藤沢周平の小説「闇の梯子」に出てくる樹木や木製品
この小説の初出は1974年、文庫本におけるページ数は71ページ
ページ |
元樹種 |
掲載樹種 |
掲載言葉 |
55 |
板木 |
板木 |
板木師という仕事は |
62 |
板木 |
板木 |
板木師というのは |
65 |
板 |
板 |
板を買うからと |
66 |
木戸 |
木戸 |
裏店の木戸の外に |
68 |
コブシ |
辛夷 |
庭の隅にある辛夷の樹を伐っていた |
68 |
スギ |
杉 |
囲りの杉の樹にまで |
68 |
コブシ |
辛夷 |
最後に残った辛夷の巨樹に鋸を入れていたのである |
68 |
コブシ |
辛夷 |
白い辛夷の花が散らばり |
68 |
樹 |
樹 |
樹は微かに身顫いし |
68 |
葉 |
葉 |
葉がためていた |
68 |
巨樹 |
巨樹 |
最後に残った辛夷の巨樹に鋸を入れていたのである |
69 |
板木 |
板木 |
江戸で板木師になったという |
69 |
板木 |
板木 |
次第に板木を彫る腕を |
69 |
板木 |
板木 |
弥之助が板木彫りとは無縁の |
69 |
鋸 |
鋸 |
鋸を樹の幹に喰い込ませたまま |
69 |
板木 |
板木 |
江戸に来て板木師になったという |
69 |
樹 |
樹 |
兄が最後の樹を伐り倒して |
69 |
板木 |
板木 |
彫竹という板木師の家に住み込んだ |
69 |
コブシ |
辛夷 |
庭の隅の辛夷を伐った年の秋 |
70 |
板木 |
板木 |
板木師になったことは聞いていた |
72 |
板木 |
板木 |
出来上った板木の荷を解こうとするのに |
77 |
版元 |
版元 |
版元が、彫りかけている |
77 |
板木 |
板木 |
彫り進んでいた板木を風呂敷に包んで |
77 |
板木 |
板木 |
高い値段で板木を引き取らせたのである |
80 |
板場 |
板場 |
お恵が板場に引込むと |
92 |
板木 |
板木 |
板木を支えているせんぼんが |
92 |
木 |
木 |
入れ木を叩きながら |
92 |
板木 |
板木 |
すばやく動いて板木の肌を |
94 |
枯葉 |
枯葉 |
追いまくられる枯葉のように |
95 |
シイ |
椎 |
空地に椎の樹があって |
97 |
板戸 |
板戸 |
そっけなく板戸が並ぶばかりで |
98 |
板木 |
板木 |
板木を彫っている |
99 |
シイ |
椎 |
そこには高い椎の樹が影を落として |
100 |
シイ |
椎 |
清次が椎の樹の蔭に |
104 |
板木 |
板木 |
この男はただの板木師だ |
104 |
シイ |
椎 |
椎の樹の根元に両膝をつき |
104 |
板木 |
板木 |
板木師だって |
107 |
板 |
板 |
板の割れる音が |
116 |
樹 |
樹 |
まれに立つ樹は |
116 |
葉 |
葉 |
一枚の葉もない |
116 |
木 |
木 |
黒い裸木で |
122 |
板木 |
板木 |
清次は板木を削っていた |
123 |
板 |
板 |
薄暗い羽目板のあたりに |
123 |
木 |
木屑 |
膝の上の木屑を払い |
闇の穴、
闇の梯子、
偉丈夫、
岡安家の犬、
狂気、
紅の記憶、
荒れ野、
漆黒の霧の中で、
小川の辺、
静かな木、
相模守は無害、
入墨、
父と呼べ、
閉ざされた口、
木綿触れ、
夜が軋む、