょう)と風を受け流している中に、 |
マツ |
櫂 |
434 |
松竹梅 |
築山の松竹梅と吉野桜が程よい配置となって風情を添える。 |
ウメ |
櫂 |
434 |
松竹梅 |
築山の松竹梅と吉野桜が程よい配置となって風情を添える。 |
サクラ |
櫂 |
434 |
吉野桜 |
築山の松竹梅と吉野桜が程よい配置となって風情を添える。 |
マツ |
櫂 |
434 |
五葉の松 |
鉢植の五葉の松を剪定し、植込みの桃、茱萸、梅桃(ゆすらうめ)などの果樹についた虫獲(むしとり)りなどもする。 |
グミ |
櫂 |
434 |
茱萸 |
鉢植の五葉の松を剪定し、植込みの桃、茱萸、梅桃(ゆすらうめ)などの果樹についた虫獲(むしとり)りなどもする。 |
ヤマモモ |
櫂 |
434 |
梅桃 |
鉢植の五葉の松を剪定し、植込みの桃、茱萸、梅桃(ゆすらうめ)などの果樹についた虫獲(むしとり)りなどもする。 |
カリン |
櫂 |
442 |
かりんの胴 |
今は店の書類棚脇にこうきの棹(さお)にかりんの胴 |
センダン |
櫂 |
446 |
堅い栴檀台 |
少々重いけれど堅い栴檀台の下駄を穿かせているだけれど、 |
フジ |
櫂 |
446 |
藤の蔓 |
子に対する情は岩伍と喜和では松の木と藤の蔓ほどに違い、 |
マツ |
櫂 |
446 |
松の木 |
子に対する情は岩伍と喜和では松の木と藤の蔓ほどに違い、 |
ヒノキ |
櫂 |
457 |
檜 |
新湯のせいなのか桶の檜の匂いなのかは判らないが、 |
ヤナギ |
櫂 |
477 |
大柳 |
新地遊郭の入口には葉の落ち尽くした枝ぶりのよい大柳があり、 |
ヤナギ |
櫂 |
477 |
大柳 |
大柳の脇から遊郭を斜交いに突っ切って田の畦道へ出ると |
さくら |
櫂 |
477 |
桜の大樹 |
一際(ひときわ)抽(ぬき)んでて枝ぱかりの桜の大樹が天に向かって伸びているのが見え、 |
さくら |
櫂 |
477 |
吉野桜 |
それが家の庭のあの吉野桜なのだとすぐ判る。 |
さくら |
櫂 |
477 |
あの桜 |
うちのあの桜、学校の帰り道の何処からでもちゃんと見えるよ。 |
さくら |
櫂 |
477 |
桜の下 |
今思い返せばこの桜の下に茣蓙(ござ)を拡げ、 |
さくら |
櫂 |
478 |
桜 |
風の中に枝を張る桜は喜和の目に如何にもしょんばりと淋しげに見えた。 |
ヤナギ |
櫂 |
519 |
柳の梢 |
今柳の梢を眺めて藁人形をすぐお照に置き換えて |
サクラ |
櫂 |
519 |
吉野 |
また一層背が高くなったように思える吉野はもう黒々と濃い葉桜で、 |
ヤナギ |
櫂 |
519 |
大柳 |
新地遊郭の入口の大柳には以前藁で拵(こしら)えた人形が |
サクラ |
櫂 |
527 |
桜の花吹雪 |
毎年春には庭の桜の花吹雪を猪口(ちょこ)に掬(すく)って飯事(ままごと)し、 |
サクラ |
櫂 |
528 |
吉野 |
この吉野を植えた植仙の言葉の、 |
サクラ |
櫂 |
528 |
吉野 |
それは庭の吉野の倒れる音かも知れん、 |
サクラ |
櫂 |
529 |
吉野 |
運命の手によって庭の吉野が伐り倒されてゆくのはさらに此の上の悲運に見舞われるかも知れぬと |
マツ |
櫂 |
529 |
五葉の松 |
この蘭と五葉の松だけは二階に上げて |
ミカン |
櫂 |
552 |
蜜柑 |
「その蜜柑、うちの」とか「ラジオつけよか」とか |
ボタン |
櫂 |
557 |
牡丹の老木 |
もう芽もつけなくなっている牡丹の老木の廻りの草を㭞ってやった。 |
モモ |
櫂 |
557 |
梅桃 |
梅桃(ゆすらうめ)、桃、無花果の木々は健在だけれどこれも根元は枯葉と草で埋まり来年つける実はおぼつかない。 |
モモ |
櫂 |
557 |
桃 |
梅桃(ゆすらうめ)、桃、無花果の木々は健在だけれどこれも根元は枯葉と草で埋まり来年つける実はおぼつかない。 |
イチジク |
櫂 |
557 |
無花果 |
梅桃(ゆすらうめ)、桃、無花果の木々は健在だけれどこれも根元は枯葉と草で埋まり来年つける実はおぼつかない。 |
サクラ |
櫂 |
557 |
吉野の幹 |
最後に吉野の幹に手を掛けて空を仰いだ。 |
サクラ |
櫂 |
558 |
桜 |
夜毎聞えて来た木を伐る音はこの桜ではなく、 |
サクラ |
櫂 |
558 |
桜同様 |
と最後まで頼っていたのにこれも桜同様、 |