藤沢周平の小説「夜が軋む」に出てくる樹木や木製品
この小説の初出は1992年、文庫本におけるページ数は44ページ
ページ |
元樹種 |
掲載樹種 |
掲載言葉 |
220 |
木 |
木ぼっこ |
みやげによく買う木ぼっこ |
220 |
木造 |
木造 |
あの木造りの人形などを |
220 |
木地 |
木地 |
住み馴れた木地の村を |
220 |
椀 |
椀 |
椀の類から |
220 |
木地 |
木地 |
生まれながらの木地師でしたが |
220 |
木 |
木陰 |
木陰の沢を下りながら |
220 |
樹 |
樹 |
樹の芽がぽつぽつ出はじめた |
220 |
木地 |
木地 |
木地の仕事にもってこいの |
220 |
ミズキ |
みずき |
やまつつじ、あおはだ、ぎしゃ、みず木、いたやなんていう |
220 |
ダンコウバイ |
ぎしゃ壇香梅(ダンコウバイ) |
やまつつじ、あおはだ、ぎしゃ、みず木、いたやなんていう |
220 |
アオハダ |
あおはだ |
やまつつじ、あおはだ、ぎしゃ、みず木、いたやなんていう |
220 |
ツツジ |
つつじ |
やまつつじ、あおはだ、ぎしゃ、みず木、いたやなんていう |
220 |
イタヤ |
いたや |
やまつつじ、あおはだ、ぎしゃ、みず木、いたやなんていう |
220 |
木地 |
木地 |
仙十郎は木地師で |
220 |
樹 |
樹 |
樹が集まっていることを |
222 |
轆轤 |
轆轤(ろくろ) |
轆轤をまわすのに |
222 |
木地 |
木地 |
木地の仕事は |
222 |
木 |
木ぼっこ |
遠刈田の木ぼっこというのは |
222 |
クリ |
クリ |
儲からない木ぼっこつくりに |
222 |
轆轤 |
轆轤(ろくろ) |
轆轤台に足をふんばって |
222 |
木 |
木 |
綱の先につけた木の輪に |
222 |
フジ |
藤 |
藤の皮を三本撚ったものです |
222 |
轆轤 |
轆轤(ろくろ) |
これを轆轤の軸に七巻きして |
223 |
木 |
木ぼっこ |
忘れずに木ぼっこと独楽をまぜて行きました |
223 |
木 |
木ぼっこ |
忘れずに木ぼっこと独楽をまぜて行きました |
223 |
椀 |
椀 |
細工物は椀や杓子から |
223 |
杓子 |
杓子 |
細工物は椀や杓子から |
224 |
カンナ |
カンナ |
かんなつきもよく、磨きもよく |
224 |
樹 |
樹 |
あたりに多い樹なのですが |
224 |
木 |
木ぼっこ |
木ぼっこ作りに精出していた |
224 |
キハダ |
きはだ |
きはだを煮つめて作る |
224 |
木肌 |
木肌 |
木肌は青みがかかった白で |
224 |
木 |
木ぼっこ |
木ぼっこを作る材にするつもり |
224 |
木 |
大木 |
丈が三丈もある大木で |
224 |
樹 |
樹 |
あおはだは大きい樹になると |
224 |
樹 |
樹 |
この樹を伐りに行って |
224 |
樹 |
樹 |
あおはだという樹は |
224 |
樹 |
樹 |
色ののりがいい樹だということでした |
225 |
柾見 |
柾見 |
柾見をしておいて |
225 |
木 |
木ぼっこ |
木ぼっこというのを |
225 |
木 |
木 |
これが木干しの方法で |
225 |
木 |
木ぼっこ |
木ぼっこなどという |
225 |
木地 |
木地 |
すっかり木地師の女房の言い方で |
225 |
玉切 |
玉切 |
八尺ぐらいの玉切りにして山を |
225 |
枝 |
枝 |
枝をはらわないで |
225 |
樹 |
樹 |
伐り倒した樹は |
225 |
木地 |
木地 |
木地師の仕事の運びだったんですよ |
225 |
皮 |
皮 |
かるく皮を剥いで |
225 |
葉 |
葉 |
大体新しい葉が出はじめる |
226 |
木細工 |
木細工 |
ただそれだけの木細工に |
226 |
木 |
木ぼっこ |
仙十郎の木ぼっこは遠刈田のもの |
226 |
木樵 |
木樵 |
鷹蔵は木樵で |
228 |
木樵 |
木樵 |
考えたとおり、木樵の鷹蔵は |
229 |
羽目板 |
羽目板 |
羽目板や閉ざした板戸が黒っぽい |
229 |
木 |
木の実 |
木の実の漬物までそえて |
229 |
マタギ |
またぎ |
またぎの家が二軒あって |
229 |
板戸 |
板戸 |
羽目板や閉ざした板戸が黒っぽい |
230 |
木 |
木ぼっこ |
仙十郎が木ぼっこの彩色に |
230 |
木 |
木 |
仙十郎は木を伐りに行くか |
232 |
雑木林 |
雑木林 |
裏山の雑木林が |
233 |
羽目板 |
羽目板 |
ぎしぎしと羽目板が鳴り |
234 |
板 |
板 |
羽目板の隙間から射し込む |
234 |
羽目板 |
羽目板 |
羽目板は黒く光り |
235 |
棒 |
棒 |
戸口の心張棒を調べましたが |
235 |
カキ |
柿 |
その上を柿いろの静かな日の光が |
236 |
板 |
板 |
家から持ち出した板で |
236 |
マタギ |
またぎ |
そこはまたぎの家なのです |
238 |
桶 |
桶 |
そこで棺桶を作ったり |
239 |
手斧 |
手斧 |
それが手斧の傷痕ではないかと |
239 |
木地 |
木地 |
手斧は木地師が使い馴れている道具 |
239 |
木地 |
木地 |
手斧は木地師が使い馴れている道具 |
240 |
板 |
板 |
後で水洗いして板にのせると |
240 |
棒 |
棒 |
こんな細い槌棒で叩き潰します |
240 |
桶 |
桶 |
たっぷり水を入れた桶の中で |
240 |
カエデ |
楓 |
大きないたや楓の根元に置いて |
240 |
雑木林 |
雑木林 |
駆け上り雑木林の際に消えるところを |
241 |
木 |
木の枝 |
拾い上げたらしい太い木の枝を手に |
241 |
木地 |
木地 |
遠刈田のあたりの木地師は |
241 |
木地 |
木地 |
同じ村の木地師が向いあって |
241 |
枯木 |
枯木 |
その中の枯木が倒れて |
241 |
松 |
松林 |
深い松林に続いていて |
241 |
雑木林 |
雑木林 |
雑木林はすぐに |
241 |
木地 |
木地 |
木地師はここを見廻ったり |
243 |
薪 |
薪 |
薪を燃やして |
245 |
羽目板 |
羽目板 |
やがて羽目板、というより |
245 |
雑木林 |
雑木林 |
裏山の雑木林が、少しも |
248 |
雑木 |
雑木 |
岸の雑木も根もとに厚く |
248 |
枝 |
枝 |
さし交す樹の枝の中に姿を隠し |
闇の穴、
闇の梯子、
偉丈夫、
岡安家の犬、
狂気、
紅の記憶、
荒れ野、
漆黒の霧の中で、
小川の辺、
静かな木、
相模守は無害、
入墨、
父と呼べ、
閉ざされた口、
木綿触れ、
夜が軋む、